「CORSA N.EXT(コルサ ネクスト)」登場! ヴィットリアによる第二のハイエンドタイヤ

目次

コルサネクスト

イタリアンタイヤブランドのヴィットリアから、新たなハイエンドタイヤ「CORSA N.EXT(コルサ ネクスト)」が発表された。元プロライダーの平塚吉光氏による最速インプレッションとともに、新たなタイヤを紹介する。

 

老舗メーカーのかゆいところに手が届いた1本

ロードレースの足下を支え続ける老舗メーカーとして有名なイタリアンタイヤブランド、ヴィットリア。入門用の安価なタイヤから世界のトップレーサーが愛用するコンペティションカテゴリーのタイヤまで幅広く商品展開をする同社だが、そのコンペティションカテゴリーとセカンドカテゴリーの間には大きな差があったのも事実。そんな同社のかゆいところを埋める“1.5番目”に位置するモデルが発表になった。
その名も『CORSA N.EXT』(コルサネクスト)。「コルサ」と言えば同社ラインナップの中でも最上位シリーズであり、その特徴といえばケーシングにコットン素材を使用することだった。そんなコルサの名を冠しつつも、コンペティションと先進のトレーニングカテゴリーの間を埋めるのが、この新作タイヤだ。

 

コルサネクストのトレッドデザイン

ナイロンケーシングといった新しい試みがある一方、トレッドデザインは現行のコルサシリーズと同様の縦溝を採用する

 

ヴィットリアが見せる本気の商品開発

コルサネクストのケーシング

 

ヴィットリア独自の新コンパウンド技術を採用し、ロードタイヤのパフォーマンスを改善したネクストシリーズ。「究極の製品開発」へと推し進められた新コンパウンドは、プロレーサーも使用するプロ・コンペティションコルサシリーズに採用されてきたグラフェン技術に、“シリカ”を融合したものとなる。
この「グラフェン+シリカ」よって、パフォーマンスの向上と耐久性をはじめとするタイヤ寿命を伸ばすことに成功している。グリップ力も従来のグラフェンのみのモデルと比べて改善されており、まさに究極の製品開発の賜物と言える。
また、ケーシングには高品質のナイロン繊維を採用。センタートレッド下には、3層のナイロン素材のレイヤーと耐パンクベルトを組み合わせることで、これまでのコルサシリーズで採用されてきたコットン繊維素材に肩を並べることのできる総合性能を実現している。

コルサネクストシリーズの位置づけ

コルサネクストシリーズのヴィットリア内の位置付け。コルサシリーズの弟分にあたる。もちろん新ETRTO規格にも準拠

コンパウンドの性能比較グラフ

グラフェン+シリカ素材と従来のグラフェン素材のコンパウンドの比較。転がり抵抗値やグリップ性能、耐パンク性能がそれぞれ向上している

 

確かなグリップと心地よさに耐久性を加えた次世代TLR

コルサネクストTLR

 

走行時の乗り心地性能アップやパンクのしにくさなど、人気がさらに上がっているチューブレスレディタイヤ。
そのメリットに加えて、新開発のグラフェンシリカ コンパウンドを採用したことにより、グリップ力・耐久性・さらにパファオーマンスのアップを成功させたのがコルサN.EXT TLRだ。
また、コットンケーシングを使用していたコンペティションシリーズに対し、N. EXTシリーズでは高品質のナイロンケーシングを採用し、高い耐久性と耐パンク性もアップを成功させた。

 

負けずとも劣らない、ナイロンケーシング

コルサネクストTLRを試す平塚さん

 

