フルームへの質問飛び交った「さいたまクリテリウムDREAM TEACHER」

さいたまクリテリウムドリームティーチャー

笑顔で集合写真

ジャパンカップが終わり、いよいよ今週末に開催が迫った「J:COM presents 2019ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」。事前イベントとして、チームイネオスのクリストファー・フルームとA.S.O.のクレモン・ガルズィがさいたま市立大宮国際中等教育学校を訪問、「さいたまクリテリウムDREAM TEACHER」を実施した。
フルームといえば今年、ツールの前哨戦であるクリテリウム・デュ・ドーフィネのTT試走中に突風に煽られて落車し、右大腿骨、肘、肋骨など複数箇所を骨折し、戦線離脱を余儀なくされた。プロトンに復帰するのは、このさいたまクリテリウムが初めてとなる。
 
さいたまクリテリウムドリームティーチャー

生徒たちに花道で迎えられたフルーム。まだ少しだけ脚を引きずるように歩いていた

 

今回フルームらが訪れたさいたま市立大宮国際中等教育学校は、今年新設したばかりの学校で現在中学1年生のみが所属している。20人ほどの生徒たちがフルームとガルズィを緊張した面持ちで迎え、交流の時間が始まった。
最初は、ビデオや写真とともにツールの歴史やロードレースについて二人が解説。来年のツールのコースについても話された。

さいたまクリテリウムドリームティーチャー

A.S.Oの代表としてツールについて語るクレメント氏

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ロードレースやツールの魅力について話すフルーム

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2016年、フルームがアクシデントによりバイクが破損し、コースを走ったシーンをビデオで流されると本人も笑っていた

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生徒たちが聞き取りやすいように、ゆっくりと話をしたフルーム

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会場にはツールに関するポスターなど、たくさんのアイテムが展示されていた

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来年のツールのコースも確認

中盤には生徒からの質問コーナーも。生徒たちは緊張しながら用意した質問を投げかけ、それに対して優しく答えるフルームの姿があった。
まず挙がった「レース前は何を食べるの?」という質問に対しては、「レースで使うエネルギーを蓄えるためにたくさんのお米を食べます。またプロテインを補うためにオムレツだったり卵を食べます。レース中ももちろんエネルギーが必要なので、たくさんお米を食べます」と回答。
ガルズィが、「そんなにお米ばかり食べていると、レース後は何が食べたくなるの?」と突っ込む。フルームは「なんでも!ただしお米以外ね」と答えると、生徒たちにも笑顔が見えた。
他にも「チームにさまざまな国の選手がたくさんいる中で、どんなことを大事にしていますか?」という質問に対しては、「ツールで言えば、8人のチームメイトがいる中でそれぞれが違う国でそれぞれ違う言語を話します。レース中、瞬時にコミュニケーションを取るためにそれぞれの国の言語を少しずつ学んでいくようにしています。これはチームワークを発揮するためにとても大事なことです」と話した。
また、「困難な時、どのようにモチベーションを保っていますか?」という質問には、こう回答する。
「”自分はプロフェッショナルなサイクリストなんだ、諦めてはならない”と言い聞かせています。多くの人がなりたいと思ってもなれないようなプロサイクリストとして頑張らなくちゃと奮い立たせています。」
最後はメディア顔負けの質問。「ツールとはあなたにとってどんなものですか?」
「僕にとってツールは、”セレブレーションスポーツ”。自然への感謝をしながら、違う文化、違う国を感じることができます。そして違う文化、国を結び付けられるようなとても貴重なイベントだと思っています。」
 
さいたまクリテリウムドリームティーチャー

質問コーナーでは、しっかりと生徒たちは英語で質問

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困難な時にモチベーションを保つためには?という質問をする生徒

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しっかりと一つ一つの質問に回答するフルーム

 

質問コーナーの後は、生徒たちによる和楽器の演奏のお返し。室内に響く和楽器の音色にフルームらも笑顔を見せていた。
最後に全員での記念写真撮影後には、フルームから一人一人にサイン色紙と握手のプレゼント。最初の緊張の色から一転、自然な笑顔を取り戻した生徒たちは最後まで交流を楽しんだ。
 
さいたまクリテリウムドリームティーチャー

生徒が英語で和楽器の紹介を行う

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生徒たちの演奏を聴くフルームとクレメント

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琴や三味線などでさくらさくらの演奏が行われた

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笑顔で集合写真

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サイン色紙を受け取る生徒

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しっかりと握手も交わす

子どもたちとの交流を終え、フルームは「さまざまなおもてなしを受けて、とても素晴らしいひと時を過ごせました」と笑顔を見せた。週末のさいたまクリテリウムに向けて、「僕は6回目の出場となりますが、ぜひツールの雰囲気を体感していただきたいです」と話した。
また、最後にマイヨ・ジョーヌを目指す日本の子どもたちに向けてアドバイスを求められると、「僕が生まれたケニアでもツールの優勝者が出るなんて考えられなかったんです。日本人だって将来的に不可能なんてことはない。何ごとでもハードワークを続ければ信じられないようなことでも達成することができるはずです」と力強く答えた。
 
さいたまクリテリウムドリームティーチャー

生徒たちからもらった色紙を掲げるクレメントとフルーム

 

さいたまクリテリウムは10月27日(日)にさいたま新都心駅周辺にて開催される。土曜日には前日イベントも予定されている。厳しい苦難に立ち向かい、復帰するフルームが走る姿をぜひ見に来てみてはいかがだろうか。

問い合わせ先

2019ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム
http://saitama-criterium.jp/