【URL保存版】プロが教える!失敗しないタイヤ&チューブ交換のコツ

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【URL保存版】プロが教える!失敗しないタイヤ&チューブ交換のコツ

ロードバイクに乗っている人は、ライド中のパンク修理のためにも、タイヤ&チューブをつけ外ししたり、交換する技術は必須だ。

ところが「1/2の確率でチューブに穴を空けてしまう!」「ホイール・タイヤ・チューブを傷つけにくいので、タイヤレバーを使わないで素手ではめた方が望ましいのは分かっているけど、どうしてもうまくいかない!」という人も結構いるのではないだろうか。

そこで、今回は専門学校でも教鞭を振るうプロメカニックに、失敗しないで行うコツを教えてもらおう。

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動画も見ると:27分

タイヤを素手で外す方法/手順1 チューブの空気を全部抜く

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今回のゲスト・濱中康輝さん

今回レクチャーしてもらうのは、東京サイクルデザイン専門学校およびSBMの講師も務め、MTBプロライダー・池田祐樹選手のメカニックも務める、”プロの中のプロ”、自転車コーキ屋店長の濱中康輝(はまなか こうき)さんだ。

初めに、最も安全で確実な素手でタイヤ&チューブ交換する方法を教えてもらう。

まず、【A】の写真のようにしっかりと空気を全部抜く。抜いた後はバルブを締め(写真【B】)、チューブの中に空気が再度入ってしまわないようにする。空気が入るとタイヤがきつくなり、外しにくくなってしまう。

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【A】バルブを開けて空気を全部しっかりと抜いてしまう

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【B】空気を抜いたら、バルブを締めて空気の逆流を防ぐ

タイヤを素手で外す方法/手順2 ビードをリム内側に落とす

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手で押してビードをリムから外していく

次にタイヤのビードをリムの内側に落としていく。10〜15cmずつの間隔で手で奥へ押すようにすると、バコッバコッと外れていく。一周全てやったら、今度は反対側も同じように一周外す。これをやっておかないと、いざタイヤを外すときに、きつくて外すことができない。

タイヤを素手で外す方法/手順3 タイヤビードの片側をリムの外へ

全体のビードを外したら、次にタイヤを外していく。左下写真のように、バルブの反対側から始めると外しやすい。

最初に、タイヤの側面を右下写真のように指でつまむ。

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バルブの正反対となる部分からタイヤ外し作業を始めると良い

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タイヤ側面(サイドウォール)を指でしっかりとつまむ

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①両手でつまみ上に引き上げる ②手前に引き、ビードがリムをまたぐようにする

5〜7cm程度の幅で両手でしっかりとつまみ、そこからグッと上に引き上げてから手前に引き、ビードがリムをまたぐようにするとタイヤが外れてくれる。

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①既に外れている部分を片方の手でしっかり押さえつつ、②外れていない部分(指差しした部分)を外す

タイヤの一部が外れたら、片方の手でしっかりと押さえておきつつ(押さえておかないとタイヤがまたはまってしまう)、もう片方の手で隣の外れていない部分を同じ要領で外す。これを繰り返していく。

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1/4外れたら、指で外方向に引っ張るようにしてずらすと一周一気に外れる

1/4ほど外すと、後は写真のように指を入れて、外方向に引っ張るようにしてスライドさせれば一気に外れてくれる。

タイヤを素手で外す方法/手順4 タイヤをチューブごと全部外す

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タイヤをチューブごとつまみ、タイヤビードを外した側の下方向にそのまま引っ張るとタイヤとチューブが一発で外れる

タイヤビードの片側が全部外れたら、その外れた方向に向かってタイヤをチューブごと丸ごとつまみ、下にグイッと引っ張るとタイヤとチューブが一発で全部外れる。

ここまでを動画でもチェック!

タイヤを素手ではめる方法/手順1 タイビードの片側をはめる

続いてタイヤをはめる方法だ。引き続き、最も安全で確実な素手での方法をまずレクチャーしてもらおう。

はじめに、タイヤの進行方向指定(ローテーション)の有無を確認しよう。ある場合は、溝のパターンか矢印が刻印されているので、それで判断できる。ホイールが回転する方向と合わせてはめるようにしよう。ないタイヤもあり、その場合ははめる向きは関係ない。

はめるときは、写真のようにバルブ口とタイヤのロゴマークがそろうようにすると、どんなタイヤとホイールの組み合わせでも見た目を整えることができる。必ずやるべきことではないが、参考にしょう。

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このタイヤの場合は矢印の表示がある

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バルブ口とタイヤのロゴをそろえると見た目が良い

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両手を使い、タイヤの片側をホイールにはめる

次に、タイヤの片側をホイールにはめ込んでいく。ここまではすんなりといくはずだ。

タイヤを素手ではめる方法/手順2 チューブを入れる

その後、少しだけポヨッとなる程度に空気を入れた状態で、チューブをバルブ口へ入れる(下の写真【A】)。入れたら、タイヤをつまみ、チューブをまたがせるようにする(下の写真【B】)。

