Yahoo! MAPで「自転車ナビ」と「雨雲レーダー」を活用しよう

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Map data © Mapbox © OpenStreetMap © Zenrin Co., Ltd. © Yahoo Japan

ヤフーが提供する地図アプリ「Yahoo! MAP(ヤフーマップ)」には、無料で使えるターン・バイ・ターン方式の「自転車ナビ」と、それに連動する「雨雲レーダー」の機能が備わっている。ルートを検索する際に、「雨雲レーダー」でルート上の1時間前から6時間後までの雨雲の動きと降水量が確認できるので、ライド中に雨に降られないかをある程度予想できるという強みがある。今回は実際にこのアプリを使う様子を記事中で再現し、その利便性を改めてチェック。担当者インタビューでは担当者らのこのアプリにかける思いや今後の展開について聞いた。

ヤフーマップの自転車ルートナビが雨雲レーダーと連動

 

カーナビと同じように使える! フリーワードで近くの飲食店を目的地にもできる!

Yahoo! MAPの「自転車ナビ」は、アプリを立ち上げ、画面下部の「ルート」をタップし、目的地を設定するだけで、誰もが簡単に使える。目的地の設定は、画面上部の検索窓に直接目的地を入力する方法のほか、「地図上で選んで設定する」を選ぶと、地図をスワイプして移動させて目的地を表示させながら設定することも可能だ。

検索窓にフリーワードを入れる方法では、地名や施設名の入力だけでなく、キーワードの入力にも対応する。例えば「コンビニ」と入れると近くのコンビニが、「ラーメン」と入れると付近のラーメン店が表示され、その候補の中から特定の店を目的地にしてルートを設定することもできる。これはインターネットとGPSを同時に使えるスマートフォンの強みで、このアプリだけでお店の検索もルートナビも完結する。知らない土地でサイクリングを楽しむような場合でも、簡単に目当てのお店を探して迷わずにたどり着くのに役立つはずだ。

ヤフーマップの自転車ルートナビが雨雲レーダーと連動

アプリ立ち上げ後の画面。画面下の検索窓や「ルート」をタップすると目的地を検索できる

ヤフーマップの自転車ルートナビが雨雲レーダーと連動

ルート選択画面の検索窓に場所や目的地、キーワードを入力して目的地を設定・変更できるほか、「地図上で選んで検索する」から地図上に目的地を表示させて設定することもできる。自転車以外の移動手段を選択することも可能。入力が完了すると、目的地へのルートが表示される

ヤフーマップの自転車ルートナビが雨雲レーダーと連動

検索窓に「コンビニ」「カフェ」などのキーワードを入力すると、近くのコンビニやカフェなどを表示できる。その中から目的地を選んでその店までのルートを表示するという使い方もできる

 

「雨雲レーダー」で出発前にコース周辺の降雨予想も調べられる!

Yahoo! MAPの「自転車ナビ」の強みは、「雨雲レーダー」と連携してコース周辺の降雨予想が分かるようになっていることだ。

目的地を設定後、ナビ開始前に画面右側の雨雲のアイコンをタップすると、コース周辺の「雨雲レーダー」が表示され、1時間前から6時間後まで時間経過による雨が降るエリアや降水量の変化が分かるようになっている。目的地までナビの到着予想時間が6時間以内の場合は、ナビによる到着予想時間も「雨雲レーダー」に反映されるので、「到着までに雨に降られないか」「雨具が必要か」「出発時間をずらした方が雨に降られなさそうか」という予想ができるのはありがたい。帰路の天気を確認するといった使い方ももちろん可能だ。

ヤフーマップの自転車ルートナビが雨雲レーダーと連動

目的地までのルートが表示されている画面。ナビ開始前に地図の右上にある雨雲のアイコンをタップするとコース周辺の「雨雲レーダー」を見ることができる

ヤフーマップの自転車ルートナビが雨雲レーダーと連動

「雨雲レーダー」は1時間前から6時間後までの雨雲の状況を表示。再生すると時間経過による降水地点や降水量の変化を見ることができる。時間のグラフにある赤い丸の中に「G」と書かれているのは、ナビによる到着予想時間

音声と画面案内の組み合わせでポイントを知らせるターン・バイ・ターン方式のナビ

実際に走り出すと、GPSの位置情報を元にマップ上の現在位置が変わっていく。画面上部には常に次のポイントまでの距離とそのポイントで進むべき方向が矢印で記されている。ポイントに近づくと、何回かに分けて日本語の音声ナビゲーションで次のポイントまでの距離と進むべき方向を知らせてくれる。このあたりのシステムはYahoo!カーナビとも共通だ。画面表示と音声の組み合わせでポイントを知らせてくれるので、必然的に画面を見る頻度も少なくなる。知らない道でも安全かつ安心して走れるのは魅力だ。

ヤフーマップの自転車ルートナビが雨雲レーダーと連動

ナビ中の画面。青い線が目的地までのルートで、薄いブルーの丸の中に白い三角があるところが現在地。現在地の青い三角の向きは、自分の進行方向を示している。画面上部には次のポイントまでの距離とポイントでの進行方向も表示されている

ナビの使いやすさは最高、1台でルート設定から天気のリサーチまでできて便利

実際にYahoo! MAPのナビゲーションを使ってみた印象だが、一般的なサイクルコンピューターと比較した場合、スマートフォンの大画面でナビを見ることができるので、視認性が高いと感じた。また、日本語の音声によるナビも併用されるので、画面を凝視しなくても走れ、安全走行にも寄与するだろう。インターネットとGPSを1台で使えるスマートフォンをベースにしているので、店を調べてそこまでのルート案内をする——というようなサイクルコンピューターにはない機能があるのも便利だ。

