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新連載! 安井行生のロードバイク徹底評論 第1回 Cannondale SYNAPSE HI-MOD2 vol.1

2012年、名車スーパーシックスエボを完成させて、レーシングバイクカテゴリでライバルを置き去りにしたキャノンデールが、エンデュランスロードにも本気になった。イタリアで100km、日本で300kmを走り込んだ安井が、シナプスの本質とエンデュランスロードのあり方に迫る。技術者インタビューを交えた全10回、1万文字超の最新ロードバイク論。
 
text●安井行生 photo●我妻英次郎/安井行生/キャノンデール・ジャパン

新連載「ロードバイク徹底評論」とは

サイスポwebにて連載を始めることとなった「ロードバイク徹底評論」。単なる「新製品紹介&感想」に留まりたくない。走り込んで得られた印象を、原因(設計)と結び付けたい。対象となるバイクの存在理由について深く掘り下げるような文章でありたい。そんな想いを込め、タイトルからあえて“インプレ”を外し、分不相応と知りつつ、“評論”とさせてもらった。
 
第一回で俎上に上げるのは、キャノンデール・シナプス。技術者にインタビューができたうえ、文字数を気にせず書き散らかしてしまったため、質疑応答を含めると1万文字以上の長文となってしまった。全10回、気長にお付き合いいただければ幸いである。

名車”エボ”の作り手によるエンデュランスロード

「コンフォートロードが増えているが、ロードバイクの本分を見失っていやしないか」みたいなことを書き始めてはや数年が経つ。いまや右も左もコンフォート。口を開けばバーティカルコンプライアンス。フルアルミ~アルミカーボンバック全盛時代にロードを始めた筆者は思わず「そこまで振動が嫌ならフルサス乗ってれば?」と言いたくもなってしまうが、今では流行でも一時的な潮流でもなく、完全に確立されたカテゴリーへと成長した。
 
そんなエンデュランスロードのエースとして市場に君臨するのが、スペシャライズドのルーベである。スペシャライズドはこの快適志向バイクに数年に一度の頻度で改良を加えており、すでに第四世代に進化。その他にも、トレック・ドマーネ、ピナレロ・ドグマK、フェルトのZシリーズなどがにらみを利かせ、さらにメリダのライド、スコットのソレイス、BMCのGF01、ニールプライドのゼファーなどの快適系モデルが続々とデビューしている。
 
そこに、「お前らまとめてかかってこい」と言わんばかりのタイミングで登場したのが新型シナプスである。パワーピラミッドと名付けられた二股になったシートチューブ。セーブプラス・マイクロサスペンションという振動吸収ゾーン。細身の専用シートポスト。ワイド化された新規格BB。純レース用バイクとコンフォートバイクのちょうど中間に設定されたジオメトリ。採用された技術をサラリとなぞっただけでも個性的なトピックがズラリと並ぶ。しかも開発陣は、あのスーパーシックスエボを作り上げたベッドフォードの面々だ。世はどうしても期待するだろう。
 
vol.2へ続く