ラファ キャラバン仁王輪道2021でつながるサイクリストの輪

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Presented by Rapha

グローバルに展開するサイクルウエアブランド「ラファ」は、単なるサイクルウエアブランドにとどまらない。彼らが目指すのはサイクリングを通して文化、コミュニティを醸成することだ。今季もEFエデュケーション・NIPPOや、国内では弱虫ペダルサイクリンングチームのウエアサプライヤーをつとめているように、シリアスなプロの世界で存在感を見せつつ、グラベルライドのシーンでもいち早く存在感を高めた。また、機能面が強く語られてきたサイクルジャージ市場に、ウエアを着ていることで得られる「一体感」という価値を作り出したブランドではないだろうか。

 

ラファが演出する一体感

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Photo:Atsushi Tanno

 

ラファのウエアを着ることで、初対面のサイクリスト同士でも不思議と一体感を感じることができる。その雰囲気を作り出している一つの要素が「ラファキャラバン」だ。全国津々浦々で、サイクリストたちと小規模なグループライドイベントを開催し、ラファのバン「ルイゾン」をイベントの基地として地元ならではのルートを走破するというのが基本的なスタイルで、幹線道路をなるべく避け、地域性を盛り込みながらサイクリストが好むルートが引かれる。

ラファキャラバンに集うサイクリストには、サイクリングカルチャーが地域に根付いていくために必要な地域の魅力と楽しみの共有、そして地域社会のなかにサイクリストが共存していくことがテーマとして掲げられる。

筆者は今回、2021年ラファキャラバン最初のイベントとして大分県で開催された「ラファキャラバン仁王輪道」を取材した。

 

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今回は後ろに見えるルイゾンに加えて、ランドローバーの新型ディフェンダーもラファ仕様のサポートカーとして登場

 

大分サイクルツアー「Ring-輪-」がコースプロデュース

Ring〜輪〜代表の藤野さんによる、スタート前ブリーフィング

 

ラファキャラバンは、地域のコミュ人ティ活性を目的としたソーシャルライドとして少人数で開催され、アットホームな雰囲気を持つ。それは単に少人数だからということではなくて、コース作成や受付などもローカルのサイクリストたちによって行われる。つまりはイベントスタッフも100%サイクリストなのだ。そこに地元から、そして近県からもサイクリストが走りにやってくる。サイクリストがサイクリストをゲストとして迎える雰囲気があり、両者をつなぐ役割をラファが担っているのだ。

 

ニューノーマルに合わせて、受付では検温と消毒など、感染症予防対策を実施

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ライドをサポートするグループリーダーたち。走力に関わらず、初心者もベテランも入り混じり脚力ごとに5つのグループに分けてスタート Photo:Atsushi Tanno

会場ではスタッフと参加者の見分けがつかない。みんなサイクリストだから

個性あふれる参加者のバイクたち。マスプロメーカーのものから、ビルダーの手によるものまで様々

大分県に今年誕生したばかりの自転車チーム「スパークルおおいた」の選手たちが飛び入りで地域コミュニティの橋渡し役として参加

 

大分県国東半島、仁王輪道を知っているか?

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Photo:Atsushi Tanno

舞台となるのは大分県。瀬戸内海にぽっこりと突き出した国東半島だ。今この半島の中に、どんどんサイクリングルートを作っていこうという動きがある。そのコースの総称が「仁王輪道」、”林道”じゃなくて”輪道”。国東半島は神仏習合の発祥の地と言われ、多くの修験道が残り、修行に適した厳しい環境は六郷満山と呼ばれる。仁王輪道は、その厳しい地形を魅力の一つとして、多彩なバリエーションでサイクリングルートを生み出している。今回はその中で、日出町と杵築市を拠点にルートが設定された。日出町(ひじまち)エリアを約40km、杵築市に広がるルートを約71km。驚くような距離ではないが、ともに獲得標高は1000mをゆうに超え、途中にはグラベル区間も登場するなど、走りごたえは十分となっている。

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Photo:Atsushi Tanno

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Photo:Atsushi Tanno

 

 

国東半島仁王輪道:https://kunisakicycle.jp/

 

日出町コース:本格グラベルとアップダウンの連続

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日出城址の二の丸館をスタート。神仏習合発祥の地、古の頃から信仰の場であった国東半島。それに習って火打石で厄除け

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日出町の生活道路を行く。海と山に囲まれた地形ゆえ、ほぼ上りと下り! 行く手には別府湾 Photo:Atsushi Tanno

勾配の連続にグループの一人が脚を攣ってしまった! そんなときも助け合っう。黒枝咲哉選手直伝のストレッチ!