ナイロンケーシングの採用により硬さがでるのか? と考えながらスタートしたが、しっかりとしなやかさを残したことには驚いた。
チューブレスレディ(TLR)と28Cの効果で高いクッション性があるのは想像通りだが、それを上回る“コルサ特有のしなやかさ”を活かしたタイヤとなっている。タイヤ表面は地面との確かな接地も感じることができ、上りでのダッシュした際には粘り気のあるグリップを発揮。無駄のない加速を感じることができた。
また、高速コーナーではしっかりとしたグリップを得ることができ、安心安定のコーナリングをしっかりと実現してくれる。さすがに濡れて苔むしったコンクリート道路でまでグリップをするとは言えないが、それは致し方ないこと。チューブレス化によってタイヤの空気圧を極端に下げる風潮にあるが、クッション性の良さから無駄に空気圧を下げようと思わせることもなく、それでいてタイヤの確かなグリップを出してくれる、心地の良いタイヤであった。

使用タイヤ/コルサネクスト TLR 700×28C
使用ホイール/マヴィック・コスミック SLR 32 (内径19mm)
空気圧4.2bar 、体重60kg

ヴィットリア・コルサ ネクスト TLR
構造/チューブレスレディ(TLR)
サイズ/700×24C、700×26C、700×28C、700×30C、700×32C、700×34C
重量/285g(700×26C)
素材/ナイロン100TPI
コンパウンド/グラフェン+シリカ
カラー/オールブラック
価格/8999円
※700×28C〜700×34Cモデルはフックレスリム対応

 

コルサネクストTLRを見つめる平塚さん

 

安心安定のクリンチャータイヤ

コルサネクスト

 

基本構造はチューブレスレディと同様の新クリンチャータイヤ。重量が200g(26C)と超とは言わないまでも軽量な仕上がりだ。
クリンチャータイヤなので、チューブの重量もプラスされるが、ヴィットリア製ラテックスチューブを使用すれば同等の重さに抑えることができる。
チューブレスレディはパンク時などのタイヤ脱着問題など、使用に踏み切れない人も多い中で、耐パンク性能も含めた耐久性が高く、さらにグリップがコンペティションレベルにあるこのタイヤは、普段のライドからレースシーンまでをカバーできるオールラウンドタイヤの代表格となるであろう。

 

あらゆるライドに最適な走り出しの軽さ

コルサネクストを試す平塚さん

 

現代基準ではかなり細身のタイヤから感じる走りの軽さは絶品。重量が軽いこともあり、走り出しなども含め、加速がとても爽快だ。
空気圧、エアボリュームの関係でチューブレスレディと比べるとクッション性の無さは否めないが、それでもタイヤ性能によるしなやかさは健在であるため、走行中に嫌な振動を拾わずに済む。
細身でも、グリップなどに不安感はなく安心して使える。近年太身のタイヤが主流になっているが、大きく動く外周部にあるタイヤだからこそ、重量の違いが大きく出るポイント。
チューブ込みでチューブレスレディと同様の重量であっても、液体(シーラント)が中で動かないため、特にスタート時などはタイヤ重量以上の大きなアドバンテージを感じた。パワー(出力)に自信のないライダーには特にオススメだ。
また、基本的にはチューブレスレディと同じ構造ではあるが、ビートがチューブタイプ用となっており、チューブレスレディと比べると安易に取り外しができるのもメリットだと感じた。

使用タイヤ/コルサN.EXT 700×26C
使用チューブ/COMOETITTON LATEX
使用ホイール/マヴィック・コスミック SLR 32(内径19mm)
空気圧5.2bar、体重60kg

ヴィットリア・コルサ ネクスト
構造/クリンチャー
サイズ/700×24C、700×26C、700×28C、700×30C、700×32C、700×34C
重量/200g(700×26C)
素材/ナイロン100TPI
コンパウンド/グラフェン+シリカ
カラー/オールブラック
価格/7997円

 

 

平塚吉光さん

平塚吉光さん

2019年にプロ引退後、地元静岡で観光業にチャレンジ。現在はサイクルツーリズムからコーチングまで、幅広く自転車の楽しみ方をレクチャーしつつ、自身も自転車の楽しさを再確認中!

問い合わせ先

ブイ・ティー・ジェイ
https://www.vittoriajapan.co.jp/