ビクシズのドリアーノ・デローザ来日レポート

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ビクシズのドリアーノ・デローザ来日レポート

https://www.cyclesports.jpBIXXIS(ビクシズ)のフレームビルダーであるドリアーノ・デローザは、イタリアの伝説的な自転車職人ウーゴ・デローザを父に持ち、自身も世界で有数のタレントビルダーとして知られ、とりわけチタン素材におけるフレーム作りでは第一人者として知られている。そんな名匠が初来日し、「2019ハンドメイドバイシクル展」に参加した。

初来日のレジェンドビルダーに会いに多くのファンが足を運ぶ

国内外の自転車職人を招き、その匠の技の共演が毎年好評の展示会「2019 ハンドメイドバイシクル展」が、東京都大田区の東京流通センターで、2月23、24日の2日間で開催された。過去最高の3233人が来場したこのイベントで、ひときわ賑わいを見せたのがイタリアのハンドメイドバイクブランド「BIXXIS(ビクシズ)」のブースだ。

ビクシズのフレームビルダーであるドリアーノ・デローザはイタリアの伝説的な自転車職人ウーゴ・デローザを父に持ち、自身も世界で有数のタレントビルダーとして知られ、とりわけチタン素材におけるフレーム作りでは第一人者として知られている。44年に及ぶキャリアを通じて、これまでに日本のユーザーにも数多くのフレームを製作しており、偉大な父を彷彿とさせる、ものづくりに真摯に打ち込むその職人性や真面目な人柄から、日本のサイクリストの間にもファンが多い。そんな名匠フレームビルダーが初来日し、同イベントに参加するとあって、大勢のサイクリストが彼を目当てに会場に足を運んだ。

ドリアーノ・デローザのトークショーが始まると、会場は立ち見も大勢出るほどの満員となった。ビクシズにおけるものづくりへのこだわりや、最も尊敬するビルダーとして父ウーゴの名を上げ「父に似ていると言われることは私にとってこれ以上なく光栄なこと。フレームビルダーとしても、人間としても彼のような生き方をしたい」等、言葉を選び、そこに魂を込めるかのようにゆっくりと話すドリアーノに観客は熱い視線と強い関心を向け、彼の登壇と退場の際は大きな拍手を送った。

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トークショーは立ち見も大勢出るほどの盛況だった

レセプションパーティーで日本のBIXXISオーナーやファンと触れ合う

2月23日の夜には来日記念レセプションパーティーが渋谷のサイクルカフェ&ダイニング「TORQUE(トルク)」で開催された。ビクシズの日本国内輸入元ビクシズジャパンが主催するこのイベントには、ビクシズのオーナーやファン、自転車業界の関係者およそ50人が集った。

パーティーはビクシズ代表の静観篤(しずみ あつし)氏の運営・司会進行で始められた。静観氏は、「イタリアのドリアーノ・デローザ、マルティーナと日本のサイクリストが繋がり、絆が生まれる橋渡しをしたい」と述べた。
会場には10台のビクシズが展示され、それぞれがオリジナルのカラーを身にまとっている。これらクロモリの「PRIMA(プリマ)」とチタンの「PATHOS(パトス)」は全て参加したオーナー達のバイクだ。彼らはオーダー時に行うテレビ電話を使った対話をきっかけに、作り手のドリアーノ、マルティーナと知り合い、その後もネットを通じて繋がっている。初来日するドリアーノとマルティーナの二人に実際に会えるこの機会に、彼らがユーザーを知り、思いを込めて製作して送り出したビクシズとともに対面をしたいと、愛車を持参してパーティーに駆け付けた。
オーナーたちの嬉しい配慮に、ドリアーノとマルティーナは、「一台一台のバイクに思い入れがある。その時の苦労や、オーナーの手に渡った喜びなどの情景が甦ってとても嬉しい」と感謝の意を述べた。
パーティーは参加者とドリアーノ、マルティーナが触れ合う和やかな雰囲気のなかで行われた。既にフレームを注文したユーザーが、完成したフレームを二人から直接手渡しで受け取るなど、ビクシズの仲間に新たに加わるオーナーには特別なプレゼントで、忘れられない思い出となったことだろう。

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ケルビム・今野真一氏とドリアーノの貴重な2ショット

パーティーには特別ゲストとしてケルビム(今野製作所)の今野真一氏が招待されていた。今野氏とドリアーノ・デローザは共にNAHBSに出展の機会に交流のある仲で、ドリアーノ来日に際し、サイクルスポーツ本誌による二人の対談インタビューが行われたたほか、これに先立って今野氏がイタリアのビクシズ工房を訪問する等、NAHBS受賞歴のある日伊の両雄ビルダーがより親交を深める貴重な機会となった。

ドリアーノはパーティー冒頭の挨拶でも今野氏への感謝の言葉を述べていた。ビクシズ工房を訪問した今野氏がその体験を参加者を前に話すほか、二人のビルダーが司会者や参加者からの質問に答えて即興でのトークショーに応じるなど、パーティー半ばのバラエティ企画としてとしてこのパーティを彩った。とりわけ、ドリアーノ・デローザ、今野真一氏の両雄ビルダーがそれぞれのNAHBS受賞歴のあるバイクを手に並ぶと、なかなかお目にかかれない貴重なショットをおさめようと、パーティー参加者の皆が我先にとカメラ、スマートフォンを手に群がり、会場のボルテージが一気に上がっていた。

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カペルミュール特製BIXXISジャージ発表

今回の来日パーティーは株式会社WAVEONE(ウエイブワン)のオリジナルブランドKAPELMUUR(カペルミュール)が協賛し、参加者へのお土産として、ビクシズ カペルミュールダブルログ入りオリジナルサコッシュが用意されたほか、渋谷にあるカペルミュールCOCOTI(ココチ)店の緒方店長より、同社がサプライズで準備したビクシズオリジナルジャージがお披露目され、ドリアーノとマルティーナに贈呈された。
同店のチーフメカニックを務める殿村秀典氏は無類のイタリアンバイク好きとして知られ、カペルミュールココチ店でも早くからビクシズを取り扱う他、多方面でビクシズをサポートしている。
今回発表されたカペルミュール特製ビクシズジャージは今後、同店でビクシズを購入した人にもれなくプレゼントされるという嬉しいニュースもつけ加えられた。

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レセプションパーティーはウエアブランドのカペルミュールが協賛し、参加者にはBIXXISとKAPELMUURダブルロゴ入り特製サコッシュのお土産が進呈された

キャリア44年目にして初めて日本に訪れたドリアーノ・デローザを、大勢のファンが温かく迎え入れた。それはイタリアの偉大なフレームビルダーである父の技や精神を受け継ぐ後継者たる彼への尊敬と愛慕の念であり、長年に渡って真摯なものづくりで日本のユーザーにも多くの製品を届けてきた彼の功績の結果でもある。
「日本の皆さんのこのように歓迎され、(日本は)私たちにとって第二の故郷のようになりました。2015年に娘のマルティーナとビクシズを立ち上げてから苦労も多かったが、それらが今回報われたような気がします。これからは私たちの活動苦労だけではなく、喜びに変わっていくのだと、そう思わせてもらえる素晴らしい経験を与えてもらいました。ありがとう」とドリアーノは感謝の意を述べた。

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