ツール・ド・フランス2025 第6ステージはヒーリーが初優勝し、ファンデルプールがマイヨ・ジョーヌ奪還
フランスで開催中の第112回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月10日に北西部ノルマンディー地方のバユーからヴィール・ノルマンディーまでの201.5kmで、丘越え区間の第6ステージを競い、アイルランドのベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)が独走で逃げ切り、24歳でツール区間初優勝を果たした。
区間2位は2分44秒遅れで米国チャンピオンのクイン・シモンズ(リドル・トレック)、3位は2分51秒遅れでマイケル・ストーラー(チューダープロサイクリングチーム)だった。
この日、マイヨ・ジョーヌを着ていたスロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ・XRG)は、5分27秒遅れの区間9位でゴール。逃げに加わっていたオランダのマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)は、ポガチャルよりも1分28秒早くゴールしていたため、前日の個人タイムトライアルで失ったマイヨ・ジョーヌをたった1秒差で取り戻す事ができた。
ノルマン・スイスの丘越えステージ
快晴の第7ステージは179選手が出走。スイスの風景に似ている事から『ノルマン・スイス』と呼ばれる丘陵地帯がコースで、カテゴリー3の丘が5カ所、カテゴリー4の丘が1カ所あった。22.2kmの中間スプリントをイタリアのジョナタン・ミラン(リドル・トレック)が先頭で通過してポイント賞総合首位の座に返り咲いた後、逃げの闘いが始まった。最初の1時間の平均時速は49.5km/hになった。
35.5kmの最初のモン・パンソンの丘(カテゴリー3)は、集団を引くベルギーチャンピオンのティム・ウェレンス(UAEチーム・エミレーツ・XRG)が先頭で通過し、再び山岳賞総合首位になった。
57km地点で集団からヒーリー、シモンズ、ファンデルプール、ハロルド・テハダ(XDS・アスタナ)、ウィリアム・バータ(モビスターチーム)が逃げ出す事に成功した。そこにエディ・ダンバー(チームジェイコ・アルウラー)、サイモン・イェーツ(チームヴィスマ・リースアバイク)、マイケル・ストーラー(チューダープロサイクリングチーム)が合流し、72km地点で8人の逃げグループになった。メイン集団はUAEチーム・エミレーツ・XRGがコントロールを続けたが、タイム差は残り53kmで3分25秒になった。
ヒーリーが単独アタック
ゴールまで残り42.5kmで、逃げグループからヒーリーがアタックし、独走を開始した。最後から2番目の丘のふもとで、彼は後続グループに47秒差を付けていた。この丘でシモンズとストーラーが抜け出して追走を開始したが、先頭のヒーリーとの差は開く一方だった。ヒーリーは2人に2分44秒差を付けてアップヒルのゴールに到着し、アイルランドに2020年以来の区間優勝をもたらした。
■独走で逃げ切り、区間初優勝したヒーリーのコメント
「ツールの区間優勝はただ信じられない事だ。今年だけではなく、ずっとそのために努力してきた。ボクをサポートするために懸命に働いてくれた全ての人たちに、こうやって恩返しができて素晴らしいよ。ツールを観て育ち、いつかそこに居たいと望んでいた。ツールに参加した事で既に達成されたのに、区間優勝するなんて本当に凄いよ」

ヒーリーは2023年にジロ・デ・イタリアでも区間優勝している (photo : A.S.O. /Billy Ceusters)
■たった1秒差でマイヨ・ジョーヌを取り戻したファンデルプールのコメント
「当初の計画は逃げに加わる事だった。本当にハードなステージで、スタートからものすごく高速のレースだった。集団から逃げ出した後も、タイム差を得るために戦わなければならなかった。自分の最高の1日ではないと感じていて、最後は自分自身との戦いだった。
マイヨ・ジョーヌになってミュール・ド・プルターニュに行くのは本当は素晴らしい。そこはボクにとって(2021年に区間初優勝した)特別な場所だからね。でも、ポガチャルの走りっぷりを見ていると、もし彼が明日アタックしたら、あるいはヴィンゲゴーがそうしたら、ボクだけでなく集団全員があの坂で付いていくのはとても難しいだろう。
今日からの回復を可能な限りするためにベストを尽くすつもりだ。それで明日はどうなるかだ。でもまずはこのマイヨ・ジョーヌを楽しむよ。おそらく1日しか着られないだろうからね」
■第6ステージ結果
[7月10日/バユー~ヴィール・ノルマンディー/201.5 km]
1. B. HEALY (EF EDUCATION – EASYPOST / IRL) 04h 24′ 10”
2. Q. SIMMONS (LIDL-TREK / USA) + 02′ 44”
3. M. STORER (TUDOR PRO CYCLING TEAM / SUI) + 02′ 51”
4. E. DUNBAR (TEAM JAYCO ALULA / IRL) + 03′ 21”
5. S. YATES (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / GBR) + 03′ 24”
6. W. BARTA (MOVISTAR TEAM / USA) + 03′ 29”
7. H. TEJADA (XDS ASTANA TEAM / COL) + 03′ 52”
8. M. VAN DER POEL (ALPECIN-DECEUNINCK / NED) + 03′ 58”
9. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO) + 05′ 27”
10. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 05′ 27”
■第6ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. M. VAN DER POEL (ALPECIN-DECEUNINCK / NED) 21h 52′ 34”
2. T. POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO) + 00′ 01’’
3. R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 00′ 43’’
4. K. VAUQUELIN (ARKEA-B&B HOTELS / FRA) + 01’ 00’’
5. J. VINGEGAARD (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / DEN) + 01′ 14’’
6. M. JORGENSON (TEAM VISMA | LEASE A BIKE / USA) + 01′ 23’’
7. J. ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES XRG / POR) + 01′ 59’’
8. B. HEALY (EF EDUCATION – EASYPOST / IRL) + 02′ 01”
9. F. LIPOWITZ (RED BULL – BORA – HANSGROHE / GER) + 02′ 32’’
10. P. ROGLIC (RED BULL – BORA – HANSGROHE / SLO) + 02′ 36’’
[各賞]
■ポイント賞:J. MILAN (LIDL-TREK / ITA)
■山岳賞 : T. WELLENS (UAE TEAM EMIRATES XRG / BEL)
■新人賞 :R. EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL)
■チーム成績:TEAM VISMA | LEASE A BIKE (NED)
■敢闘賞 : B. HEALY (EF EDUCATION – EASYPOST / IRL)
第7ステージはミュール・ド・ブルターニュの頂上ゴール
7月11日はフランス北西部ブルターニュ地方のサン・マローからカテゴリー3のミュール・ド・ブルターニュ頂上までの197kmで、丘越え区間の第7ステージが行われる。ミュール・ド・ブルターニュは全長2kmで平均勾配6.9%の坂で、ゴールまで残り15.2kmで1回越えてから、ゴールで再び挑むレイアウトになっている。
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