シマノ・WH-R9270-C60〜ホイールインプレッション2021 Pick Up!〜

目次

シマノがR9200系デュラエースと同時に発表した新型ホイール。リムハイトは3種類で、万能に使えるC50の両脇を、ヒルクライム用のC36と高速向けのC60が固める。ディスクブレーキ用はチューブレスとチューブラーが用意されるが、リムブレーキ用はチューブラーのみ。今回試乗するのはディスク用チューブレスモデル3種の中から、高速向けのWH-R9270-C60。全モデル前後セット23万円強という価格にも注目だ。なお、フリーボディがシマノ12速専用であるため、試乗は新型デュラエースで組まれた試乗車(メリダ・スクルトゥーラディスク)で行っている。

WH-R9270-C60

シマノ・WH-R9270-C60

WH-R9270-C60のリヤハブ

リヤハブはローター側ラジアルの2:1

WH-R9270-C60のフロントハブ

C36とC50のフロントハブは1:1の両側クロスだが、C60のみ反ローター側がラジアルの2:1となっている。これはC60のホイール剛性を追求した結果とのこと

WH-R9270-C60のフリーボディ

軽量化のため、フリーボディはアルミ製に。スプロケットかみ込み防止のため溝が増やされており、当然12速専用となる

 

インプレッション

WH-R9270-C60のスコア

シマノ・WH-R9270-C60のスコア。評価基準はこちら

 

吉本 司

ホイール剛性はC50よりも高いのだが、肉薄なサイドウォールのリムでうまく硬さを調整しているので脚当たりは悪くない。パリッとした高い軽快感で加速はシャープ。転がり感も強く高速域も良く伸びるし、上り性能はこのクラスとしては平均点以上。ただ前輪が硬く、その動きが速いせいかダンシングで少し神経を遣う面も。一番の懸念はC50の性能が広範なのでそれとの差別化だが、プロユースでは必要なのだろう。

安井行生

60mmもあるとは思えない軽快感と扱いやすさ。HR(高剛性)というサブネームが付くが、決してガチガチではなく踏みやすい。性能もハイレベル。ディープリムとして完成度は高く、高速専用ホイールとしてはお勧めできる一本。ただC50比で登坂は明らかに重く、しかし高速域での利得はさほどではないという印象。C50の出来が良すぎるゆえ、シマノ3種の比較はC36とC60には厳しい結果になってしまった。

小笠原崇裕

低速域での転がりにリムの重さを若干感じてしまうが、中速以降はリムから重さが取れたような乾いた走行感になり軽く回っていく。ハイトを感じさせない前輪の自然な挙動は風の強い中でも扱いやすく、バイクを真っすぐ進められるので最短距離をトレースできる。低速以外ではスピードの加減速を行いやすく、踏み直しを繰り返しても足に硬さが響いてくることはないが、路面からの突き上げはしっかり伝わってくる。

 

スペック

チューブレス
価格/F:10万7690円、R:12万5840円
スポーク本数/ F:24本、R:24本
リム高/60mm
リム内幅/21mm
対応スプロケット/シマノ(12S専用)
カタログ重量/F:751g、R:858g

 

クラッシュリプレイスメントと仕様変更プログラム

シマノホイールコーナーを常設し、充実したラインナップを取りそろえるシマノプレミアムホイールショップ。そこでは、R9200シリーズのホイールを安心して購入できるよう、クラッシュリプレイスメントと仕様変更という2つのプログラムが行われている。

クラッシュリプレイスメント

シマノプレミアムホイールショップの店頭でR9200シリーズのホイールを購入した人が対象。購入から3年以内に事故により破損した場合、希望小売価格よりもリーズナブルな価格で同ホイールが購入できるプログラム。

購入後50日間の仕様変更

シマノプレミアムホイールショップの店頭でR9200シリーズのホイールを購入した人が対象。購入したホイールから仕様変更(リムハイトの変更、チューブラー⇔チューブレス、リムブレーキ用⇔ディスクブレーキ用)したい場合、購入後50日以内であれば、工賃のみの負担で、希望するホイールに仕様変更できるプログラム。

シマノプレミアムホイールショップの一覧はこちら(シマノのページ)

WH-9270に試乗する小笠原さん