東京発! サイクリング コース10 日光杉並木街道

目次

map オゾングラフィックス

世界遺産の東照宮が鎮座する日光は、関東を代表する観光地だ。いろは坂を上って中禅寺湖を訪れるのがサイクリングの定番コースだが、上りはちょっと……という人も多いだろう。そこでおすすめなのが、日光杉並木街道と総称される歴史街道だ。東照宮へ向かう日光街道(国道119号)と日光例幣使街道(国道121号)、会津西街道(同)の3つの街道には、江戸時代の初めに杉が植えられ、今も1万2000本が残る。国の特別史跡・特別天然記念物になっており、並木の延長は27kmに及ぶ。「世界で最も長い並木道」としてギネスブックにも載っている歴史的な財産だ。

3つの街道は日光東部の下今市で合流する。ここでは一筆書きのコースを組むために会津西街道は割愛し、日光街道と日光例幣使街道をめぐるコースを紹介する。日光街道の旧道部分に一方通行が多いので、時計回りに進むのがポイントだ。

杉の巨木

杉の巨木を追っていけば、自然と旧道へ誘われる。1625年頃から植えられたと伝わる

 

コース情報

走行距離 約31km

東武日光駅→(約30分・約2km)→日光東照宮(折り返し)→(約50分・約8km)→杉並木公園→(約20分・約2km)→追分地蔵尊→(約70分・約12km)→日光板橋→(約50分・約7km)→下今市駅

コースデータはこちら

日光杉並木街道のルートマップ

東武日光駅は標高が538mもあるので、コースの半分以上を下り基調で進むことができる

アクセス

日光へ向かうには東武鉄道とJRという選択肢がある。浅草駅を利用しやすい環境なら、東武鉄道の特急が便利でリーズナブルだ。JRの場合は、宇都宮駅まで新幹線を利用すれば速い。鹿沼駅あたりで下車し、滝ヶ原峠を越えて日光入りするのも楽しい。杉並木区間以外の日光街道・例幣使街道はさほど面白くない。

東武日光駅

巨大なロッジのような東武日光駅

JR日光駅

大正元年に落成した駅舎が瀟洒なJR日光駅

 

世界で一番長い並木道へ

スタートは東武日光駅。ここから緩い上り坂を2kmほど進むと東照宮だ。表参道にある土産処「きしの」の裏手に駐輪場がある。参拝したら駅方面へ戻るが、大谷(だいや)川沿いに進むと眺望がいい。JR日光駅の前で日光街道に合流したら杉並木が見えてくる。国道沿いの旧道へ進んでいこう。途端にクルマが消え、杉の巨木が日差しを和らげてくれる。

日光東照宮

徳川家康を神として祭る日光東照宮。人出が多いのでサイクリングでは敬遠しがちだが、一度は参拝したい

神橋

日光のシンボルが大谷川に架かる神橋。東照宮側にゲートがあって通過できないが、見るだけでも価値あり

旧道の入口に目立つ案内看板などはないが、杉並木が入口を教えてくれる。歩行者優先でゆっくり進もう

リバティ

杉並木と大谷川の間を疾走する東武鉄道の新型特急「リバティ」。浅草と日光を2時間弱で結ぶ

砲弾打ち込み杉

戊辰戦争の戦禍を伝える砲弾打ち込み杉

JR日光駅の少し先から今市までの10kmほどの区間が、日光街道のハイライトだ。砂利混じりの静かな旧道が延び、ひたすら並木が続く。巨木に囲まれているので現代の建物や道筋が見えず、江戸時代にタイムスリップしたようだ。古民家が保存されている杉並木公園も現れる。それを過ぎ、旧道が現在の国道と合流してにぎやかな市街に出ると、まるで夢から覚めたような気分になるだろう。歴史民俗資料館に立ち寄れば、並木の歴史がよく分かる。

