ブエルタ・ア・エスパーニャ2025 アンドラ頂上ゴールの第6ステージはヴァインが優勝、トラーエンが総合首位
スペインで開催中の第80回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月28日にスペイン北東部カタルーニャ州のウロットからアンドラ公国の標高1573mでカテゴリー1のパル頂上までの170.3kmで、ピレネー山岳区間の第6ステージを競い、オーストラリアのジェイ・ヴァイン(UAEチーム・エミレーツ)が独走で逃げ切って区間優勝した。
区間2位は54秒遅れでノルウェーのトルシュタイン・トラーエン(バーレーン ヴィクトリアス)、3位は1分10秒遅れでイタリアのロレンツォ・フォルトゥナート(XDS・アスタナ チーム)だった。総合リーダージャージのラ・ロハを着たデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー(チームヴィスマ・リースアバイク)は、4分19秒遅れのメイン集団でゴールし、30歳のトラーエンが総合首位になった。
北欧ノルウェー出身の選手がブエルタで総合のリーダーになったのは、トール・フースホフト(2006年)、オッドクリステティアン・エイキング(2021年)に続いて3人目だった。
今年最初の山岳区間
第6ステージは176選手が出走。今年のブエルタで最初の山岳ステージは、スタートからカテゴリー3の上りが始まり、10選手が集団から逃げ出した。その中で総合成績が最も上位だったトラーエンは58秒遅れの総合26位で、ヴァインは総合で既に20分以上遅れていた。天候は目まぐるしく変わり、土砂降りにも見舞われた。逃げと集団のタイム差は最大で6分半になった。
ヴァインはゴールまで残り21kmのカテゴリー2の峠の頂上でアタックし、下りで逃げ集団から先行した。彼はそのまま独走でゴールし、2022年の区間2勝に続く通算区間3勝目を上げた。追走グループからはトラーエンが抜け出し、区間2位でゴールして総合首位の座を獲得した。
集団は最後の坂でリドル・トレックが先頭を引いてペースを上げ、前日まで総合2位だったスペインのフアン・アユソ(UAEチーム・エミレーツ)が残り6kmで遅れてしまった。彼は結局12分近く遅れてゴールし、早くも総合争いから脱落した。
■総合首位になったトラーエンのコメント
「ちょっと予想外な感じだ。数日前に他のノルウエー選手、スタウネミッテとノルウェー人の総合成績について話していたら、彼が“お前は敗者だ、実際の総合成績でそんなに近いんだから”って言ったんだ。だからボクは、アンドラのステージの後でボクがラ・ロハを取ったら、君はもうボクを敗者とは呼ばないと思うって言ったんだ。正直言って、それはものすごく大変だった。逃げに加わる所から既に厳しい戦いだった。
それから、最初の50kmはトリッキーだったが、その後はその日の終わりはポジティプになるだろうと気が付いた。総合成績ではアルミライユが近かったが、最後の上りがすごく厳しいのは知っていた。ヴァインはダウンヒルでアタックした。ボクも全力で行った。最後の5kmは長かった。これ(ラ・ロハ)をどれ位長くキープできるかは分からない。たぶん明日もうヴィンゲゴーが取り戻すかもね。可能性はあるよ」
■第6ステージ結果
[8月28日/ウロット~パル(アンドラ)/170.3km]
1. J. VINE (UAE TEAM EMIRATES XRG / AUS) 04h 12′ 36”
2. T. TRÆEN (BAHRAIN VICTORIOUS / NOR) + 00′ 54”
3. L. FORTUNATO (XDS ASTANA TEAM / ITA) + 01′ 10”
4. B. ARMIRAIL (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / FRA) + 01′ 15”
5. P. CASTRILLO ZAPATER (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01′ 52”
6. J. SHAW (EF EDUCATION – EASYPOST / GBR) + 02′ 05”
7. L. VERVAEKE (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 02′ 15”
8. R. DEBRUYNE (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) + 02′ 19”
9. A. RYAN (EF EDUCATION – EASYPOST / IRL) + 02′ 42”
10. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES XRG / POR) + 04′ 19”
11. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 04′ 19”
12. G. CICCONE (LIDL-TREK / ITA) + 04′ 19”
14. E. BERNAL (INEOS GRENADIERS / COL) + 04′ 19”
62. J. AYUSO (UAE TEAM EMIRATES XRG / ESP) + 11′ 51”
■第6ステージ後の総合成績(ラ・ロハ)
1. T. TRÆEN (BAHRAIN VICTORIOUS / NOR) 20h 25′ 46”
2. B. ARMIRAIL (DECATHLON AG2R LA MONDIALE TEAM / FRA) + 00′ 31”
3. L. FORTUNATO (XDS ASTANA TEAM / ITA) + 01′ 01”
4. L. VERVAEKE (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 01′ 58”
5. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 02′ 33”
6. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES XRG / POR) + 02′ 41”
7. G. CICCONE (LIDL-TREK / ITA) + 02′ 42”
8. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 02′ 49”
9. J. HINDLEY (RED BULL – BORA – HANSGROHE / AUS) + 02′ 53”
10. G. PELLIZZARI (RED BULL – BORA – HANSGROHE / ITA) + 02′ 53”
11. E. BERNAL (INEOS GRENADIERS / COL) + 02′ 55”
[各賞]
■ポイント賞 : M. PEDERSEN (LIDL-TREK / DEN)
■山岳賞 : J. VINE (UAE TEAM EMIRATES XRG / AUS)
■新人賞 : G. PELLIZZARI (RED BULL – BORA – HANSGROHE / ITA)
■チーム成績 : UAE TEAM EMIRATES XRG (UAE)
■敢闘賞 : J. VINE (UAE TEAM EMIRATES XRG / AUS)

昨年のブエルタで山岳賞を受賞したヴァインが今年も山岳賞の総合首位になった (photo : Unipublic/Rafa Gómez/Sprint Cycling Agency)
ピレネー山岳2日目もカテゴリー1頂上ゴール
8月29日はアンドラ公国のアンドラ・ラ・ベリャからスタートし、スペインへと戻ってカテゴリー1のセルレル頂上にゴールする188kmで、ピレネー山岳区間の第7ステージが行われる。標高1905mのセルレルは全長12.1kmの登坂で、平均勾配は5.8%だ。















