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チャプター2・レレ アジア人フレンドリーな高性能エアロロード

ニュージーランドで産声を上げた注目のメーカー、チャプター2。第一作であるテレに続き、エアロロードのレレを発表した。日本で行われたローンチイベントに参加した安井が報告する。
 
text:安井行生 photo:佐藤竜太、山口顕太

意欲的な若いブランドの2作目はエアロロード!

レレのXSサイズ
レレのXSサイズ

“第二幕”という一風変わったブランド名、個性的な響きのモデル名、フレーム各所に散りばめられたマオリのグラフィック、ニールプライドの元リーダーが率いるという信頼感などが好意的に受け入れられ、チャプター2は新興メーカーとしては驚きのスタートダッシュを決めた。限定販売されるリミテッドカラーは即日完売状態だという。

第一作となるオールラウンダー、テレ(TERE)のデビューから10カ月、チャプター2はレレ(RERE)という第二作を投入した。カムテール&翼断面を多用し、CFD解析&風洞実験によって空力性能を煮詰めたエアロロードである。とはいえ、「CFD解析」「風洞実験」などの単語はもはや売り文句にすらならない。どのメーカーも、技術的達成度の高低はあれど、エアロロードの開発過程では同じことをやっているからだ。

レレならではの売りは何か。筆者が見る限り、ポイントは4つほどある。まず、直販によるコストパフォーマンスの高さ。次に、フレームサイズが大きくなるにつれてリーチとスタックが漸増的に伸びていく真っ当なジオメトリー。3つめが、個性的かつシンプルなグラフィックと、矢継ぎ早な限定カラーのリリース。4つめは、スモールサイズのカッコよさ。

もちろん4つめは主観によるものだが、実はメーカーの意図でもある。チャプター2を率いるマイク・プライド氏の身長は168cm。体型が日本人に近い。ビジネスとしてアジアマーケットを重視しているということもあり、スモールサイズのジオメトリーやルックスには気を配っているのだという。マイク・プライド氏に「大きいサイズよりXSのほうがカッコいいですね」と言うと、「自分が乗るサイズだから」と笑う。リップサービスも入っているだろうが、XSサイズの完成されたフォルムを見る限り、これは半分本気だろう。

 
テレはカムテール形状を多用しているが、レレのダウンチューブなどには純粋な翼断面が用いられる。これはカムテール形状より空力性能に優れているからだという
テレはカムテール形状を多用しているが、レレのダウンチューブなどには純粋な翼断面が用いられる。これはカムテール形状より空力性能に優れているからだという
シートポストも翼断面の専用品。形状は前後に長いが、積層を工夫して前後方向のしなりを確保し快適性を上げている。前後逆に付けることでTTバイクとしても活用可能
シートポストも翼断面の専用品。形状は前後に長いが、積層を工夫して前後方向のしなりを確保し快適性を上げている。前後逆に付けることでTTバイクとしても活用可能
TTバイクのような形状のシートチューブ。リヤ三角はコンパクトに仕上げられている。チェーンステーは上下にかなり太いが、快適性を高めるためシートステーは細め
TTバイクのような形状のシートチューブ。リヤ三角はコンパクトに仕上げられている。チェーンステーは上下にかなり太いが、快適性を高めるためシートステーは細め
フォーククラウンはダウンチューブとの段差を埋める形状。前から見ると左右ブレードの間隔がかなり広い。ブレーキは空力性能を上げやすいダイレクトマウントを採用
フォーククラウンはダウンチューブとの段差を埋める形状。前から見ると左右ブレードの間隔がかなり広い。ブレーキは空力性能を上げやすいダイレクトマウントを採用
同時に発表されたステム一体型ハンドル。メンテナンス性を損なわないように、あえてケーブル類はフル内蔵にしていない。サイズは5種類用意される。かなり高剛性
同時に発表されたステム一体型ハンドル。メンテナンス性を損なわないように、あえてケーブル類はフル内蔵にしていない。サイズは5種類用意される。かなり高剛性
レレについて熱く語るマイク・プライド氏(写真右)
レレについて熱く語るマイク・プライド氏(写真右)

XSサイズを試乗!


カタログ写真の流麗なエアロフォルムに惚れて注文し、いざ自分のXSサイズを目の当たりにしてあまりのカッコ悪さに絶句する、というのは日本人にとってのエアロロードあるあるだが、チャプター2ならそんな心配は無用だ。Mサイズとつぶさに見比べてみたが、やはりどう見てもXSサイズのほうが均整がとれている(完全なる主観だが)。こんなことはロードバイク史上初かもしれない。

肝心の走りは、重心低く挙動は軽快、ガッシリとした剛性感でギュンギュン進む、硬派でスポーティーなもの。剛性はかなり高く、しなりを生かしてピュンピュンというタイプではない。踏みつけて進ませるフレームだ。ハンドリングにはややクセがある。直進時は直進性が高いのだが、一旦転舵するとハンドリングが軽くなるという、直進モードとコーナリングモードが明確に分けられている感じだ。しかし印象は決して悪くなく、実際すぐに慣れる。

驚いたのは空力性能だ。試乗の場に乗っていった私物バイクとホイールを統一して比較してみたが、高速での抵抗感は明らかに少ない。ニールプライド時代から何台ものフレームを開発してきた氏の知見が活きているのだろう。小柄なライダーに優しい高性能エアロロードである。

 




チャプター2・レレ

フレームセット価格/26万7112円(税抜)、ジロ101は38万円(税抜)

フレーム/カーボン
フォーク/カーボン
カラー/パール+UD、マット&グロスブラック、ジロ101
サイズ/XS、S、M、L、XL
フレームセット重量/1396g +/-3%(Mサイズ)



試乗車スペック
コンポーネント/カンパニョーロ・スーパーレコード
ホイール/カンパニョーロ・ボーラウルトラ50
タイヤ/コンチネンタル・グランプリ4000sⅡ  700×25C
ハンドル/チャプター2・マナ
シートポスト/専用品
サドル/フィジーク・アリオネ



 

ジオメトリー

マット&グロスブラック
マット&グロスブラック
パール+UD
パール+UD
ジロ101
ジロ101

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