女子Qリーグ、中学生Nリーグ2025-2026シーズン第11戦:大磯クリテリウム第4戦 結果
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サイクルロードレースの女子リーグ「クイーン・リーグ(Qリーグ)」、中学生リーグ「ニュー・エイジ・リーグ(Nリーグ)」第6期 2025-2026シーズン第11戦:大磯クリテリウム第4戦が2026年1月18日(日))、神奈川県中郡大磯町の大磯プリンスホテル特設クリテリウムコースで開催された。

雲ひとつない青空の下、女子スポーツのスタートを待つ選手たち(Photo: k.kazuma)
この大会は大磯プリンスホテルの敷地内に特設コースを設定し、今シーズンで開催 13年目を迎える地元密着型の自転車クリテリウムレース。コースとなるホテル駐車場の改装により、昨年の開催からレイアウト一部変更で途中箇所にあったクランク部分をなくし、レース展開がスピードアップ。一方で毎レース、一部コースを微調整しながら変更することで、安全対策をおこなっている。
走り方の指導を受けてからレース走行ができて好評の「初心者レースセミナークラス」や、ビギナーとピュアビギナーの間に新たなクラスとして「ピュアツー」を組み込まれ、エントリークラスを細分化。レースの合間には、大会主催の一般社団法人GRサイクリングの代表である山根理史氏によるライダーズミーティングを実施。受付やコミュニケボードの掲示板には、レース前の心得が大きく貼りだしてあり、自転車レースに初めて参加するライダーにも安心な対応を整えている。
そんな様々な工夫もあり、相変わらず参加ライダーの年齢層は比較的に低く、初めて自転車レースというものにトライしたい!という要求に大磯クリテリウムはしっかり応えている。
当日は早朝から続々と参加者が集まり、名物のひとつとなっている出展ブースや種類豊富なキッチンカーには、コーヒーや朝食を求める列ができていた。天候が穏やかだったこともあり、昼にはボリューム満点でメニュー豊富なランチを求めて、参加者や観戦者だけでなくサイクリングやトレーニングの途中のサイクリストがに会場へ立ち寄り、食事をしながらレースを応援していく姿も多く見かけた。

ライダーズミーティングでの指導のほか、表彰プレゼンターで健闘を称える主催代表の山根氏(写真中央)(Photo:QNリーグ事務局)

今回も会場には魅力的なメニューを揃えた飲食ブースが立ち並んだ(Photo:QNリーグ事務局)
今シーズンQNリーグのシリーズ戦においては、昨年11月の第2戦、今回の第4戦を対象とし、Qリーグと Nリーグ中学生女子NWが女子スポーツ、そしてNリーグの中学生男子Nが中学生男子と、それぞれ対象の各クラスでポイント獲得を目指す。前戦から 2カ月が空き、年末年始の冬休みを経て乗り込みをしてきたリーグ選手達の仕上がりが楽しみである。
中学生男子クラスは茂木陽向が優勝、Nリーグポイントランキング4位に浮上
まずは12時26分スタートとなるNリーグ中学生男子N対象の「中学生男子クラス」参戦選手がスタートラインに並んだ。
エントリー30名、出走28名と前シリーズ戦と同じ大人数になり、Nリーグ登録は10名。前回レースで優勝してバトルマリンジャージ姿の現ポイントリーダー柬理日楠詩(Team FITTE)とともに、ポイントランキング 3位に付ける神戸雅渡(保土ヶ谷.Bro)、そして全日本ジュニアロードレース選手権・男子U15の現チャンピオンである茂木陽向(#1-PRIMERA-)は前回、ゴールスプリントで柬理に僅差で敗れているので、その挽回にどう動くか?

スタート前の招集では、仲間と笑顔で撮影にも応じてリラックスしていた(Photo:QNリーグ事務局)

レースがスタートすれば一転して集中。積極的に動くライバルをマークし追う(Photo:井上和隆)
全8周回のレース、スタート直後は 1周回のローリングで、しばらくお互いの様子をみる。前回3位入賞した小林右京(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)や、毎回上位に入る白須樹は集団の前方をキープしながら、2周回目でコントロールラインに入ってからのローリング解除でスピードアップに備える。

アタックで逃げに成功した茂木は時折、後方を確認しながらタイム差を広げていく(Photo:井上和隆)

