香川県の琴平バスが電動リフト付きサイクルバスを開発

香川県の琴平バスが、自転車を客室内にそのまま積載できる電動リフト付きサイクルバスを開発した。また、香川県と地元琴平町の観光活性化のために、四国各地から金刀比羅宮につながる旧街道「こんぴら五街道」をサイクリングルートとしてPRする取り組みも始める。

ブリーズ・ボヤージの車内

業界初の電動リフト付きサイクルバス

サイクルバス「Breeze Voyage(ブリーズ・ボヤージ)」は、琴平バスが所有する電動リフト付きバスを改造し、客室内に自転車をそのまま積める仕様にしたもの。同社の発案により車体メーカーに特注して製作した。

車内中央部に自転車の配置スペースが設けられ、最大12台まで車体をそのまま固定できる。また、トランクには車輪を外して8台が収納できるため、合計で最大20台までの収納が可能。電動リフトを備えるためeバイクなど重量がある自転車も簡単に搭載できる。

乗車定員は21人で、後方席のレイアウトをサロンスタイルに変更することもできる。集合場所からスタート地点までの移動、ツアー中に伴走車としてサポート、ゴール地点からの回送など、いろいろなパターンでの利用が可能。行き、帰りのバス車内では、みんなで会話を楽しみながらゆったりと楽しい時間を過ごせる。

普段は大型の観光バスとして運行し、ニーズに合わせて、リフト付き福祉バスまたはサイクルバスとして利用する。また、このバスを活用して初心者から上級者まで、参加者のレベルに合わせて誰もが手軽にサイクリングを楽める様々なツアーも企画するという。

車両の概要
車両:日野自動車製「セレガ」
最大定員:正座席45人、自転車12台積載時定員21人

「新・こんぴら五街道」を観光資源化

琴平バスは、ブリーズ・ボヤージの導入に合わせて、多くの人が安心して走れるサイクリングルートとして「新・こんぴら五街道」の観光資源化を進める。

「金毘羅街道」は四国各地から金刀比羅宮へ繋がる旧街道で、江戸時代、特に利用者が多かった「高松街道」、「丸亀街道」、「多度津街道」、「阿波街道」、「伊予・土佐街道」は「金毘羅五街道」と呼ばれている。

琴平バスは、この五街道沿いを走るサイクリングルートを設定。新・こんぴら五街道として発信する取り組みを始めた。

国内はもとより、海外(台湾、東南アジアなど)のサイクリスト向けにも積極的に情報を発信し、日本観光の目的として四国、瀬戸内、琴平の自転車旅が選択肢に入るよう誘致に取り組む。

こんぴら街道の石碑

「新・こんぴら五街道サイクルルート」のモデルコース
コース1:国道快走コース:今治スタート、琴平経由で高松へ。伊予土佐街道から高松街道を走る1泊2日のコース(全長約150km)
コース2:峠越えコース:阿波街道から猪鼻峠(413m)を越えて多度津を目指す1泊2日コース。Eバイクをレンタルすれば普段から運動していない人もラクラク走破(全長約42km)
コース3:サイクリストの聖地を目指すコース:コース1の逆区間。サイクリストの聖地、1泊2日で高松からしまなみ海道の入口を目指す(全長約150km)
コース4:丸亀・多度津旧道めぐりコース:琴平を起点に丸亀・多度津をめぐる1日コース。小径車やeバイク、スポーツバイク初心者におすすめ(全長約33km)

こんぴら五街道サイクルルートのページ

コース監修は、香川出身のオリンピアン真鍋和幸さん
新・こんぴら五街道のコース監修は、自転車競技の1996年アトランタ五輪代表の真鍋和幸さん。1970年香川県出身。海外での競技実績も多数。現在は観音寺市で自身のショップ「ciclo-vita(シクロヴィータ)」を運営しながら、自転車イベントプロデュース等の活動も行っている。