新城幸也 ジロ2021 第2休息日共同記者会見

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新城幸也 ジロ・デ・イタリア2021

ⓒBettiniPhoto

第104回ジロ・デ・イタリアは第16ステージまでを終え、5ステージを残すばかりとなった。

ミラノでの最終ステージは30kmの個人TTなので、アシストの仕事としては残り4ステージ。ドロミテ山中のカンピテッロ・ディ・ファッサにて休息日を送る新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)の、ZOOMによる共同記者会見の模様をお伝えする。

 

ミラノでのカルーゾの表彰台を叶えたい

あと4ステージあるが、僕ができる仕事はあまり多くない。明日も最後のゴールは昨日(第16ステージ)のようなキツい上りだし、僕ができることは上りの手前だけ、限られている。あとは総合2位のダミアーノ・カルーゾの調子がいいので、自分の力で頑張ってもらうしかない。

幸い、スタートが上りというステージはほとんどない。平坦スタートなので、それは僕にとってはいいこと(笑)。その平坦区間で仕事ができる。総合2位なので集団の中の位置もすごく前だし、天気が心配だが、もし天気が悪ければ僕がチームカーまで下がってレインジャケットを取ってきたりという役割になる。

落車などでチームは5人に減っているが、仕事はハッキリしている。上りはビルバオに任せて、手前の平坦は僕とヤン(・トラットニック)で。少ない人数ながらも個人個人の仕事がハッキリしている。簡単にいえば僕は前半担当で、その後にラファ(ラファエル・バルス)がいてヤンがいてペリョ(・ビルバオ)がいて、という感じだ。

僕らが動かなきゃいけないときはリーダーチームも動かなきゃいけないし、総合3位のチームも動かなきゃいけない。だから動きとしては待っていればいいわけで、僕たちが何かアクションをするのではない。イネオスが崩れるとか、ダミアーノ(・カルーゾ)が調子良すぎてアタックしていくとか、そういうチャンスを待つだけ。

でも、ここまで来たらもう「脚」がすべて。平坦で総合上位が逃げても、スピード・ガンナがすべて捕まえてくれるだろうし、それは心配していない。 首位のベルナルとのタイム差は2分半あるので結構、逆転は難しいだろう。ダミアーノのアドバンテージとしては最後のTTがあるので、今の位置を確保するのではないかと思う。

ミラノでのダミアーノの表彰台を叶えたいという思いはみんなにあり、できることはすべてやる。 僕自身も、ダミアーノが無事にジロを表彰台で終えてくれることをすごく望んでいる。

2014年のジロでチームメイトのピエール・ローラン(チームヨーロッパカー=当時)が総合4位になったのを更新することになる。3週間終えて、チームメイトがグランツールの表彰台に乗るという感動はやはり大きいと思う。

新城幸也 ジロ・デ・イタリア2021

ジロ・デ・イタリア2021 第15ステージのバーレーン・ヴィクトリアス ⓒBettiniPhoto

 

ジロ2週間を終えて、そんなに疲れているとはいえない

確かに、そんなに疲れているとはいえない。くたくたという感じではない。昨日(第16ステージ)も、ワットは6カ月ぶりのシルバーレコードだった。30分とか40分間の出力で、たぶん最初の上りだったと思う。

第16ステージのような雨の日も、幸いウエア関係がいいモノ(ジロよりALEに変わっている)なので、まったく寒さを感じなかった。普通のジャージにニーウォーマーを履いてシューズカバーを付けて、雨用の上着を身につけ、その上にレインジャケットを着ていたのだが、それで一日過ごせた。

上りフィニッシュの走り方でいえば、たまたまその位置にいるだけ。他の選手は翌日のために、力をセーブしたりするけれど、僕はできるだけ長い間集団に残ってアシストをしてから上りに入る。そこは次の日のために切り替えている選手と、総合上位にエースがいる選手との違いだ。最後の上りは一生懸命上っているわけじゃなく、自分のペースでゆっくり上っている。

PCR検査は3日か4日に1度はやっている。昨日もやった。「バブル」についていえば、チームは同じことの繰り返しだが、チームの周囲はとても気を付けているように思う。スポンサーを含めて他の人との接触はなく、もし撮影に入る人がいるならその人も簡易PCR検査をやって撮影したりしている。

ヨーロッパではこれまで長い間、一般の人の外出が本当に制限されていたので、僕らが動いても大丈夫だった。この先、夏になったらどうなるかはわからない。

新城幸也 ジロ・デ・イタリア2021

ジロ・デ・イタリア2021 第13ステージの新城幸也 ⓒBettiniPhoto