スペシャライズドから新型クラックスが登場 世界最軽量のグラベルバイク
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スペシャライズドのシクロクロスレーサー「Crux(クラックス)」がグラベルバイクとして生まれ変わった。広いタイヤクリアランスを持つほか、ロードバイク「エートス」で培った技術を注ぎ込み、世界最軽量をうたう。
軽さ
ペシャライズドのエンジニアであるピーター・デンクが開発した585gのロードフレーム、エートス。カーボンフレームの性能を最大限に引き出す効率的なチューブの形状とバランスを見出し、切れ目のないカーボン層をなるべく長いままあるべき位置に配置することで、剛性を補強するレイヤーの軽減に成功している。この技術を用いて作られた新型クラックスのラインナップは、「Sワークス」「プロ」「エキスパート」「コンプ」の4種だ。Sワークスの12Rフレームセットの重量は725g、プロ、エキスパート、コンプの10Rフレームは825g(いずれも最軽量のペイントで56cmサイズ)。なお、Sワークスの完成車は日本では展開されないが、7.25kgの重量を実現している。
タイヤクリアランス
新型クラックスは、より太いタイヤを取り付け走破性を高められるようにクリアランスが広げられている。対応するのは、「ディバージュ」と同じ700×47c、650b×2.1インチまでのタイヤだ。また、完成車には1×のドライブトレインが搭載されているが2×を選ぶこともできる。
ディバージュも新型クラックスもグラベルバイクだが、物をたくさん積んでより遠くまで冒険したい、グラベルライドやシクロクロスを安心して楽しみたい人にはディバージュが、速さや機敏な操作性を求める人には新型クラックスが合う。新型クラックスは走りを優先したため、ディバージュと異なり、ラック、フェンダー、トップチューブバッグ用のマウントがなく、プレート状のチェーンステーを採用していない。
ジオメトリー
ジオメトリーは、クラックスがこれまでに数々のシクロクロスレースで培ってきた、パフォーマンスを優先させたもの。ライダーとバイクを一つにして高い安心感をもたらしながら、機敏なハンドリング性を実現する。10mm伸ばされたリーチは、前後のタイヤにかかるライダーの体重を理想的な割合で配分し、つま先がフロントタイヤとぶつかるのを防ぐ。これに短めのステムを組み合わせることでより素早いハンドリングを可能にした。低めのスタックハイトは、リーチと相まって理想的な重量配分に貢献すると同時に、アグレッシブな前傾姿勢を作りやすくする。72mmのハンガー下がりは、重心を下げて安定性を高めつつ、瞬間的にラインを修正したり、急コーナーや立木の連なるタイトなセクションでバイクを何度も左右へ倒したりするときでも機敏な動きを損なわない。
また、バイク全体を一つのシステムとして考え、前述のエートスの技術を用い、適切なチューブ形状でフレームを作り、不要なカーボン層が排除されている。そして、このフレームに、シッティング時の路面からの突き上げを和らげ、快適な走りを実現するシートポストが組み合わされる。このように各部を相互作用させることで、バイク全体がより自然にライダーの入力に反応するようになる。その結果、あらゆる路面で反応性に優れたしなやかな走りが可能に。さらに、ライダーファースト・エンジニアードの哲学も用いられ、全てのフレームサイズで同じ走りが楽しめる。
ラインナップ
S-WORKS CRUX FRAMESET
価格:58万3000円
カラー:サテンブラッシュドリキッドシルバー/グロスブラック/スモークマーブル/ゴールドダイヤモンドダスト、サテンカーボン/スペクトラフレア/グロスアバロン
サイズ:49、52、54、56
CRUX PRO
価格:94万6000円
カラー:グロスコーラルライラックフェード/カーボン/ライムストーン/パパイヤ/グレー/ブラック
サイズ:49、52、54、56
CRUX COMP
価格:49万5000円
カラー:グロスアークティックブルー/ターマックブラック
サイズ:49、52、54、56