スペインで開催中の第80回ブエルタ・ア・エスパーニャ（ＵＣＩワールドツアー）は、9月6日に北部アストゥリアス地方のアビレスから標高1708mでカテゴリー１のラ・ファラポナ頂上までの135.9kmで山岳区間の第14ステージを競い、地元スペインのマルク・ソレル（ＵＡＥチーム・エミレーツ）が独走で逃げ切って区間優勝した。
 

ソレルが独走で逃げ勝ち、チームに今大会７勝目をもたらした (photo : Unipublic/Rafa Gómez/Sprint Cycling Agency)

 
31歳のソレルは2020年、2022年、2024年にもブエルタで区間優勝しており、これが区間通算4勝目だった。総合リーダーのラ・ロハを着たデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー（チームヴィスマ・リースアバイク）は、39秒遅れの区間2位でレースを終え、総合首位の座を守った。区間3位は同タイムでポルトガルのジョアン・アルメイダ（ＵＡＥチーム・エミレーツ）だった。
 

アルメイダの攻撃を交わしたラ・ロハのヴィンゲゴーが区間2位でレースを終え、総合首位の座を守った (photo : Unipublic/Rafa Gómez/Sprint Cycling Agency)

 
第14ステージは157選手が出走。ソレルは22km地点で逃げ出した22人の集団に加わっていた。メイン集団はレース後半に越えたカテゴリー１のプエルトゥ・デ・サン・リャウレンシウ峠でＵＡＥチーム・エミレーツが先頭を引き続け、イタリアのジューリオ・チッコーネ（リドル・トレック）が脱落した。彼はこの日、21分以上遅れてゴールし、総合トップ10から陥落してしまった。

先頭の逃げでは、最後のカテゴリー１のラ・ファラポナのふもとでソレルがアタックし、ノルウェーのヨハネス・スタウネミッテ（デカトロン・ＡＧ２Ｒラモンディアル）が付いていった。しかし、最後の坂が始まって残り16kmでソレルが加速すると、スタウネミッテは遅れてしまった。ソレルはそのまま独走で逃げ切り、ＵＡＥチーム・エミレーツに今大会７勝目をもたらし、ブエルタで１つのチームが勝ったステージ数の記録を更新した。

ラ・ロハの集団ではラ・ファラポナの坂でレッドブル・ボーラ・ハンスグローエが先頭を引き続けた後、残り1kmでオーストラリアのジャイ・ヒンドリー（レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ）がアタックしたが、アルメイダとラ・ロハのヴィンゲゴーがそれを許さなかった。最後はゴール目前でスパートしたアルメイダにヴィンゲゴーが応戦し、ヴィンゲゴーが区間2位を勝ち取った。

■ブエルタで４回目の区間優勝を勝ち取ったソレルのコメント
「予想外の一日だった。でもとても嬉しいよ。逃げに加わる計画はなかったんだ。計画は異なっていた。しかし、逃げに加わったカンペナールツに付いていった。そしてそこに加わったら、どう立ち回ればいいかは分かっていた。（プエルトゥ・デ・サン・リャウレンシウ峠は）後ろに付いて上り、その後の谷は前回（2020年）から知っていた。とても厳しい谷で、差を付ける事ができたらやり遂げられる。風の心配はあったが、とにかくとても嬉しいよ。チームがブエルタの半分のステージを勝っているなんて信じられない。凄いよ」
 

ソレルのブエルタ区間通算優勝数は４勝になった (photo : Unipublic/Rafa Gómez/Sprint Cycling Agency)

 
■第14ステージ結果
［9月6日／アビレス～ラ・ファラポナ – ラゴス・デ・ソミエド／135.9km］
1. M. SOLER (UAE TEAM EMIRATES XRG / ESP) 03h 48′ 22”
2. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 00′ 39”
3. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES XRG / POR) + 00′ 39”
4. J. HINDLEY (RED BULL – BORA – HANSGROHE / AUS) + 00′ 43”
5. F. GALL (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / CAN) + 00′ 48”
6. G. PELLIZZARI (RED BULL – BORA – HANSGROHE / ITA) + 00′ 53”
7. M. RICCITELLO (ISRAEL – PREMIER TECH / ITA) + 00′ 53”
8. T. PIDCOCK (Q36.5 PRO CYCLING TEAM / GBR) + 00′ 53”
9. S. KUSS (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 00′ 53”
10. X. PICKERING (BAHRAIN VICTORIOUS / GBR) + 01′ 25”
46. G. CICCONE (LIDL-TREK / ITA) + 21′ 08”

■第14ステージ後の総合成績（ラ・ロハ）
1. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) 53h 19′ 49”
2. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES XRG / POR) + 00′ 48”
3. T. PIDCOCK (Q36.5 PRO CYCLING TEAM / GBR) + 02′ 38”
4. J. HINDLEY (RED BULL – BORA – HANSGROHE / AUS) + 03′ 10”
5. F. GALL (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / CAN) + 03′ 30”
6. G. PELLIZZARI (RED BULL – BORA – HANSGROHE / ITA) + 04′ 21”
7. M. RICCITELLO (ISRAEL – PREMIER TECH / ITA) + 04′ 53”
8. S. KUSS (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 05′ 46”
9. T. TRÆEN (BAHRAIN VICTORIOUS / NOR) + 06′ 33”
10. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 08′ 52”

［各賞］
■ポイント賞 : M. PEDERSEN (LIDL-TREK / DEN)
■山岳賞 : J. VINE (UAE TEAM EMIRATES XRG / AUS)
■新人賞 : G. PELLIZZARI (RED BULL – BORA – HANSGROHE / ITA)
■チーム成績 : UAE TEAM EMIRATES XRG (UAE)
■敢闘賞 : M. SOLER (UAE TEAM EMIRATES XRG / ESP)

 
2週目の最後は中級山岳ステージ

 
２週目の最終日となる9月7日は、スペイン北部アストゥリアス地方のベガデオから北西部ガリシア州のモンフォルテ・デ・レモスまでの167.8kmで、中級山岳区間の第15ステージが行われる。
 

(photo : Unipublic / Cxcling / Antonio Baixauli)

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