シマノ・WH-R9270-C50〜ホイールインプレッション2021 Pick Up!〜

目次

シマノがR9200系デュラエースと同時に発表した新型ホイール。リムハイトは3種類で、万能に使えるC50の両脇を、ヒルクライム用のC36と高速向けのC60が固める。ディスクブレーキ用はチューブレスとチューブラーが用意されるが、リムブレーキ用はチューブラーのみ。今回試乗するのはディスク用チューブレスモデル3種の中から、万能に使えるWH-R9270-C50。全モデル前後セット23万円強という価格にも注目だ。なお、フリーボディがシマノ12速専用であるため、試乗は新型デュラエースで組まれた試乗車(メリダ・スクルトゥーラディスク)で行っている。

WH-R9270-C50

シマノ・WH-R9270-C50

WH-R9270-C50のリヤハブ

リヤハブはローター側ラジアルの2:1

WH-R9270-C50のフロントハブ

C50のフロントハブは1:1の両側クロス

WH-R9270-C50のフリーボディ

軽量化のため、フリーボディはアルミ製に。スプロケットかみ込み防止のため溝が増やされており、当然12速専用となる

WH-R9270-C50のリム

リム形状は空力を追求したもの。タイヤベッドにスポーク穴が開くが、ピュアチューブレスで運用可能

 

インプレッション

WH-R9270-C50のスコア

シマノ・WH-R9270-C50のスコア。評価基準はこちら

 

吉本 司

ペダリングフィールが軽く、初速からスパンと吹け上がる反応性が鋭い。その感覚は平地から上りまで共通する。一体感のある高いホイール剛性なのだが、絶妙な剛性のヌキがあるので高負荷のペダリングの持続性も高く、転がり感も強いので高負荷の巡航走行も頼もしい。上りは50mmハイトとは思えない軽快感。振動をうまくリムが散らしているのか乗り心地も合格点だ。シマノホイール過去最高のパフォーマンスだろう。

安井行生

どんなシーンでも走らせやすいのに速い。このホイールはその一文に尽きる。各種動的性能と生体親和性のバランスにおいて、これは一つの頂点だろう。これより剛性が高く空力がいいホイールは(探せば)ある。これより乗りやすいホイールもたぶん(少ないだろうが)ある。しかしその2つをバランスさせたホイールはほぼない。シマノはコンポよりホイールに力を入れたんじゃないかと思えるほどの力作だ。

小笠原崇裕

パーフェクトバランス! と心底うなってしまった一本。勾配のきついヒルクライムからトップギヤが回り切るダウンヒルまで穴という穴が感じられなかった。低出力時と高出力時の転がりの躍動に差がなく、どんな出力で走っていてもホイールから伝わってくる挙動が同じで扱いやすさもピカイチ。押し出されるような加速感を受けながら高速巡航も楽々こなせてしまう万能さは、レース展開のゲームチェンジャーとなる。

 

スペック

チューブレス
価格/F:10万7690円、R:12万5840円
スポーク本数/ F:24本、R:24本
リム高/50mm
リム内幅/21mm
対応スプロケット/シマノ(12S専用)
カタログ重量/F:674g、R:787g

 

クラッシュリプレイスメントと仕様変更プログラム

シマノホイールコーナーを常設し、充実したラインナップを取りそろえるシマノプレミアムホイールショップ。そこでは、R9200シリーズのホイールを安心して購入できるよう、クラッシュリプレイスメントと仕様変更という2つのプログラムが行われている。

クラッシュリプレイスメント

シマノプレミアムホイールショップの店頭でR9200シリーズのホイールを購入した人が対象。購入から3年以内に事故により破損した場合、希望小売価格よりもリーズナブルな価格で同ホイールが購入できるプログラム。

購入後50日間の仕様変更

シマノプレミアムホイールショップの店頭でR9200シリーズのホイールを購入した人が対象。購入したホイールから仕様変更(リムハイトの変更、チューブラー⇔チューブレス、リムブレーキ用⇔ディスクブレーキ用)したい場合、購入後50日以内であれば、工賃のみの負担で、希望するホイールに仕様変更できるプログラム。

シマノプレミアムホイールショップの一覧はこちら(シマノのページ)

WH-9270に試乗する小笠原さん