トレック新型マドン 60秒速く、300g軽く

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トレックマドン2022

トレックを象徴するモデル「マドン」が、4年ぶりにフルモデルチェンジを果たした。マドンの名前が登場してから通算6度目、第7世代のマドンとなる。しかも今回はかなり劇的な変化を遂げている。トレックのレーシングバイクのポジションを担っているマドンは、空力性能を高めつつ、重量面でより軽くしてほしいというトレック・セガフレードチームからの要望に応えるべく、開発が行われた。素材は同社の軽量モデル「エモンダ」で初採用されたOCLV800カーボンだ。

トレックマドンOCLV800

新型マドンのフレーム素材はOCLV800

そのルックスからしてすでに衝撃的だ。昨今のロードバイクはシルエットが似通ってきているなどと揶揄されるが、新型マドンはシルエットで誰もが判別できる。その造型は、もちろんデザインだけを追い求めたものではなく、ちゃんと機能を与えられている。

トレックマドンアイソフロー

新型マドンを象徴するアイソフロー。サイドビューではシートチューブ下に大きな空間がある

空力性能と快適性の両立Iso Flow

トレックマドンアイソフローの構造

それが「Iso Flow(アイソフロー)テクノロジー」だ。横から見ると、シートチューブに大きな切り欠きがあるようにみえる。その正体はバイクの後ろ側に回り込むとわかる。シートマストとトップチューブの交点の下には大きな空洞が。ここに前方から流れてくる空気を流すことで、シートチューブ周辺の乱流を抑えている。さらにこの切り欠き部分がしなることで、振動吸収性を確保している。前作まで採用されていたIso Speed(アイソスピード)は、シートマストから支点を介した板バネのような構造により快適性をもとめていたが、複雑な機構を廃した(造型は複雑だが)ことにより、フレームを軽量化している。

アイソフローの空気抵抗

左が新型マドン。このシミュレーションは、前作と比較してバイク後方へ流れる空気の乱れが少なくなっていることを表している

例えば45kmの距離を第6世代マドンで1時間かかる(平均時速45km)出力で走るとする。それと同じ出力で第7世代マドンに乗ると、第6世代よりも60秒早く(平均時速45.76km)走ることができる。それだけ空気抵抗が削減されているということだ。

トレックマドンアイソフロー

アイソフローを後ろからみたところ。シートステーとシートチューブがY字の構造でつながっている

トレックマドンシートマスト

専用のシートポストは、フレームに隠れる部分にプラグがかくれており、これをボルトで後方から押し込むことで固定する。長さは2種類。47-54サイズにはショートシートポストが、56-62サイズにはトールシートポストが付属。すべての純正シートポストは、0mmオフセットだ

トレックマドンボトルケージ

シートチューブ側のボトルケージは低い位置に取り付けられる。クランクのすぐ裏、フレームのBB周辺はボトルの直下までフレームが迫る。これも空力性能を考慮してのことだ



 

ハンドルも新設計のステム一体型

新型マドンハンドル

ブラケット部分の幅が、ドロップ部を大きく違うことがわかる

走行中に受ける空気抵抗は、ライダーが大きな割合を占めている。そこでロードレースのルールに合わせて、空気抵抗の少ないポジションを取れるように、様々な形のハンドルが開発されてきた。その最新のアプローチが、このマドンに組み合わせられるハンドルだ。ハンドル幅の基準となるのはドロップ部の幅、ブラケット部分の幅はそれよりも3cm狭く設計されている。このハンドルでC-C40cmのモデルを選んだ場合、ドロップ部がC-C40cmで、ブラケット部の幅は37cmということになる。これにより、ライダーのポジションの前面投影面積が小さくなる事が期待できる。平地を巡航するときはブラケットを、しっかりとハンドルを握ってスプリントしたいときはドロップ部というように使い分けを想定している。なおリーチは80mm、ドロップは124mmだ。

これらアイソフローと新型ハンドルにより、300gの軽量化を実現している。ケーブル類は全てハンドル、フレームに内蔵される。そのため対応するコンポーネントは電動のみだ。完成車スペックには、発表されたばかりの新型シマノ・105DI2仕様の設定もある。

 

タイヤは28mm幅まで対応

トレックマドン

タイヤの太さは28mmを推奨している。フォーククラウン部でタイヤとのクリアランスが6mm確保することがエアロダイナミクス的にベスト

H1.5ジオメトリを採用

トレックマドン風洞実験

ジオメトリは、H1.5ジオメトリを採用。かつてはプロ向けのH1、アグレッシブでないライダーに向けたH2と同じモデルに2種類のジオメトリを用意していたこともあったが、その2つが組み合わさったH1.5がトレックのロードバイクの標準だ。

トレックマドン2022ジオメトリ

通常、完成車で発売されているバイクに標準装備されるハンドルバーの幅やステム長は決められている。(下記の表を参照)。しかし、ライダーによっては本人にとってベストなフィットにするため、異なるサイズのハンドルバーなどを求めることも少なくはない。ライダーのフィットにどう合わせていくのか(カスタムオーダーできるプロジェクトワンなら、ハンドルサイズを選べるようになる可能性がある)販売時の追加情報を待ちたい。

トレックマドン2022ハンドル幅の組み合わせ

フレームサイズとハンドル幅、ステム長のコンビネーション表

非常に印象的なバイクのシルエットが、フレームサイズによってどう維持されているのかも気になるところだ。

 

マス・ピーダスン「まるで宇宙船」

トレックマドン

新型マドンをテストライドするマス・ピーダスン(トレック・セガフレード)

新型マドンの開発には、もちろんプロライダーが関わっている。選手は新型マドンの走りをどのように感じたのか、2019年ロード世界チャンピオンのマス・ピーダスンのコメント

「プロがバイクに求めるのは空力性能と軽さ。これが大切。新型マドンの開発は、前作マドンを手に入れた数ヶ月後からもうスタートした。アイソスピードの快適性と軽さが必要だった。新型マドンに初めて乗ったとき、ちょっとした違和感を持った。そこからエンジニアとデーターとフィーリングのコンビネーションを完璧にしていった。新作はまるで宇宙船だよ。反応がいい。とてもアグレッシブなコーナーでもハンドリングは簡単。バイクは行きたい方へ曲がっていく。スプリントしてもしっかり速度が乗る」

新型トレック・マドンの印象をトームス・スクインシュに聞く

トレック・マドン価格

トレックマドン2022SLR9

SLR 9 eTapバイパーレッド

マドンSLR 9 スラム・レッドeTap完成車価格:175万6700円
サイズ:52、54、56
カラー:バイパーレッド、アジュール

トレックマドンSLR9

マドンSLR9 アジュール

マドンSLR 9 シマノ・デュラエースR9270 DI2完成車価格:166万8700円
サイズ:50、52、54、56、58
カラー:バイパーレッド、アジュール

トレックマドンSLR7

メタリックレッドスモークtoレッドカーボンスモーク

マドンSLR 7 シマノ・アルテグラR8170 DI2完成車価格:130万5700円
サイズ:47、50、52、54、56、58
カラー:ディープカーボンスモーク、バイパーレッド、アジュール、メタリックレッドスモークtoレッドカーボンスモーク、クエストスムースシルバー

トレックマドンSLR6

マドンSLR6 クエストスムースシルバー

マドンSLR 6 シマノ・105R7170 DI2完成車価格:115万5000円
サイズ:52、54、56
カラー:バイパーレッド、メタリックレッドスモークtoレッドカーボンスモーク、クエストスムースシルバー

 

※カラー名称は変更になる可能性があります

新型トレック・マドンの印象をトームス・スクインシュに聞く