他の「自転車ナビ」と比べた際の強みは、「雨雲レーダー」と連携しているという点だろう。これまでならルートを覚えておいて天気予報アプリでチェックするという二度手間が必要だったが、Yahoo! MAPの場合はナビで引いたルート上に「雨雲レーダー」が反映されるので、出発前のリサーチ時間が短縮できるのもありがたい。

一方で気になったポイントも。稼働時間はスマートフォンのバッテリーに依存するため、スマートフォンを電話やインターネット端末としての通信手段としても併用することを考えると、あまり長時間使うのは現実的ではない。あくまで近距離移動に限って使うのがよさそうだ。どうしても長時間使いたい場合は、モバイルバッテリーにつなぎながら使うといいだろう。

また、サイクルコンピューターと違い、ハンドルバーに固定して使いたい場合は自分でスマホ用のマウントを用意する必要もある。モバイルバッテリーを併用する場合は、トップチューブバッグなどハンドル周辺に付けられるバッグも用意した方がよさそうだ。

担当者インタビュー「Yahoo! MAPには他のアプリにもサイクルコンピューターにもない強みがある」

Yahoo! MAPの担当者に、気になるアレコレを聞いた。

「Yahoo! MAP」サービスマネージャー:山本 拓巳(やまもと・たくみ)

「Yahoo! MAP」サービスマネージャー:山本 拓巳さん

ヤフーマップの自転車ルートナビが雨雲レーダーと連動

「Yahoo! MAP」プロジェクトマネージャー:渡辺 太郎さん

●サイクリストにとって、他の地図アプリに対するYahoo! MAPの強みは?

「雨雲レーダー」が最大の強み。自転車は外を走るため、天候は重要。「雨雲レーダー」を活用することで「雨が降るのか?」「降るとしたらいつ降るのか?」「移動中に降られないか?」などを知ることができるので、雨に対する備えができる。

その他の強みとしては、長距離でもルートを引けるという点が挙げられる。Yahoo! MAPは地続きになっていれば長距離でもルートは引ける。

 

●GPSナビ機能付きのサイクルコンピューターに対するYahoo! MAPの強みは?

サイクルコンピューターは自転車に特化しているが、Yahoo! MAPはインターネットにつながるスマホを活用するアプリなので、サイコンの機能に加えてWEBを活用できるのが強み。「雨雲レーダー」をチェックできるのもそのひとつ。

Yahoo! MAPは、ルート作成からリサーチ、ナビゲーションまですべてスマホ単体で完結するという強みもある。サイクルコンピューターはPCに接続してルートを入れるなどしなければならないが、Yahoo! MAPはその必要がない。

 

●使用できるエリアは?

4G、5Gエリア内。4Gなら全国に基地局があり、山間部などでもYahoo!カーナビと同じようには使えるはず。

 

●使用可能時間は?

実使用可能時間はスマートフォンの機種や設定に依存するところがあるため、一概には言えないが、他のナビと同じぐらいは使えるはず。「雨雲レーダー」などの情報は、ナビと同時に使うことができず、ルート設定前に確認することになる。そのため、ナビ使用中のバッテリー消費には影響しない。

 

●自転車にとって最適なルートはどのように選択しているか?

Yahoo! カーナビで先行していたナビゲーションシステムを自転車用にカスタマイズしている。カーナビの場合は幅員が広く、(現地の地理に明るくない人でも)分かりやすい道を優先して選ぶようになっているが、そのようなルートだと自転車では走りにくかったり遠回りになったりする。そこで「自転車ナビ」では、自動車が比較的通りにくい幅員の狭い道や交通量の少ない道もルートに入れるように調整し、近道で走れるように設定。もちろん自転車通行可の道を案内するようになっている。

細かいルートの調整は、プロジェクトマネジャーや、他の開発メンバーが実際に自転車で走って行った。プロジェクトマネジャーらは、仕事が終わってから夜中にコツコツ実走調査を行った。

 

●マップデータの更新頻度は?

一定期間で更新されるようになっている。アップデート時には、新しい道路の反映だけでなく、ユーザーからのフィードバックを受けて案内するルートの改善も行う。

 

●「自転車ナビ」はどういった方の利用を想定しているか?

自転車のヘビーユーザーだけでなく、出張時や観光時に出先でシェアサイクルを使ってみようと考える人など、自転車のライトなユーザーも想定している。

コロナ禍で密を避けるため、近距離移動を電車から自転車に切り替える人が増えるタイミングをみこしてプロジェクトがスタートした。広報担当者も「自転車ナビ」がきっかけで自転車に乗るようになり、事前に「雨雲レーダー」で雨が降りそうかどうかを確認しながら走っている。

 

●今後強化していきたいポイント

お客様からは「勾配に配慮したルートの案内を希望」「ルート案内の精度向上に期待したい」などの声が寄せられたことがあり、そのあたりをルート検索で反映できるようにしていきたい。例えば「上り少なめ」「最短距離」などの条件付き検索ができるようにアップデートできればと思う。将来的にはYahoo! MAPならではの「雨雲レーダー」と連携させたり、Yahoo! 天気のコンテンツである積雪などを考慮したルートが作れるところまで持って行けたら面白い。

現在は車が通れる道をベースに案内しているので、サイクリングロードへの対応がまだ十分ではない。例えばしまなみ海道では自転車のルートを引けないので、今後対応を拡大していきたい考えているので期待してください。

ヤフーマップの自転車ルートナビが雨雲レーダーと連動

Map data © Mapbox © OpenStreetMap © Zenrin Co., Ltd. © Yahoo Japan

 

  • 実際の交通ルールおよび自転車安全利用五則に従って走行してください
  • 走行中の操作及び画面注視、イヤホンの着用は大変危険ですのでおやめください
  • 必ず安全な場所に停止してから操作及び画面を注視してください