単独での逃げを許してしまった後続集団は、ローテーションを回しながら必死で追う(Photo:k.kazuma)
すると集団スピードが徐々に上がるなか、一気に単独でアタックで飛び出したのはPRIMERA茂木!レース後コメントでは「快晴で風も強くないし、メンバーにはたくさん強豪がいるので、スプリントでは勝ち目がないと思い、レースが始まる前から逃げの一択でした。前回(リーグシリーズ戦でなかった昨年12月開催の大磯クリテ第3戦)で後続を引き離して勝てたので、今回もインターバルのキツイところで渾身のアタックが決まった」と語った。
その動きに不意打ちを喰らったのか、柬理を頭にした集団がペースアップし茂木を追いかけるものの間に合わず。最初は集団とのタイム差が5秒となっていたが、周回を重ねるごとにタイム差が開いていった。集団内のローテーションを早く回しても10秒差、15秒差となっていく。
「アタック後、追走との距離を離すところまでは高出力で、あとは後続の速度を目算で出して、追いつかれない速度域のなかでも楽に走れる6割くらいの出力を維持するよう心がけていました」と茂木。
個人タイムトライアル状態の茂木に追いつくべく、Nリーグからは FITTE柬理、保土ヶ谷.Broの神戸、白石大河(Komami.Racing)、大内恵吾(Team一匹狼)、富永和彦(#1-PRIMERA-)の5名、そしてラバネロ小林、白須、勅使河原奏太、渡邉稜己(LEVANTE HOPE)の4名となる計9名が集団で追いながら時折、単独でブリッジをかけるも「来シーズンの目標はU17の全日本選手権で優勝する事とJBCFで年内にはE1へ昇格する事です!」という高い目標を持って逃げ続ける茂木には追い付けず、そのまま最終周回へもつれ込む。
単独でゴールに飛び込んできたのは茂木で、集団からのタイム差は最大25秒差まで開いてのゴール。それに続くゴールスプリントでは、少し早めに集団から単独で飛び出したKomami白石が2位となった。3位にはラバネロ小林が入り、保土ヶ谷.Bro神戸は僅差で4位になったものの、毎シリーズ戦で上位に入り積み上げてきたポイントの貯金が活きてランキング3位を守った。
一方で茂木は優勝し28ポイント獲得。一気にランキング4位まで上げ、3位・神戸とのポイント差に僅か2P差まで迫ってきた。

2位争いのスプリントは積極的な走りが光った白石(写真中央)に軍配が上がった(Photo:k.kazuma)

中学生男子の表彰。左から2位・白石、優勝の茂木、3位・小林(Photo:QNリーグ事務局)

4位の神戸は各リーグシリーズ戦でコンスタントに好成績を出しランキング3位を保持(Photo:k.kazuma)
アールエルNリーグ中学生男子Nポイントリーダー授与式では、惜しくも8位に沈んだものの、リーダーの座を守った柬理が登壇。この年末年始は高校受験を控えて勉強に集中していたが、中学3年間は自転車レースに邁進し日々トレーニングを重ねてきていた。
そんな彼に大磯クリテリウムの印象を聞くと「中学1年のときから走っていて、1年生では動かされていたレースだったのが、自分で動くレースに変えていけたのが実感できた」と語る。大磯クリテリウムでの積み重ねた経験がレース感を高め、主体的に走る鍛錬の場にもなったと振り返った。
とはいえ柬理、今回のレースで自分から積極的に動くはずが「パンクしてしまって。でも、それは言い訳にしかならないし、何より(PRIMERA茂木の)アタックに反応できなかったのは自分が悪い。次はしっかりとアタックに反応して、整備不良もないように準備をして万全の状態で走るようにします!」と、悔やまず、次に向けて気持ちを切り替えていた。

悔しそうに敗因を語る柬理。しかし切替えの早さも彼の良さ。次戦でのリベンジに期待!(Photo:QNリーグ事務局)

