本当に効果のあるロードバイク8の字練習法

目次

小さなスペースで1人で手軽に練習でき、ライディングテクニックの向上に役立つロードバイクでの8の字練習。でも、この練習はしっかりとポイントを押さえていないと、あまり効果がないと知っているだろうか? そこで、本当に効果のある8の字練習の方法について特集しよう。

動画で見たい人はこちら(記事はすぐこの下から)

3つのポイントを押さえることが大事

今回のアドバイザーは、おなじみUCIコーチでプロライダーの小笠原 崇裕さんだ。

アドバイザー/UCIコーチ・プロライダーの小笠原 崇裕さん

アドバイザー/UCIコーチ・プロライダーの小笠原 崇裕さん

8の字練習で気をつけるべきポイントとは?

「何となくやっているだけの人が多いと感じています。雑誌やYoutubeで方法が紹介されることも多いのですが、実はあんまり“どうやったらいいか”というポイントをきちんと紹介していないことが多いんです」と小笠原さん。

「その気をつけるべきポイントとは、次の3つです。

1.短い間隔で低速で行う→コーンの置き方に注意
2.目線
3.ライン取り

これらに気をつけることによって、重心の位置をより意識できたり自転車の上でバランスを取る感覚をより養えるので、8の字練習によるライディングスキル向上効果が倍増します」。

準備すること(POINT1)

では、8の字練習をするに当たっての準備について、まずは教えてもらおう。

「用意するものは2つのマーカーコーンです。インターネット通販で手軽に手に入ります」。

マーカーコーン

マーカーコーン。風で飛びにくく持ち運びもしやすい

「ボトルを2つ用意するなど、目印になるものなら何でもOKです。

続いて普通の運動靴です。バランスを崩したらすぐ地面に足をつけ、またついた場合でも足を滑らせないようにするためです」。

普通の運動靴を履こう

普通の運動靴を履こう

「ペダルはいつも装着されているロード用ビンディングペダルで問題ありません。中には踏み面が小さいモデルもありますが、その場合は安全のためにフラットペダルに交換すると良いですね」。

いつも装着しているロード用ビンディングペダルで良い

いつも装着しているロード用ビンディングペダルで良い

「次に場所選びです。

●できるだけ砂利のないアスファルトの路面
●公道ではなく、車通りのないところ
●周りに人がおらず、自転車乗車禁止ではないところ

を探しましよう。

続いて、マーカーコーンの置き方です。これが、ポイント1の“短い間隔で低速で行う”ことにつながります。

下の写真のように、まず1つ目のマーカーコーンを置いたら、自転車2台分の距離にある所に2つ目のものを置きましょう。この距離感が大切です」。

マーカーコーンの距離

マーカーコーンの距離は自転車2台分

「これより間隔が大きくなると高速になってしまって、あまり練習効果が期待できません。低速でやることで自転車を操る感覚がより磨かれるのです。

なお、マーカーコーンとマーカーコーンの間の距離はこのとおりですが、横幅については特に決まりはありません。横幅があまり取れない場所ならその場所なりに8の字練習をすれば良いですし、広いなら広いなりに練習すればOKです」。

マーカーコーンの横幅

マーカーコーンの横幅は特に決まりはない

POINT2 目線

2つ目のポイントの目線とは?

「目線を次に進みたい方向に常に送り続けることです。こうすることによってバイクが自然と傾き、行きたい方向へと進むことができます」。

視線を常に進みたい方向に送ることが大切

視線を常に進みたい方向に送ることが大切

「特に気をつけたいのはマーカーコーンを曲がっている最中で、半分ほど曲がったあたりになったら、振り向くくらいの角度でもう一方のマーカーコーンに視線を向けてください」。

マーカーコーンを曲がるときに特に気をつけたいこと

マーカーコーンを曲がるときに特に気をつけたいこと

「よくやりがちなのは、目線が下を向いてしまっていたり、近い所を見てしまっていたり、進む方向とは違う所を見てしまっていることです。これはNG。こうなっているとバイクがうまく傾かず、進みたい方向に自然とバイクを進ませにくくなってしまいます」。

悪い目線の送り方

悪い目線の送り方

確かに、言われてみるとあんまり視線を意識したことがない人が多いのではないだろうか。

POINT3 ライン取り

8の字練習にもライン取りがあるのか?

「そうです。何も考えずに回る人が多いですが、それだと自分のやりやすいようにライン取りをしてしまい、なかなかスキルの向上に結びつきません。

次に教える2つのライン取りを明確に分け、意識して行うことで、コーナリングのスキルをより効果的に磨くことができます。

1.アウトから入ってインから抜ける
2.インから入ってアウトに抜ける

アウトから入ってインから抜けるライン取り

アウトから入ってインに抜けるライン取り

インから入ってアウトに抜けるライン取り

インから入ってアウトに抜けるライン取り

●“アウト→イン”だけをやる方法
●“イン→アウト”だけをやる方法
●“アウト→イン”と“イン→アウト”を交互に一緒にやる方法

の3つがあり、それぞれバランス良くやってみましょう」。

練習時間の目安は?

いくら練習してもOKだとは思うが、1日の目安の練習時間はあるのだろうか。

「単調な練習なので、例えば30秒間で何周できるかタイムを測ってみるとか、10周を何秒でできるかやってみるとか、ゲーム性を持たせると飽きずに楽しみながら練習できます。

“今日は8の字を練習するぞ!”と気合を入れてやってしまうと飽きてしまいがちなので、こつこつとリラックスして続けていけるくらいがちょうどいいですね」。