台北サイクル2026レポート:32インチ完成車が続々登場!

目次

アジア圏最大級の自転車ビジネスショー「台北サイクル」が今年も開幕! 会場で見つけたユニークな完成車とアイテムを全3編でお届けします。

 

台北サイクル2026で見た完成車

 

業界の今を映す「台北サイクル」

台北サイクル2026のマップ

台北サイクルは2026年で開催37回目。歴史あるビジネスショーだ

4フロアに渡り広大なブースが展開される。丸一日歩いてようやく全てを見られるほどだ

 

アジア最大級の自転車見本市「台北サイクル」が今年も帰ってきた。3月25日から4日間、台北の南港展覧館(ホール1&2)にて、900社以上の出展社が3450ものブースを展開するマンモスイベントだ。

今年は30カ国から200の海外企業が参加し、ショップスタッフや輸入代理店など多くのビジネスマンが来場。おなじみのビッグメーカーからニッチなOEM製造業者まで一同に集い、最新のアイテムと技術をお披露目する場となる。

今年のイベントスローガンは「サイクリング・トゥ・ウェルネス(サイクリングで健康に)」だ。昨年のコンセプトを継承し、サステナブルでエコフレンドリーな製品に高い注目が集まる傾向にあった。最先端のパフォーマンスバイクよりも、生活に根差したEバイクや、環境負荷を抑えたパーツに高い評価が与えられた。

 

2026台北サイクルd&i アワード

年間の秀でたプロダクトを表彰する「TAIPEI CYCLE d&i アワード」は今年も健在

街乗りeバイク

日本では見られない街乗りeバイクが多数並ぶ

 

筆者にとって台北サイクルは2年連続2度目。昨年からの変化や、特に印象に残ったアイテムをお届けしたい。まずは完成車からどうぞ。

 

32インチホイール:大径化でさらなる走破性を実現 新基軸なるか

アーサー・アンド・ジュディの32インチバイク

アーサー・アンド・ジュディの32インチバイク

「AnJ(アーサー・アンド・ジュディ)」の32インチバイク。フルリジッドのグラベルバイクと倒立フォーク搭載のXCバイクを展示

 

会場で最も新しさを感じたトピックが、オフロードバイクの“32インチ化”だ。昨年もニッチな話題として存在していた次世代規格が、少しずつ拡大しているよう感じられた

 

32インチ用サスペンションフォーク 32インチタイヤ

32インチタイヤ

タイヤやサスなど、パーツメーカーは32インチの文字をアピール

 

過去15年に渡り、MTBのホイールは26インチから29インチ、そして中間の27.5インチと分化していった。32インチはその延長線上にある新たなムーブメントだ。外周長とエアボリュームが増大し、重量増を上回るオフロード走破性が得られることがメリットだ。

 

32インチハードテールMTB 32インチハードテールMTB

32インチハードテールMTB

一目で「デカい!」と思わせる32インチハードテール。しかし身長165cmの筆者には乗りこなせるかどうか……

 

タイヤはマキシス・アスペンを筆頭に、イノーヴァ、ケンダ、シュワルベなどが追随。幅は各社ともに2.4インチが主流だった。サスペンションはRSTやマニトウなど、リムはアレックスが確認できた。

とはいえ、ホイールとともにフレームサイズも拡大してしまうため、ジオメトリー設計にはまだまだ試行錯誤が見える。日本マーケットでその姿を拝むには、あと2〜3年はかかるかもしれない。

 

美麗なペイントワークはここまできた

YSペイントブース

優れた塗装技術で業界をリードする「YSペイント」は環境負荷を低減する新工法でアワードを受賞

フォーミュラのカーボンリム

フォーミュラのカーボンリム。グロスとマットを滑らかにグラデーションさせる

 

もう一つ印象的だったのは、塗装技術の進化ぶりだ。上画像のYSペイントは、より低温で硬化乾燥する独自のペイント技術をアピール。作業工程の簡素化、気泡の抑制、スピーディーな塗装とまさにメリットずくめであり、発色も非常にあざやか。手塗りでは実現不可能なラップ塗装もすさまじく進化しており、派手さとオリジナリティ溢れるバイクが完成する。

 

話題の中華ブランドは健在か?