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【A】①チューブに少しだけ空気を入れた状態で、②バルブ口から入れていく

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【B】タイヤを手でつまんでバルブの根本部分をまたがせるようにする

続いて、チューブをリムの内側に入れていく。注意するのは、全部入れ終わった後、下の✕の写真のように”チューブがタイヤの上に乗っかっているだけ”の状態になってしまわないようにすることだ。このままタイヤをはめ込もうとすると、チューブがかみ込んでパンクの原因となってしまう。

そうならないように、チューブをしっかりと”リムの内側”に入れるようにしよう。しっかりとチューブがリムの内側に入ると、下の◯の写真のように、チューブがリムから見えない状態になる。

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“チューブがタイヤに乗っかっているだけ”の状態

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チューブがしっかりとリムの内側に入っている状態

タイヤを素手ではめる方法/手順3 タイヤを全部はめ込んでいく

ここまで来たら、いよいよ完全にタイヤをはめ込んでいく。

まず、はめる前にバルブを上に押し込み、バルブの根本がタイヤの中にすっぽりと入るように逃してやる(下の【A】の写真)。ここがタイヤとかみ込みやすいので、事前にこれをやっておくとトラブルがないのだ。

続いて、15cm程度の間隔で、タイヤをリムにはめていく。最初は少ない力ではめていけるはずだ。このときのコツは、右下の【B】写真のように片方の手で抑えつつ、もう一方の手でタイヤを上に押し上げるようにすることだ。

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【A】バルブを上に押し、その根本部分がタイヤ内部に収まるようにする

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【B】①片方の手でタイヤを抑えつつ、②もう片方の手でタイヤを上に押してやる

コツコツとはめ込んでいくと、最後の30〜40cm程度が固くなる。ここからもうひと工夫が必要だ。

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タイヤをはめ込んでいくと、最後の30〜40cm(指で示したあたり)が固くなる

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なお、タイヤをはめ込んでいき、最後に残る部分は、ホイールのどこに来ても問題ない

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タイヤの両側から手でつまんで、中に向かって押してやる

タイヤの最後の部分をはめるために、既にはまっている部分を両側からつまみ中に押す。するとタイヤのビードがよりリムの内側に落ち、タイヤに余裕が生まれる。

ここまで来たら最後の関門だ。写真のように、今度は指だけでなく手の腹の部分も使い、より力を込めてグッと上に押し上げる。そこから、もう片方の指でビードをリムの内側に押し込む。これをじっくり繰り返して完全にタイヤをはめ込むのだ。

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指だけでなく、手の腹の部分(手で示している部分)も全て動員する

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①力を込めて押し上げ、②もう片方の指でビードをリム内部に押し込む

タイヤがはまったら必ずやっておくべきこと!

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チューブがタイヤからはみ出していなければ空気を入れてOK

「やった! タイヤがはまったぞ! 空気を入れよう!」と気が焦りがちだが、ちょっと待ってほしい。必ず最後に点検すべきことがある。チューブがタイヤからはみ出している部分がないかどうかだ。

タイヤを両側からつまんでみて、チューブがはみ出していないかを確認しよう。○の写真のように全周両サイドがなっていればOKだ。一方、これは極端な例だが、×の写真のようにはみ出していると、空気を入れたときにチューブがかみ込み、バン!と破裂してしまう原因となる。

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チューブがはみ出していると空気を入れてはだめ!

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もしはみ出している部分があった場合は、グニュグニュと手でもみ込み、チューブを中に入れてあげる

ここまでやったら、空気を規定値の範囲で入れ、タイヤ&チューブ交換は完了だ!

チューブレス/チューブレスレディ対応ホイールの場合の注意点

もう一つ注意点がある。もしあなたが使っているホイールが、チューブレス/チューブレスレディ対応の場合、空気を入れていくと「パン!パン!」という音が鳴る場合がある。これは、ビードがリムにしっかりとはまり込むときに出る音で、異常ではないので慌てないことだ。

逆に、(この音が必ずしも出るとは限らないのだが)この音が出ていないとタイヤが完全にはまり切っていない可能性があることを示す。

よって、①ビードが上がる音が出るまできちんと空気を入れる(ただし、タイヤの上限空気圧を必ず守ること!)、②入れたら、タイヤ全周にわたりきちんとビードが上がっているかを目視で確認する、の2つを実施しよう。

②については、写真のようにビード間際の線がきちんと見えていればOKだ。

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ビードがきちんと上がっていると、その間際の線まできちんとリムから見えるはず

意外な盲点 ポンプを引き抜くときの注意点

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ポンプヘッドはまっすぐ下に引き抜こう。そうでないとバルブを壊すかも

バルブからポンプヘッドを抜くとき、意外にも失敗することがあるという。空気を入れた後、無理に斜めに引き抜こうとしたりするとバルブの口金をポキッと折ってしまう、ということがあるのだ。やってしまわないよう要注意。ポンプヘッドはしっかりとまっすぐ下に引き抜くようにしよう。

タイヤを素手ではめるまでを動画でもチェック!