8位の柬理日楠詩がNリーグ・ポイントリーダーの座を守った(Photo:QNリーグ事務局)
次戦に向けてはキッパリと一言「勝ちます!」と勝利宣言。「いつも応援ありがとうございます。これからも頑張りますので、引き続きよろしくお願いします!」と最終戦での総合ポイントリーダー獲得を目前に、日頃の声援に感謝を伝えていた。
女子スポーツは山根菜穂が優勝、Qリーグ・ポイントリーダー岡本彩那は3位
この後、13時31分にスタートとなったのがQリーグ、そしてNリーグ中学生女子NWが対象の女子スポーツ。Qリーグからは現ポイントリーダーの岡本彩那がHigh Ambitionレーシングアカデミーに移籍して初のレース参戦、Nリーグ女子は福島県から板垣美希(BELLEEQUIPE)が参戦。
そこに迎え撃つメンバーは10名、その中には大磯クリテリウムでお馴染みの仲谷あい(Roppongi Express)、昨年12月開催の大磯クリテ第 3戦で優勝した田中麗奈(Bellmare Women ‘s Racing team)、そして Qリーグ岡本とチームメイトとなった西山千智(High Ambitionレーシングアカデミー)の顔も並ぶ。

ローリング周回中の女子スポーツ出場選手たち。写真のゴールへ向かうストレートは斜め向かい風(Photo:井上和隆)

リアルスタート後のスピードアップに付いていけず、板垣はドロップ(Photo:井上和隆)
全12周回、オンタイムでスタートした12名は最初のローリング周回を終えて、集団全体が一気にスピードアップ。High Ambition岡本や Bellmare田中、Roppongi仲谷、黒川真理子(CinqMorceau)が代わるがわる集団の先頭を引っ張っていくせいか、なかなか集団から逃げが発生しない。一方で集団のペースアップに耐えられず BELLEEQUIPE板垣が 3周目ぐらいに集団からドロップしてしまう。

しばらくは集団が 1つであったが、田中(写真右)と小館(写真中央)がアタックし集団から抜け出す(Photo:井上和隆)

逃げる2名を必死で追いかける、西山(中央)を先頭とした後続集団(Photo:井上和隆)
一方、11名で固まっていた集団から、Bellmare田中と小館りえ(日本体育大学自転車競技部)の2名が飛び出したのが 6周回目。この逃げに反応して一気にスピードアップした集団は激しくローテーションを回し、その高速展開に耐えられない選手が少しずつ集団から脱落。中学生男子レースと違い、逃げる2名と集団とのタイム差が3秒から6秒で推移するギリギリの状況に。
「ちょっと序盤に(Bellmare)田中さんと日体大の小館さんの2人に逃げられちゃって、自分でも追いかけたんですが 2人とも向かい風で踏むので、なかなか追いつけなくて」とゴール後にレースを振り返った岡本。そんな混沌としたなかで追走集団が6名となり、残り1周に入ったところで「何とかで追いつけて、スプリントに絡めたのは良かったかな?と思います」と率先して集団を引きながら、最終コーナーとなる小田原コーナーで逃げる2名に岡本とCinqMorceau 黒川がブリッジに成功した。

ゴールスプリントはライン入り乱れるなか、綺麗に踏み出した山根(写真右)が勝利(Photo:k.kazuma)
先行する4名にスピードアップした後続集団が襲い掛かり、なんとゴールスプリントは8名の争い!その中で動きを見極め位置取りに成功した山根菜穂(TEAM CSM)が競り勝って優勝。2位には積極的な動きを見せた田中、3位は岡本が入った。またCinqMorceau 黒川が 4位、残り 1周まで逃げていた日体大の小館は5位となった。このハイスピード展開で最後まで気が抜けず、力を使い果たしたようでゴール後には倒れ込む選手が多かった。その分、非常に見応えがあり MCの煽りもあって、観客は大いに盛り上がっていた。

ゴール後に動けず、その場でへたり込んでしまう選手が続出したほど力を出し切った女子スポーツレース(Photo: k.kazuma)

今回の勝者を晒しているが、この後は笑顔で健闘を称え合っていた(Photo: k.kazuma)
ポイントリーダー授与式では、Qリーグ賞のアスリチューンについて「特にポケットエナジーの黒と白が好きで、普段の練習でも休憩のときに補給すると、その後に50kmぐらい疲れを感じずに集中して走れるのが良いです!」と日頃から愛用し、今回も最終局面に加わりレース結果に繋げていることを教えてくれた。
この後、2月の下総運動公園を舞台としたクリテリウム2連戦へ向けて「このところ、Qリーグシリーズ戦で3位ばかりで優勝できていないので、残り2レースとも勝ちに行きたいです!」と力強くコメントした。

