新城幸也 ジロ2021 第1休息日共同記者会見

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新城幸也 ジロ・デ・イタリア2021

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第104回ジロ・デ・イタリアに参戦中の新城幸也。自身4度目のジロとなるが、今大会ではこれまでにチームメンバーのミケル・ランダ、マテイ・モホリッチがリタイアし、バーレーン・ヴィクトリアスは6人で残りのレースを戦うことになる。

1回目の休息日(5月18日)に行われた共同記者会見で、新城は次のように語った。

新城幸也 ジロ・デ・イタリア2021

ジロ・デ・イタリア2021 第8ステージのバーレーン・ヴィクトリアス ⓒBettiniPhoto

 

あっという間に半分来た

— 今年はパリ〜ニースからミラノ〜サンレモ、ペイバスク(イツリア・バスクカントリー)、ツールドアルプスと走って、順調にコンディションが上がって、いい形でジロをスタートしました。

これまでと違って10日間走っての休息日ですが、今年のジロは毎日全力というよりは、一日頑張って一日休んで、というリズムがあって、あっという間に半分来たかなという感じです。 僕にとってはいつもどおりで、疲れてはいないし、調子も落ちてはいない。あとは暑くなってくれればいいですね。暑くなれば僕の調子は上がってくると思います。2週目以降、天気が良くなることを願っています。

 

エース・ランダの落車リタイアについて

— ショックです。でも、どうしようもない。 僕らは(ミケル・ランダの)すぐそばにいたんです。僕らが連れて行って、あそこにチームメイトとともに4人いた。でもどうしようもなかった。(路上の障害物を)僕らは避けられたんですが、避けられない人がいたので…..。しょうがないですね。

いろんな話がでました。主催者やUCIがやらなきゃいけないことが、まだまだいっぱいあるんだと思います。サイクリング(ロードレース)は昔と変わってきている。道路事情も20年前とは違う。グランツールに関していえば、3km以内(フィニッシュ3km以内の落車は同タイムとみなす)とかいろいろなルールも、もう少し考えないといけないと思います。

 

戦略は変わっていない

— 転ぶ前日(第4ステージ)には山でチームがすごく働いて、ランダ自身もタイム差を稼いだし、いいチームプレーができた。ランダは調子が良かったし、このチームはアシストも強い。ミケル(ランダ)のためにこのチームを作って、ステージもなし、ジャージもなし、チーム総合もなし、ミケルの総合優勝というただ一つの目標を立てていたのが、次の日からはステージを一つでも多く獲りに行くという目標で動いています。

(第9ステージで落車リタイアした)モホリッチもいいヘルパーだったし、ステージも狙える選手だったから、カギとなる二人を失ったのはチームとしては痛いですね。

総合はペリョ(・ビルバオ)が遅れてしまったので、46秒差で現在総合7位の(ダミアーノ・)カルーゾの総合を守ること。あとはステージ狙いです。 ジロはこれから始まるんですよ!

 

— カルーゾの経験から見ると、ミラノで表彰台に上れる可能性は十分にあると思います。

現在の上位は若い選手(ベルナル24歳、エヴェネプール21歳、ウラソフ25歳)ですが、どこかのステージで何かが起こるかもしれない。雨のステージで長い下りがあるかもしれない。ゾンコランももちろん待っている。グランツールを経験している選手は、そこをうまく乗り切る力がある。グランツールを初めて走る選手と何度も走っている選手の差が出るときが来る。そういうときにカルーゾは強いと思います。

まだ総合上位のタイム差が近い。グランツールの一週目はいつもそうなんですが、集団でまだ自分たちの場所が決まっていなくて、リーダーチームが牽いて、総合2位、3位以下は日替わりで隊列が変わっていくので、もうちょっとタイム差がつけば落ち着いていくと思います。

チームとしての目標は、平坦なステージでタイム差を失わないことです。頂上ゴールのときもしっかり遅れないことが重要。もし失っても、最終日に30kmのTTがあるので、ダミアーノに可能性があります。

今年のジロは3週目がとてつもなくキツいので、そこでどうなるかですね。タイム差を失わないことが一番重要だと思います。とにかくステージとダミアーノの総合がプライオリティです。

新城幸也 ジロ・デ・イタリア2021

ジロ・デ・イタリア2021 第9ステージの新城幸也 ⓒBettiniPhoto