タヴェロのフレーム ハサのパフォーマンスロード スピードサンのパフォーマンスロード ワンクールのロードバイク

 

日本で存在感を増し続ける中華ブランドは、ここ台北でもある程度存在を確認できた。すでに来日を果たしているタヴェロやカンプに加え、今後展開を見据えるノーマークの中国系ブランドがいくつか出展していた。上画像は「Hasa(ハサ)」と「Speedsun(スピードサン)」のパフォーマンスロード。日本展開の予定は無いそうだが、台湾メーカー「Onecool(ワンクール)」の姿も確認。優れたコスパを武器に、彼らがいずれ日本市場へ切り込む可能性はあるだろう。

 

ジャイアント:新型プロペルの開発裏を展示

プロペル グリシャ キング・リュー氏の実車

 

業界最大手のジャイアントはデビューしたてのエアロロード、プロペルエンヴィリヴを前面に展開。風洞実験用に新造された可動マネキン「グリシャ」をアピールしていた。また、グループ創始者の故キング・リュー氏の実車展示も。

 

メリダ:新型リアクトの日本未展開カラー

メリダブース リアクト

 

会場中心に広大なブースを展開する“ビッグフォー”のひとつ、メリダ。お目見えしたばかりの新型エアロロードのリアクトと、レーシンググラベルのミッションを堂々展示。日本未展開のカスタムペイントフレームが出品され、中には宇都宮ブリッツェン仕様のフレームが。今後日本でもサービス開始となるかに注目したい。

 

バーディ:アワード受賞のフォールディング・eミニベロ

バーディーのeバイク バーディーのeバイク バーディーのeバイク

 

日本でもおなじみの折り畳み小径車「Birdy(バーディ)」より、定評あるRシリーズを進化させたeバイク版が登場。モーターはリヤハブ式となり、円柱状のバッテリーはスマートにフレームと一体化。Rシリーズのアイデンティティはそのままに、機動性をアップした期待の新型バイクだ。

問・パシフィックサイクルズジャパン

 

ヴェッロバイク:アンダー7kgのチタン製フォールディングバイク

ヴェッロバイクのチタン製フォールディングバイク ヴェッロバイクのチタン製フォールディングバイク 折りたたみ状態

 

オーストリアのブランド「Vello bike(ヴェッロバイク)」はスタイリッシュで走りが軽快なミニベロ「ロッキー」を出品。ベーシックなクロモリフレーム、太タイヤを履いたボンカース、最上級のチタンフレームと3タイプを揃える。ベルトドライブ仕様の軽量カスタムを施したサンプルバイクはわずか6.9kg。

ヴェッロバイク公式ウェブサイト

 

ステインサイクルズ:理論に裏打ちされた小径ロードバイク

ペグロード ペグロード ペグロード

 

「Stijn cycles(ステインサイクルズ)」はベルギーのダウンヒルチャンピオン、ステイン・デフェルム氏が手がけるバイクブランド。代表作「Pegロード」はハンドリング性能と快適性を目指した結果、20インチホイールに行き着いたという理詰めのロードバイク。BBシェルから後方にオフセットしたシートチューブなど、巧みなジオメトリー設計で万人に乗りやすい快速バイクに仕上がっている。

問・ポディウム

 

ラジェット:極薄トップチューブが見事 3Dプリントチタンフレーム

ラジェットの3Dプリントチタンエアロロードバイク トップチューブ シートステー ラジェットの3Dプリントチタンドロップハンドル

 

3Dプリントチタンで圧倒的な技術力をもつメーカー「Laget(ラジェット)」。こちらのエアロロードはまるでカーボンフレームと見紛う見事な造形美。向こう側が見えるほどに薄い扁平トップチューブはまさに圧巻!一体型ハンドルやステムまで「なんでも作る」というクラフト精神が印象的だった。

ラジェット公式ウェブサイト

 

 

その他、印象的だったバイクをダイジェストでお届けします。

 

ミニカ

ミニカ

まるで遊園地のアトラクションのようなカーゴトライク「minica(ミニカ)」。レトロで機能的なデザインがグッド

 

クリスタルのバイク

ライデアのブースに鎮座していた謎のバイク「クリスタル」。同社のホイールとスモールパーツで組み上げられる

 

AR01

トライゴンのオールロード「AR01」はデニム生地とコラボレーション。まるで本物の生地のようなリアルな質感は驚愕だった(表面はグロスコーティング)

 

アダキのeロードバイク

アダキのeロードバイク

コンセプトカーがそのまま具現化したようなeロードバイク「ADAKI(アダキ)」

 

パパバイクブース

パパバイクのキッズロードバイク

キッズロードながら本格的なエアロフレームの「パパバイク」。こちらは20インチバイクで本格的な油圧ディスクブレーキ仕様

 

RSTのデモバイク

グラベル用倒立フォーク

サスペンションメーカー「RST」のデモバイク。グラベル用倒立フォークは有線式電子制御に対応

 

トピークのブースで見つけたツーリング車

トピークのブースで見つけたバイクパッキング+パニアのハイブリッドなツーリング車

 

次章、コンポーネント編をお届けします。お楽しみに!