ロードバイクでの先頭交代の基本とルール
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仲間と集団走行(グループライド)するとき、上手に先頭交代(ローテーション)ができると、空気抵抗を分散して楽に・楽しく・速く走ることができる。ところがローテーションがうまく機能しないと、不自然にペースが上がって全員が疲れてしまったり、事故や落車につながるような危ない走り方になったりと、なかなかうまくいかないことも。そこで、ロードバイクでの先頭交代(ローテーション)の基本とルールについて紹介しよう。
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必ず合図を出してから代わる
今回レクチャーしてくれるのは、「ロードバイク集団走行の基本とルール」の記事に引き続き、自転車コーチの須田晋太郎さん(ウォークライド)だ。
「まず、公道で集団走行するときに先頭交代する場合は、必ず先頭を走る人が交代の合図による意思表示をしてから、2番目を走る人は交代を行うのが原則です。そうしないと、2番目を走る人がペースを上げて無理に追い抜くことになり、それにつられて不必要にペースが上がってしまうのです。
先頭交代の合図を出す前には、後方から車が来ていないかなどの安全確認を行ってください。
安全の確認が取れたら、交代の合図となるハンドサインを送りましょう。オーソドックスなやり方は、ハンドルから片手を離して手を前に送り出すようにする方法です。他に、ハンドルから手を離さないで、肘を軽くクイッと曲げる方法もあります」。
先頭の人がペースを緩めて下がるのが正解!
「次に、先頭交代の基本的な動き方についてです。
ポイントは、先頭を走る人が交代の合図を出したら、道路の左側に寄り、ペースを落として後ろに下がっていくことです。このとき、2番目を走っていた人はそのままのペースで、極力まっすぐ走って行けばいいだけです。この結果として、2番目を走っていた人が先頭に出ることとなります
なお、道路の左端は段差・歩行者専用レーン・砂利・看板・電柱などがあることもあるので、そうしたものがなく、安全に下がれるポイントで交代を行うことも大切です」。
追い抜くようにするのはダメ!
知らなかった! という人も多いのではないだろうか。先頭交代というと、2番目を走る人が前の人を追い抜いて行くイメージがある人が多いように思われるからだ。
では、ダメなやり方とは?
「まさに、2番目の人が先頭を走っていた人を追い抜くようにして前に出ようとすることです。
2番目を走る人が先頭を走っていた人を追い抜くようにして前に上がろうとすると、道路の中央側に広がってしまい、車との接触の危険性が高まってしまいます。またこのような方法では、先頭に出た際にそれまで先頭を走っていた人の前に切り込んでいくような動きとなって進路を塞いでしまいがちで、集団落車の危険性も高まります。
さらに、このやり方の場合は、無理に追い抜こうとすることになるので、グループ全体のペースがどんどん上がってしまい、グループ全体が疲れてしまいがちです」。
最もやってはいけないこと
では、一番気をつけなければならないことは何だろうか。
「最もやってはいけないことは、2番目を走っている人が先頭に出るときに、”先頭だ! 頑張って走らなきゃ!”と思って、ガツンとダッシュするようにペースを上げてしまうことです。これをやられると、後続を走る人全員がついていくのに必死になって、ことさらにつらくなってしまいます」。
……耳が痛い人がたくさんいるのではいだろうか。
いかがだっただろうか? 今度仲間と集まってグループライドをする機会がある人は、ぜひ事前にこのことについて話し合い、実践してみて快適で安全な走りを楽しんでほしい。
次回は、今回の集団走行系特集の最終回として、手信号(ハンドサイン)について紹介するので、お楽しみに。