【MTBはじめようVol.3】ブレーキングの基本編

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【MTBはじめよう!】ブレーキングの基本編
MTB

特別協力:スペシャライズド・ジャパン 撮影協力:フォレストバイク

MTB(マウンテンバイク)の基礎の基礎から学べるシリーズの第3回。今回はMTBに乗るうえで最も基本となるブレーキングについて紹介しよう。

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ブレーキングができればほぼあらゆるコースを下れる

前回の『MTBの種類解説&はじめての一台選び編』で、最初の一台としてどんなバイクを買ったらいいか分かったことだろう。ではバイクを手に入れたとして、次は基本的なライディングスキルを見つけていきたいところだ。

最初に覚えるべきスキルとは、どんなことだろうか? シリーズ通してのアドバイザー・板垣奏男さんに、今回も教えてもらおう。

板垣奏男(いたがき かなお)さん

板垣奏男(いたがき かなお)さん。東京サイクルデザイン専門学校を卒業後に本場カナダへ渡り、高度なライディングスキルからトレイルビルディングに至るまでを習得。現在はプロライダー/インストラクターとして活躍している。

「まずは何よりもブレーキングです。MTBは不整地、つまりオフロードを走るので、特に下りで安全・確実に止まれるようになることが第一に必要です。

逆に、しっかりとブレーキングして止まれるようになれば、国内のほとんどのゲレンデやMTBパークのコースを下れるようになります」と板垣さん。

基本1 ハンドルバーを持つフォームとブレーキレバーへの指のかけ方

手首の付け根の骨の部分から人さし指の根本を結ぶ線

手首の付け根の骨の部分から人さし指の根本を結ぶ線

「まず、ハンドルバーを持つフォームを覚えましょう。手首の付け根の骨の部分から人さし指の付け根を結ぶ一本の線を、ハンドルバーに添わせます。自分から見ると手のひらが斜めになります」。

上で紹介した線をハンドルバーに沿わせる

上で紹介した線をハンドルバーに沿わせる

「そして、小指から握っていくイメージで、ハンドルバーのグリップを握っていき、人さし指だけブレーキレバーにかけます」。

ハンドルバーの持ち方とブレーキレバーへの指のかけ方

ハンドルバーの持ち方とブレーキレバーへの指のかけ方

「こうすると、自然と肘がやや外側に開いて、路面からの衝撃に対して強くなります」。

正しいハンドルバーの持ち方をすると、肘がやや外側に開き気味になる

正しいハンドルバーの持ち方をすると、肘がやや外側に開き気味になる

基本2 ブレーキレバーの引き方

「この持ち方を覚えたら、次はブレーキレバーの指での引き方です。基本は人さし指1本だけで引きます」。

ブレーキレバーは人さし指1本だけで引くのが基本

ブレーキレバーは人さし指1本だけで引くのが基本

「MTBはロードバイクに比較すると大きいブレーキローターがついており、かつ油圧式でかなり良く効きます。なので、指1本だけで十分な制動力が得られるからです。もう一つの理由は、ハンドルを握る力をきちんと確保するためです。

なお、どうしても人さし指1本だけだと怖いという人は、中指を加えた指2本まではOKです」。

指2本までならOK

指2本までならOK

「ただし、指3本以上で引くのはNGです。ロードバイクに慣れている人だと、3本だとか4本で引いてしまうかもしれませんね」。

指3本以上でブレーキレバーを引くのはNG

指3本以上でブレーキレバーを引くのはNG

「なぜNGなのかというと、指を3本以上使うとハンドルバーを握る力が大きく失われてしまい、路面からの衝撃などで手がハンドルバーから外れてしまう危険性が高まるからです」。

練習1 ブレーキをかける感覚を身につける

「ブレーキを実際にかけるときのポイントは、ガッとかけすぎて前につんのめったり、後輪が滑ってしまわないようにすることです。そうなると転倒の原因となってしまいます。

そうならないようにするために、まずは良いブレーキのかけ方の感覚を身につける練習をしましょう」。

前ブレーキをかける感覚を磨く練習1

前ブレーキをかける感覚を磨く練習1。前ブレーキを強くかけてバイクを前に押すと、後輪が持ち上がってしまう

「まず前ブレーキの練習です。上の写真のようにバイクにまたがらずにハンドルバーを持ち、前ブレーキだけを強めにかけてバイクを前に押してみてください。すると後輪が浮き上がってしまいます。これは良くないブレーキのかけ方です。まずはこれを体験してみましょう」。

