ロードバイクでまっすぐふらつかずに走れてる!?

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ロードバイクで走っている人で、「後ろから見るとふらふらしているな〜」という人は結構いる。しかも、脚力のある人やベテランライダーでもそうした人をちらほら見かける。ロードバイクでふらつかず、まっすぐ走る技術は基本中の基本で、安全に速く走るには欠かせないものだ。今回はそれを習得するための方法を特集しよう。

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ポイントは“発進時”と“走行時”の安定性

今回指導をお願いするのは、「ロードバイクで平地を楽に速く長時間巡航する方法」に続き、自転車インストラクターの相川 将さんだ。

元プロロード選手で、現在はシクロパビリオン所属インストラクター/相川 将さん

「脚力のレベルにかかわらず、まっすぐ走れていないロードバイク乗りは多く見受けられます。まっすぐ走れないと無駄な距離を走ることになり、速く走るという意味で影響が大きいです。

また安全に走るという観点でも、ふらふらしていると当然ですが無用な事故・転倒を招くもとになります」と相川さん。

では、まっすぐ走るためのポイントとは?

「2つの観点があります。1つは“発進時”にふらつかないこと、2つ目は“走行時”にふらつかないことです」。

発進時にふらついている人のイメージ。決して冗談ではなく、こういう人は結構いる

では、それぞれについて教えてもらう。

発進時にふらつかないようにする

まず最初にこのポイントについて。

“けんけん走り”の練習をしましょう。

用意するものは、スニーカーや運動靴などです。さっと足が着けるように、安全のために履きます」。

用意するものはスニーカーなど。なお、ペダルはビンディングペダルのままでOKだ

「練習する場所ですが、自転車の乗り入れが禁止されておらず、公道ではない、車や人の往来がない安全な所で行ってください。では、やり方を説明します」。

自転車をまたぎ、少しペダルを踏み込める位置に足をセット

けんけん走りの方法その1

「上の写真のように、まずはバイクをまたぎ、どちらでもいいので片足をペダルに乗せて反対の足を地面に着きます。このとき、ペダルに足を乗せている方のクランクを、少しだけ踏み込める位置にセットします」。

ペダルを踏み込むと同時に反対の足で地面を蹴る

けんけん走りの方法その2

「次に、ペダルを踏み込むと同時に、もう片方の足で地面を蹴り出します」。

けんけん走りの方法その3

「上の写真のように、進みだした後ペダルに乗せている方の脚はまっすぐに伸ばし、しっかりとペダルの上に立つようにしてください。また、ペダルを踏んでいる方とは逆側の腕で、ハンドルをしっかり押しましょう」。

けんけん走りの悪い例

「逆に、上の写真のように膝が曲がっていたりハンドルをうまく押せていないと、体の連動ができなくなり、ふらつく原因となります。

後は、このペダルを少し踏み込むとともに反対側の足で地面を蹴って進むという動きを繰り返し、まっすぐ前に進んでいく練習をします。

片方の脚である程度練習したら、今度は反対側の脚で練習しましょう。ハンドルを押す腕も反対側となります」。

慣れてきたらぐるぐると回る

ぐるぐる回るけんけん走り

「慣れてきてある程度まっすぐけんけん走りが両方の脚でできるようになったら、ぐるぐると回りながらやってみましょう。これも、右足・左足の両方で行ってください。ただし、場所と安全には十分に気をつけてください」。

目安の練習時間

けんけん走りをする目安の練習時間は?

体と車体が安定しているという感覚がつかめるまで、こつこつとやってみてください。隙間時間で気軽に取り組むことができるので、初心者からある程度ロードバイク経験年数がある人まで、誰にでもお勧めできる方法です」。

走行中にふらつかないようにする①〜ハンドル&サドル押し合い法

続いて、2つ目のポイントの“走行中にふらつかない”ということについて、そのための練習法を教えてもらう。

「走行中にふらついてしまう大きな原因として、“ハンドルをしっかりと押さえられていない”ことが挙げられます。

良くある例として、ハンドルにもたれ掛かるようなフォームになっており、前荷重・ハンドル荷重になりすぎていることによって、ハンドルを抑えられなくなっているパターンがあります」。

前荷重になりすぎハンドルを押さえられない例

「逆に、サドルの後ろ側に座りすぎてしまうと後ろ荷重になってしまい、ハンドルへの荷重が抜けてしまいます。これもよくあるハンドルの押さえが効かなくなる例です」。

後ろ荷重になりすぎ、ハンドルの押さえが効かなくなる例

まずは“バイクの中心に乗る”

「ハンドルをしっかりと押さえられるようにするための練習に入る前に、まずは前荷重になりすぎず、後ろ荷重にもなりすぎない、ちょうど良いポイントを見つけてください“バイクの中心に乗る”などと表現されます(詳しくは、「ロードバイクで平地を速く楽に長時間走る方法」の記事を参照しよう)」。

バイクの中心に乗る

ハンドルとサドルを均等に押し合う

「バイクの中心に乗るポイントが見つかったら、片方の足を台の上に着いたりしつつ、ハンドルとサドルを均等に押し合い、意識付けをします。こうすることによって、ハンドルをまっすぐに保つための意識が養われます」。

ハンドルとサドルを均等に押し合う意識付け法

「このとき、ハンドルと前輪がまっすぐ前を向くように注意してください」。

ハンドルとサドルを押し合う意識付け法の注意点

目安時間と実施タイミングは?

「この意識付け法を行う目安時間としては、1〜2分くらいです。タイミングととしては、ライドに出かける前とライド中に一旦止まって休憩をしているときなどです。都度、意識付け・ハンドルをちゃんと抑えられているか確認の意味でやるようにしましょう」。

走行中にふらつかないようにする②〜車体と体をまっすぐに立てる練習法

「もう一つ、走行中にふらつかないようにする練習としてやってほしいのは、車体と体をまっすぐ立てることです」。

車体と体をまっすぐに立てる練習法

「やり方は、まずサドルにまたがり、両足で地面に爪先立ちします。このとき、車体と体をまっすぐに立てた状態にしてください。その後、両足を地面からぱっと離して、できる限り車体をまっすぐにキープしてください。1秒も保てれば上出来です。

なお、これもこれまで紹介した練習法と同じように、安全で自転車乗り入れ禁止じゃない場所で行いましょう」。

実施タイミングや量の目安は?

ライドに出かける前に、数回でいいのでやってみてください。ライド途中の休憩中に入れてもいいでしょう。これも誰でも短時間でできる練習法です」。

自分の走りを客観的にチェックしてみては?

最後に編集部から一言。なかなか自分自身がまっすぐ走れているかどうかは分からないものだ。また、自分ではちゃんとまっすぐ走れているつもりでも、誰かに後ろについて見てもらうと(※ただし、安全な車間距離は必ず保ってください)、結構ふらついていた、という人も多いと思う。

そこで、例えば誰かに後ろから見てもらう、車載カメラをハンドルやサドルの下に取り付けてふらついていないか映像でチェックする、といった客観的に自分の走りをチェックすることが大切ではないだろうか。

安全に、そして速く走れるようになるために、ぜひ今一度自分がまっすぐ走れているか見つめ直し、今回紹介した練習法に取り組んでみよう。