過酷な道を一緒に走れば、一気に高まる連帯感

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オンロード、オフロードのハイコントラストなライドは自転車の自由な感覚を芽生えさせてくれる  Photo:Atsushi Tanno

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グラベルタイヤが威力を発揮する

急勾配に思わず押しが入る。それもまた楽しい

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フィニッシュ手前にも、のどかなグラベルロードが用意されていた

 

杵築市コース:時おり雪も混じる寒さとの戦い

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Photo:Atsushi Tanno

杵築市海浜夢公園がスタート地点

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杵築城の城下町にある酢屋の坂を愛車とともに登る。その先には武家屋敷がならび、とても風情がある

 

大分県杵築市観光協会公式ホームページ:https://www.kit-suki.com/tourism/

 

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Photo:Atsushi Tanno

かつて栄華を極めた杵築紅茶を現代に蘇らせ、伝統を守り育てていく。杵築茶園の茶畑のなかをゆく https://www.kitsukicha.com/

 

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県道49号をゆく、この頃は日差しも温かく、快適なサイクリングになるかと思われたのだが……

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峠を越えてからは一気に気温が下がり白いものが

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特設休憩スポットでは「大分カオソーイ」の屋台が出現。タイ料理のカオソーイに大分カボスと杵築シイタケが入ったもの

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白鬚田原神社にお参り。奇祭「どぶろく祭り」が有名で、毎年10月に五穀豊穣に感謝して氏子が仕込んだどぶろくが奉納される

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スパークルおおいたの黒枝兄弟もソーシャルライドを満喫した様子 Photo:Atsushi Tanno

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雪が降って気温が下がるも、参加者のテンションはむしろ上がった

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こういう日こそ、ウエアのレイヤリングが重要

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楽しい!

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楽しい!?

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次なる立ち寄りスポットは両子寺。参道入口の左右には仁王様が堂々構える

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ご利益があるようにと仁王様の足をさする黒枝兄弟

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Photo:Atsushi Tanno

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国東半島のほぼ中央にそびえる両子山。その中腹にある両子寺に参拝。参加者一同、厄除け祈願を賜る Photo:Atsushi Tanno

ご住職もサイクリストだそう Photo:Atsushi Tanno

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Photo:Atsushi Tanno

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先ほど通った杵築茶園のお茶をいただく Photo:Atsushi Tanno

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Photo:Atsushi Tanno

両子寺 http://www.futagoji.jp/ (Facebook: https://www.facebook.com/futagoji

 

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両子寺参拝後は一路、海へと下っていく

 

奈多八幡宮 https://www.instagram.com/hachiman_nadagu/

(facebook: https://www.facebook.com/hachimannadalove/)

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2020年の台風10号で流された市杵島の鳥居は、多くの人々の想いが集結し見事に再建された Photo:Atsushi Tanno

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奈多海岸沿いのサイクリングロード。途中、砂を被ったところもあるが、うまくクリアできるかを楽しむ

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パンクすらもイベント

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夕陽を浴びながらフィニッシュ!

 

その場で仲間に

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グラベル区間は大きな岩もありラインが重要。山田さんはなんとエアロロードで走破

こうしたソーシャルライドへの参加は今回が初めてだという山田裕二さん。かつては東京在住でRCCに1年間加入していたこともあったが、九州に転居。新転地での新たな繋がりを求めて、あらためてRCCに加入したそう。普段は一人で走っているそうで、久しぶりのグループライドを満喫していた。「グラベル区間では、ほかの人のテクニックを目の前で見られてすごく勉強になりました。この後は温泉とスポーツマッサージを楽しむ予定です」

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こういう景色が最高のご褒美だ

 

ラファに魅せられたコースディレクターの想い

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Photo:Atsushi Tanno

 

今回のコースをプロデュースした藤野さんはこう語る

「寝る前にグーグルマップを見るんです。そうすると”ああ、ここは走れるんじゃないかな?”と思うルートを見つけて、後日実際に走れるのか調べます。当たり外れはあるのですが、地域の生活感を感じてもらえたり、グラベルや林道など冒険心をかきたてられるようなルートをいつも探しています。自転車で走る喜び、ここ入ったらこの場所に抜けられるんだ! という驚きと喜びを感じてほしいなと思って設定したコースです。

自転車を始めたのは7年前、きっかけはダイエットでした。ずっと一人で走っていたのですがラファのイベントに出会い、その世界観に触れて一人で走るのもいいし、仲間と走るのもまた楽しいと感じました。田舎なので、途中で手を振ってもらえたり、お茶をいただくこともあったり。

今回は、そんな経験を共有できるようなコース設定をしました。ロードバイクでこんなところを走れるのか! という驚きを持って帰ってほしいと思います。国東半島はまだまだいろいろなパターンの道があります。他のルートを走りに、また国東半島に帰ってきてもらえればうれしいです。多様性、神仏習合、六郷満山文化を垣間見て、感じて走ってもらえると思います」

 

 

【オンラインイベント】ラファと仁王輪道から繋がるコミュニティ

このイベントの模様を振り返るオンラインイベントが企画された。当日参加したライダーも、そうでないライダーもこのイベントで仁王輪道の雰囲気を感じてほしい。
同じ大分県に住むサイクリスト同志の出会があり、地域のコミュニティ醸成に繋げていくために開催されたソーシャルライド。ラファキャラバン仁王輪道を振り返りながら、その後の変化や未来を語るオンライントークイベントが開催される

トークイベント『ラファと仁王輪道から繋がるコミュニティ』

【開催日】2021年3月25日(木)19:00 〜 20:30

【登壇者】

藤野 昌宏 (Oita Cycle Tour – Ring -)
竹林 謙 (仁王輪道プロデュース ツナガル)
寺田 豪淳(両子寺住職)
合田 光宏(Rapha)
【申し込み】ラファキャラバン2021ホームページへ