前ブレーキをかける感覚を磨く練習2

前ブレーキをかける感覚を磨く練習2。後輪が浮きあがることなく前輪がじわりと前に動く程度にブレーキをかける

「次に、前輪がじわりと前に動くけれども、後輪が浮き上がらないくらいにブレーキをかけて、バイクを前に押して行くようにしてみてください。このとき、ブレーキから軽くギギギギと音が鳴ることもあります。

これが前ブレーキをかける基本的な感覚です」。

後ろブレーキをかける練習1

後ろブレーキをかける練習1。強くかけてバイクを前に押すと、後輪がロックして滑ってしまう

「次に後ろブレーキをかける感覚を磨く練習です。前ブレーキと同じようにして、まずは強くかけてみます。すると、後輪がロックして滑ってしまいます。これが悪い後ろブレーキのかけ方です」。

後ろブレーキをかける練習2

後ろブレーキをかける練習2。後輪がロックしてひきずられることなく、じわりとブレーキはかかりながらも、バイクが前に進んでいく程度にブレーキをかける

「今度は、後輪がロックして引きづられないけれども、ブレーキがかかりながらもバイクが前に進んで行くようにかけてみてください。前よりも難しいかもしれません。このとき、やはりギギギとブレーキが音鳴りすることがあります。

これが良い後ろブレーキの基本的なかけ方です」。

練習2 実走でブレーキングしてみる

「ここまでで感覚を磨いたら、次はバイクにまたがり、走りながら練習します。

練習場所は、緩い下り坂で、かつ車の来ない安全な場所を見つけてください。舗装路でも未舗装路でも、どちらでも良いです。

サドルは、ドロッパーシートポストが装着されている人は一番下まで下げてください。それがない人も位置をできるだけ下げましょう。そして、サドルに座った状態で練習しましょう。重心を下げてサドルに座ることで体が安定し、ブレーキングに集中できるからです。また、もし悪いブレーキングをしてしまったときに、転倒防止ともなるからです」。

実走でのブレーキング練習をするときのフォーム

実走でのブレーキング練習をするときのフォーム

「練習方法ですが、まずは後ろブレーキだけかける練習をします。ある程度スピードが出た状態で坂をペダルをこがずに下り、最初に練習したように後輪が滑らないようにしつつじわりとブレーキが効くようにし、ゆっくりゆっくりと減速して、最後にピタッと止まって足を着きます」。

実走で後ろブレーキだけで止まる練習

実走で後ろブレーキだけで止まる練習

「後ろブレーキをかけすぎると、後輪が滑ってしまいます」。

後ろブレーキをかけすぎて後輪が滑ってしまった状態

後ろブレーキをかけすぎて後輪が滑ってしまった状態

「続いて、同じように前輪だけで止まる練習をしましょう。こちらも、強くかけすぎると前につんのめってノッキングしたような状態になります。最悪、後輪が浮き上がったり前転します」。

実走で前ブレーキだけで止まる練習

実走で前ブレーキだけで止まる練習

強く前ブレーキを引きすぎてしまった状態の例

強く前ブレーキを引きすぎてしまった状態の例

「最後に、実際にブレーキングするときと同じ状態で、つまり前後ブレーキを一緒にかけて止まる練習です。

前ブレーキ:後ろブレーキ=3:7

この比率でかけて、後輪が滑ったり前につんのめったりしないように、じわりと止まる練習をしましょう。イメージとしては、“後ろブレーキではこれ以上止められないな”と感じるのを、前ブレーキでサポートして止めてあげる感覚です」。

実際と同じように、前後ブレーキをかけて止まる練習

実際と同じように、前後ブレーキをかけて止まる練習

次回基礎スキル→ボディポジション

練習場所さえ見つかれば、どこでも・いつでも実施できる。しっかりと身につけてからMTBパークやコースへ出かけたいところだ。さて、次回の基礎スキルは?

「MTBは、実際はペダルに立った状態で乗るのが基本です。“ニュートラルポジション”や“レディポジション”といった、ボディポジションの基本についてレクチャーします」。

お楽しみに!