女子スポーツの表彰式。左から 2位・田中、優勝の山根、3位の岡本(Photo:QNリーグ事務局)

アメジストジャージの防衛に成功し笑顔を見せる岡本の手にはアスリチューン賞の目録(Photo: k.kazuma)
この後、大磯クリテリウムは5月のJBCFレースを含めて残り3戦が開催される。毎回、同じスケジュールとコースでの開催となるが、レースはコースが作るのではなく、参戦する選手達が作り上げるものである。特に若い世代の選手にとっては、一戦、一戦が大事なレースなので、このような馴染みを抱けて何度もチャレンジできる連戦レースは貴重な場にもなる。

次戦は第12戦、2月21日(土)に千葉県成田市・下総運動公園サイクリングコースで開催される「杉浦佳子杯・第1回インクルーシブ自転車レース」となる。今大会は「障碍者」と「健常者」が共に同じ大会で闘い交流を深める日本初の“インクルーシブ自転車レース”で、「全ての人々に自転車レースの楽しさを!チャレンジする勇気を全ての人へ!」がテーマ。
併催となるQNシリーズ戦では、来場する皆さんに本格的な自転車ロードレースとして観戦してもらい、QリーグとNリーグ選手達には、その熱い走りをキッカケに自転車レースの楽しさを広める重要な役割をお願いしたいと思う。また、来期のリーグシリーズ戦にチャレンジを希望する選手は、今レースにエントリーすると自動的にリーグ登録されるので、是非ともQリーグ対象となる女子選手、そしてNリーグ対象となる中学生男女選手の皆さんの参加をお待ちしています。
各リーグ ポイントリーダー
今大会のポイントリーダー授与式では、Bioracerより「アメジストジャージ」「バトルマリンジャージ」各リーダージャージが提供された。また、Qリーグは株式会社隼より「アスリチューン Qリーグポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生男子Nは武田レッグウェアー株式会社より「RxLNリーグ中学生男子ポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生女子NWはアイリス株式会社より「EXLUBNリーグ中学生女子 NWポイントリーダー賞」が、それぞれ賞品として提供された。

Qリーグポイントリーダー:アメジストジャージ
Nリーグポイントリーダー:バトルマリンジャージ
提供:Bioracer
アスリチューン賞Qリーグ(高校生以上女子)
ポイントリーダー:岡本 彩那(High Ambition 女子レーシングアカデミー)・98p
ランキング2位:根本 香織(Team 一匹狼)・33p
ランキング3位:増輪 心(Team 一匹狼)・10p
RxL賞N リーグ・N(中学生男子)
ポイントリーダー:柬理 日楠詩(Team FITTE)・177p
ランキング2位:渡邉 公太(ブラウ・ブリッツエンU15)・128p
ランキング3位:神⼾ 雅渡(保土ヶ谷.Bro)・78p
EXLUB賞Nリーグ・NW(中学生女子)
ポイントリーダー:岡田 愛裕來(ブラウ・ブリッツェンU15)・151p
ランキング2位:板垣 美希(BELLE EQUIPE)・89p
年間総合ポイントリーダー特別賞:Airfly(株式会社ジゴスペック)
※ランキングにおいて同点者が出た場合、最新のレース着順が優位の選手を上位とする。
※最終戦終了時において、同点者が出た場合は、最終戦直前のランキングで優位の選手を上位とする。
※最終戦については、ポイントテーブルに5点ずつ加算した点数を付与する(最終戦ボーナス)。
<レポート概要>
写真撮影:k.kazuma、井上和隆、QNリーグ事務局
テキスト:須藤むつみ(QNリーグ事務局)
協力:一般社団法人 GRサイクリング
*大磯クリテリウム第 4戦公式ホームページ
https://oiso.gr-cycling.online/
2025-2026シーズン Qリーグ・Nリーグ対象レーススケジュールはこちら
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/race-profile.html
次戦は第12戦となる2月21日(土)「杉浦佳子杯・第1回インクルーシブ自転車レース」
http://www.jbrain.or.jp/inclusive-bicycle/
来期のQリーグ・Nリーグ登録は3月中旬に詳細発表を予定。今後も.本自転車レースの底力と魅力を見せる女子とジュニア中学生が活躍するリーグにご声援のほどよろしくお願いします!
参考:今期のリーグ登録要項
https://moshicom.com/122291/