固くてどうしても素手で無理ならタイヤレバー!

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タイヤレバーはあくまでも最後の手段だ。できれば1本で済ませたい

タイヤとホイールとの組み合わせによっては、あまりにも固くて素手で着脱が不可能な場合がある。そんなときは、”最後の手段”としてタイヤレバーを使おう。

「あくまでも最後の手段です。今回は、タイヤ・チューブ・ホイールを傷つけにくい、1本だけ使ったやり方をお教えします。2本、3本と使った場合、ホイールのスポークに引っ掛けて使うので、そこまで傷つけてしまう可能性があるんです」と濱中さん。

タイヤレバーで安全にタイヤを外す方法

まず、空気を抜き、ビードをリムから落とす作業までは同じだ。

続いて、タイヤレバーでビードをリムから外すコツだが、ポイントはタイヤレバーの先端1/3程度だけを差し込むことだ。タイヤレバーを奥までグイッと差し込みがちだが、そうするとチューブを巻き込んでパンクさせやすくなってしまう。

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タイヤレバーの先端1/3ほどだけを差し込むこと!

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タイヤレバーを手前に引き起こす

そのまま、タイヤレバーをグッと手前に引き起こす。すると、ビードがリムを乗り越えてくれる。

タイヤレバーを引き起こしたら、上から親指で引き起こした部分のタイヤを押さえる(下の写真【A】)。すると、タイヤレバーが外れ、その部分のビードも外れた状態を保てる。

そこから、すぐ隣の外れていないビード部分を、先ほどと同じ要領でタイヤレバーを使って外していく(下の写真【B】)。こうすることで、タイヤレバー1本だけで、余計なトラブルを起こす心配なく外していくことができるのだ。

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【A】外れた部分を上から指でしっかりと抑えるとタイヤレバーが外れる

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【B】外れた部分を抑えつつ、すぐ隣の外れていない部分をタイヤレバーで外す

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指でレバーが刺さっている部分をタイヤごと抑え、手前にスライドさせる

ある程度タイヤが外れると、あとはスルスルと外れる状態になるので、写真のようにしてタイヤレバーをスライドさせると、一気にタイヤ片側が外れる。

その後は、最初に説明したのと同じ方法でタイヤとチューブを外すことができる。

タイヤレバーで安全にタイヤをはめる方法

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ビードがはまっている位置(①)から3〜5cmほどのところ(②)に裏返しにしたタイヤレバーを差し込む

続いて、同じくタイヤの最後が固くてどうしても手ではまらないときに、タイヤレバーを使う方法だ。”タイヤの最後の固くてはまりにくくなる30〜
40cmまで”の手順は、先に紹介した流れと同じだ。

今度は、タイヤレバーを裏返しにして、左上写真の②の位置に差し込む。このとき、レバーの先端がリムにひっかかる程度だけ入れるのがポイントだ。やはり、レバーを奥までグッと差し込んでしまうとチューブまでかみ込んでしまい、穴を開けてしまう原因となってしまう。

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①タイヤレバーを引き起こしつつ、②もう片方の手でタイヤを上に押し上げる

次に、レバーを起こしてタイヤをはめ込む作業だ。先端を引っ掛けているリムを軸にして、グイッとレバーを引き上げる。このとき、もう片方の手を上に押し上げるようにすると、よりビードがリムを乗り越えやすくなる。

この要領で、3〜5cmずつはめていくと、タイヤが全てはまる。

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外れている部分の中央部からレバーで上げないように!

なお、やりがちなのは、左の写真のようにタイヤがはまっていない部分の中央にレバーを差し入れて一気に上げてしまおうとすることだ。このようにすると、必要以上の力が掛かり、カーボンリムの場合はリムを破損したり、またタイヤそのものを破損させることにつながりかねない。3cm〜5cmの間隔をきちんと守ってはめるようにしたい。

タイヤレバーを使った方法を動画でもチェック!

ここまでで紹介したことを参考に、自分で何回かやってみて、スムーズに、失敗することなくタイヤ&チューブが交換できるように練習してみよう!

次回は、引き続き濱中さんを講師に迎え、「公道で迅速かつ安全にパンク修理する方法」を紹介しよう。お楽しみに。

まとめ動画はこちら