旧日光街道の砂利道

舗装されてない砂利道が雰囲気を盛り上げる

旧道区間の国道標識

旧道区間にも国道標識がしっかり立っている

二宮尊徳の像

今市の歴史民俗資料館は、ゆかりがある二宮尊徳(二宮金次郎)の展示も詳しい

今市で日光街道と例幣使街道が分岐・合流する。ちょうどその地点に追分地蔵尊が立ち、旅立ちの無事を願う大勢の人に慕われてきたという。この先の日光街道にも旧道が寄り添う。並木を保護するため通行止になっている区間も現れるが、そこだけは現国道を利用しよう。七本桜の一里塚では、根が大きく露出して空洞があることから「並木ホテル」と呼ばれる杉が現れる。通行止め区間内にあるので歩こう。

日光街道と例幣使街道

追分地蔵尊で2つの街道が分岐・合流する。進行方向の左手が日光街道、右手が例幣使街道

日光街道の舗装された区間

追分から先の日光街道は、旧道も舗装された車道となる。下り基調なのでペースが上がる

並木ホテル

根元に4人が入れるといわれるほど大きな空洞があり、「並木ホテル」と呼ばれる杉

大沢の交差点で日光街道の並木が途切れるので、5kmほど離れた例幣使街道へ移動する。こちらは歴史街道と現国道の道筋が一致しているが、日光街道ほど交通量が多くないので走りやすい。今市へ向かって上り基調になるものの、雰囲気のよい並木が続くので苦にならない。ゴールとした下今市駅は、先に通過した追分地蔵尊のすぐ近くだ。

日光例幣使街道

江戸と東照宮を結んだ日光街道に対して、朝廷の勅使(例幣使)が中山道経由で利用したのが日光例幣使街道だ

下今市駅

東武鉄道の下今市駅では、近年復活したSL用の転車台や車庫を見学することができる

 

使用アイテム:TOPEAK RideCase

iPhoneユーザーの日常とサイクリングをつなげる優れもの

ライドケース

大切なiPhoneをしっかり守る強靭なケースと多機能マウントが登場

TOPEAK RideCase
価格:7370円(マウントセット)、4620円(単体)
問:マルイ

サイクリング中の地図とコース表示に欠かせないアイテムとなったスマートフォン。自転車に取り付けるためのホルダーが各社から発売されているが、その決定版といえる優れものがトピークのライドケース。そのまま普段使いできるスタイリッシュな保護ケースと、自転車各部に取り付け可能なマウントがセットになった便利なアイテムだ(ケース単体でも販売されている)。

堅牢な樹脂製フレームを備えたケースは、最新iPhoneの各モデルに対応する。裏にマウントが収まるスリットがあり、ケースに入れたままワンタッチで自転車と着脱できる。縦置きと横置きに対応したフリップスタンドも付いており、デスクの上でも便利だ。

ライドケース

フリップスタンド付きのケース

ライドケース

ステムキャップを利用するマウントは、ハンドルバーやステムにも取り付け可能

バーローダー

人気のフロントバッグ「バーローダー」(価格8580円)との相性もばっちり

フリーローダーとフュエルタンク

ステムとハンドルに吊るす「フリーローダー」(価格4840円)と、トップチューブ上にセットする「フュエルタンク( Mサイズ)」(価格5280円)。ドリンクや小物をしっかり携行できる

 

 

今回ピックアップした魅力いっぱいのコースだけでなく、他にもたくさんのコースを紹介しているサイクルスポーツ特別編集「東京発! サイクリング」は、都民や近県にお住まいで、自転車通勤や休日ライドによってサイクリングに関心が高まっている方へ贈るコースガイドです。都心から自走圏内、もしくは輪行で1時間〜2時間ほどでアクセスできる関東近郊での、超おすすめなサイクリングコースを紹介します。巻頭では、関東を代表する5つの自転車道を徹底リポート。輪行の方法もわかりやすく解説します。日帰りから一泊二日で楽しめる、自転車をとおした「大人の遠足」を提案します。

「東京発! サイクリング」お買い求めはこちら

東京発サイクリング