フレーシュ・ワロンヌ2025 は世界チャンピオンのポガチャルが優勝
ベルギー南部ワロン地方の丘陵地帯で競われるアルデンヌ・クラシックの1戦である第89回フレーシュ・ワロンヌ(UCIワールドツアー)が、4月23日に開催され、世界チャンピオンのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ・XRG/スロベニア)がウイの激坂ゴールで圧勝し、2023年に続いて2度目の優勝を果たした。
2位は10秒遅れでフランスのケヴィン・ヴォークラン(アルケア・B&Bホテルズ)、3位は12秒遅れで英国のトム・ピドコック(Q36.5 プロサイクリングチーム)だった。
史上初めてシネイからスタート
第89回大会は初めてフレーシュ・ワロンヌのスタート地になったナミュール州のシネイから174選手が出走。スタートは曇りだったが、1時間もすると雨が降り始め、気温は12℃だった。コースには11カ所の丘が含まれ、ゴールであり激坂で有名なウイは3回上るレイアウトだった。
序盤に5選手が集団から逃げ出した後、ノルウェーのトビアス・フォス(イネオス・グレナディアズ)がまず逃げグループに追いつき、次にノルウェーのフレドリック・ドヴァーシュネスとアンドレアス・レックネスン(ウノエクス モビリティ)が合流した。
集団はUAEチーム・エミレーツ・XRGとスーダル・クイックステップがコントロールし、逃げのタイム差は大きくならなかった。ゴールまで残り41kmの2回目のウイの坂のふもとで、3日前のアムステル・ゴールド・レース(UCIワールドツアー)でサプライズな勝利を収めたデンマークのマティーアス・スケルモーセ(リドル・トレック)が落車し、レースを棄権した。
終盤に入って次第に小さくなっていった逃げは、2回目のウイの坂を越えた時点で後から合流した3人のノルウェー選手だけになっていた。彼らは雨の中を抵抗し続けたが、ゴールまで残り7kmのシュラーヴの丘のふもとで集団に吸収された。シュラーヴの丘を越えた後、下りでポガチャルがアタックし、ベルギーのレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)らと先行したが、すぐ集団に捕まった。
最後は30人ほどに減った集団でウイのふもとに到着し、ポガチャルを援護するヤン・クリステン(UAEチーム・エミレーツ・XRG)が先頭で激坂を上り始めた。ゴールまで残り500mに差し掛かり、先頭にはベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)が出たが、アルカンシエルのポガチャルは振り返って後方の様子を伺った後、アタックし、誰も彼に付いていくことはできなかった。
世界チャンピオンはそのまま大差を付けてウイの激坂を上り切り、2度目の優勝を手中に収めた。1985年にゴールがウイの激坂になった後、ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)の現チャンピオンが今大会で優勝したのは初めての事だった。
■アルカンシエルを着てウイの激坂を制したポガチャルのコメント
「フレーシュ・ワロンヌでまた勝てて本当に素晴らしい気分だ。ウイの壁は美しい上りだが、サイクリストとしてはあまり好きではない。天気もあまり良くなかったしね。本当に過酷なレースで、今日勝てた事は自分にとってとても大きな意味を持つ。チームメイトたちが本当に懸命に働いてくれたから、彼らにこの勝利をもたらす事は素晴らしいからだ。
我々はチームとして1つになってレースをし、常に計画通りだった。スーダル・クイックステップも我々も序盤からとてもハードに走り、そのせいでレースはいつも以上に疲れる結果になった。最後の上りを上り切った後での集団の大きさがそれを証明している。
(ウイで)加速した時、すぐ誰も付いてこないと気付いた。それでもあの上りはとても長く感じたよ。ウイの壁はプロの自転車競技で最も長いと感じる坂の1つさ」
第89回フレーシュ・ワロンヌ 結果
[4月23日/シネイ~ウイ(ベルギー)/UCIワールドツアー/205.1km]
1. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES XRG / SLO) 04h 50′ 15”
2. KÉVIN VAUQUELIN (ARKEA-B&B HOTELS / FRA) + 00′ 10”
3. TOM PIDCOCK (Q36.5 PRO CYCLING TEAM / GBR) + 00′ 12”
4. LENNY MARTINEZ (BAHRAIN VICTORIOUS / FRA) + 00′ 13”
5. BEN HEALY (EF EDUCATION – EASYPOST / IRL) + 00′ 13”
6. SANTIAGO BUITRAGO (BAHRAIN VICTORIOUS / COL) + 00′ 16”
7. ROMAIN GREGOIRE (GROUPAMA-FDJ / FRA) + 00′ 16”
8. THIBAU NYS (LIDL-TREK / BEL) + 00′ 16”
9. REMCO EVENEPOEL (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) + 00′ 16”
10. MAURO SCHMID (TEAM JAYCO ALULA / SUI) + 00′ 19”
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