四国一周サイクリングの始め方! アクセスからグルメまでを大紹介【愛媛県編】

目次

四国一周愛媛県編

四国一周1000kmをもっと気軽に自由に自転車で楽しもう! 他県からアクセスしやすい主要ターミナルとともに、各県のサイクリングの魅力やハズせない観光名所やグルメを紹介する本連載。その第一回目は愛媛県へ!

 

「四国一周サイクリング」へ出発だ!

1200年以上のお遍路文化が今なお息づき、日本だけでなく世界中の人々の憧れとなっている四国。
瀬戸内海に太平洋、宇和海といった表情の異なる3つの海や、深く急峻な四国山地といった自然はもちろんのこと、食文化から歴史までそれぞれ個性を持つこの四つの県は、自転車で巡ることで自分だけの特別な旅の体験ができること間違いナシだ。

そんな総距離およそ1000kmにおよぶ四国一周サイクリングには、「一度に四県全てを巡る」というロマンがあるのはもちろんだが、どうしても必要な時間や日数がかかってしまいハードルがあるものだ。
だからこそ、「限られた日程や走行距離で分割して巡る」というのも四国一周を達成するにはオススメの方法となる。そのためには、各四県へアクセスすることができる主要ターミナルを抑えておけば、もっと自由なコースのプランニングが可能となるものだろう。

そして、この「四国一周サイクリング」への挑戦を後押しするために、さまざまなサイクリスト向けサービスやオリジナルグッズなどうれしい特典が用意される「CHALLENGE1,000kmプロジェクト」も開催している。

この「CHALLENGE1,000kmプロジェクト」に協力している宿泊施設「四国一周おもてなしサポーター」は、サイクリストには不可欠な「自転車保管場所(室内での保管等)」「ランドリー施設(洗濯機)」「スポーツサイクル用の空気入れ」を標準で用意。

おもてなしサポーターでは、「宿泊料割引」「ドリンクサービス」「メンテナンススペースの提供」「自転車配送サービス」など、各施設それぞれに四国一周サイクリストへの「おもてなしサービス」 を提供してくれるので、自転車での旅をより充実させてくれるだろう。

また、四国をライドする際には輪行を活用するのもオススメだ。高知県の室戸岬周辺(奈半利町〜東洋町)以外は全て四国をぐるりと一周するように鉄道網が敷かれている。四国北部の湾岸部などは工業地帯が点在し、大型トラックなどの交通量が多い区間がある。そういった区間では、通過する時間帯の交通状況や、路面状況などに気を付けて走ることはもちろんのこと、場合によっては輪行によるエスケープを行うというのも考えられる。もちろんおいしいポイントだけを楽しむための、輪行活用というのも手だ。

主要駅には「サイクルピット」が設置されており、輪行袋貸し出しサービスや、サイクルトレインの運行を行っている区間もあるので、鉄道と四国一周サイクリングは非常に組み合わせやすい状況だ。

四国をサイクリングする目的はあなた次第。「四国一周」を目指して1000kmに挑むもよし、海も山も密度高く楽しめる日本屈指のサイクリングコースを走り抜けるもよし。そこに魅力的なグルメや体験したいコトを加えてあなたのペースで走るからこそ、この四国四県のアクセス方法の選択肢の多さやサイクリスト向けのサービスをぜひ活用してほしい。

本連載では、愛媛県、香川県、徳島県、高知県のそれぞれの県ごとに、アクセスの基点となるターミナルをまとめるとともに、その県でハズせない観光スポットやグルメも紹介。四国だからこそ、もっと自由なプランニングでサイクリングを楽しめるはずだ!

「四国一周サイクリング」詳細はこちらから

 

四国一周サイクリングの「愛媛県」の魅力とは?

僕(筆者エリグチ)も四国は「四国一周」をはじめとしたサイクリングで何度も訪れており、多くは愛媛県をスタート&ゴールの基点としている。
その理由は、大阪に住んでいる際には大阪南港から愛媛県東予港を繋ぐ夜行フェリーを利用でき船旅も楽しめるという点。あるいは東京にいる時は松山空港まで飛行機でひとっ飛びし、松山空港から松山市街地までは自転車でも自走可能な距離(約5km)にあるため、行程の前泊を松山で過ごし、道後温泉や松山城下町の風情、そして酒場を楽しんでからその翌朝出発できるという点。それぞれで自転車旅プラスαを楽しみつつ、プランニングも組み立てやすい、そんな僕のワガママとライド効率を兼ねることができるのが、この愛媛県なのだ。

そんな実利的な面はもちろんだが、四国の面積の約4分の1を占める愛媛県だからこそ、サイクリングコースも魅力的だ。

松山を出発するルートとして、まず一番にオススメしたいのは「しまなみ海道」の基点のひとつとなる今治を目指す海岸沿い。今治へ向かう道すがらは、穏やかな海風に吹かれながら行き交う船を横面に走り続けよう。菊間という鬼瓦造りで知られた町には、ぎょっとするような巨大鬼瓦が道の脇に! そしていよいよ今治の造船所群とともに巨大タンカーが目の前に現れたと思うと、今治の町に到着だ。遠い土地に来たなという旅の情感をたっぷり味わいながらも、まだ走行距離は約47km、半日程度というくらいだ。今治名物の「焼豚玉子飯」でお腹を膨らませたら、ここからしまなみ海道をはじめとした瀬戸内の島々に向かうもよし、香川の観音寺に向かって進むもよし。……僕は今治のサイクリストスーパー銭湯「喜助の湯」でひとっ風呂といこうかな?

また、四国一周コース上となる南西方面では、交通量の少ない海岸線を走り続け、九州にも接続できる航路がある八幡浜の港や、「鯛めし」など名物の多い宇和島と続いて行く。ここには某ジブリ作品に登場するような駅のホームがある「下灘駅」もハズせないだろう。

ちなみに僕個人のベストコースとなるのは、県南東の石鎚山方面、そして「瓶ヶ森林道(別名:UFOライン)」へ至る道。愛媛側から寒風山林道を経由して標高1600mオーバーを稼ぐ健脚向きだが、ここでしか見ることのできない絶景が待っている。

四国のグルメはどれも絶品。こちらは松山市の「みなと食堂」でなべ焼きうどんをいただきます!

 

主要ターミナル編

ここからは、県外から愛媛県の四国一周サイクリングルートにアクセスするための、主要なターミナルを紹介していく。

 

松山空港【フライト】

松山空港

松山空港は、国内の大都市圏と愛媛県を結ぶ窓口であり、松山市街地中心部への距離も近く、サイクリングを楽しみながら市街地へアクセスすることが可能。

空輸したバイクを組み立てられるようサイクルスタンドと空気入れが常備されたサイクルステーションが設置されているほか、着替えスペースの提供、そして輪行時に使用した運送用の箱など荷物を預かってくれるサイクリスト向けのサービスも充実しており、到着後すぐに四国一周サイクリングにチャレンジできる愛媛県の空の玄関口になっている。

松山空港

愛媛県松山市南吉田町2731

 

松山空港のサイクルピット

松山空港のサイクルステーション。工具やポンプは案内カウンターで借りることができる

 

JR松山駅【鉄道】

松山駅

他県とも線路でつながって、県外からも多くの人が利用するJR松山駅は、降車後すぐに松山市街地にくり出すことができる場所に位置しており、サイクリングをスムーズにスタートすることができる。

四国一周サイクリングの基幹ルートとして設けている四国一周ルートの沿線をほぼカバーして網羅するJR四国の主要駅(愛媛県では、松山駅/新居浜駅/伊予西条駅/壬生川駅/八幡浜駅/宇和島駅)には、サイクリストの受入環境の整備を図る目的でサイクルピットを設置しており、ここJR松山駅にも設置されているのだ。

また、このサイクルピットでは、輪行袋のレンタルサービス(500円)も実施。困った時に輪行を利用しエスケープすることも可能となる。

四国一周輪行情報

 

JR松山駅

愛媛県松山市南江戸1-14-1

 

松山駅前のサイクルピット

JR松山駅前のサイクルピット

 

東予港【フェリー】

伊予港

愛媛県の海の玄関口の一つが、「東予港」。大阪の港を夜に出港し、翌朝東予港に到着するので、ゆったりとした瀬戸内海のフェリーによる船旅でエネルギーは充電完了。到着後は朝から1日たっぷりサイクリングを満喫することができる。

そして東予港から大阪南港への夜行便が就航しているオレンジフェリーでは、サイクリスト向けにさまざまなサービスが充実。輪行袋で乗船の場合は追加料金は不要で、デラックスシングルの客室限定となるが、1700円の軽車両運賃を支払うことで自転車を分解することなくそのまま持ち込める「マイバイクステイサービス」も行っている。その他、往復(日帰り)の場合は船内で荷物を預かるサービスも行っているので、船を基点としたサイクリングも可能となる。

また、港にはサイクルステーションも設置されている。

東予港

愛媛県西条市今在家1500‐2

オレンジフェリー

 

オレンジフェリーのデラックスシングル客室では、「マイバイクステイサービス」として自転車をそのまま持ち込める

 

名物スポット編

道後温泉

道後温泉

夏目漱石の名作「坊っちゃん」にも描かれている道後温泉は、日本三古湯の一つ。道後温泉本館を中心に、共同浴場や足湯、土産物店など、街ぐるみで楽しめる観光名所として全国的に絶大な人気を誇っている。
中でも「坊っちゃんからくり時計」は、1時間ごとに「坊っちゃん」の登場キャラクターが現れるので、その時間を狙って観光客がやって来る人気スポットだ。
道後温泉本館前は、浴衣姿でそぞろ歩く観光客に混じりながら記念撮影することできるサイクリストにとっての絶好の撮影スポットになっているので、四国一周サイクリングで愛媛県を訪れる際には、是非立ち寄ってみよう。

道後温泉

愛媛県松山市道後湯之町5-6

 

名物グルメ編

「焼豚玉子飯」白楽天 今治本店

焼豚玉子飯

四国一周サイクリングを松山空港からスタートし、今治市に突入すれば、この区間のゴールポイントとなる「道の駅 今治湯ノ浦温泉」がもう少しで見えてきた。そろそろお腹も空いてくるころだ!
1970年に開業した今治市でも最も古い中華料理店の一つ「白楽天 今治本店」で味わうことができるのが、全国的にも有名な今治市の名物グルメ「焼豚玉子飯」。
ご飯の上にあるのは焼豚、創業より継ぎ足しで作られている秘伝の甘辛タレ、半熟の目玉焼き。一見シンプルな作りにはなっているが、甘辛いタレなどが絶妙にマッチングし、これまでの四国一周サイクリングの道中の疲れを全て吹き飛ばすボリューム満点の完成された一品になっている。
お腹を空かせたサイクリストの皆さん是非立ち寄ってみては?

白楽天 今治本店
愛媛県今治市常盤町4-1-19

 

白楽天 今治本店

 

四国一周サイクリングコースへのアクセス

今回紹介した愛媛県の松山空港からオススメスポットをつなぐコースをここで紹介。ここから次なる四国一周サイクリングルートへと、あなたの旅を始めよう!

 ルート詳細はこちらから

愛媛県庁本館前にはスタートゴール地として「四国一周0kmモニュメント」が設置されている

問い合わせ先

四国一周サイクリング
https://cycling-island-shikoku.com