Fumy’s eye 別府史之が見た世界 étape02

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別府史之が見た世界02

ボンジュール!

みなさんお元気ですか、別府史之です。

僕は1月序盤から続いたスペイン合宿からのトロピカル・アミッサボンゴ→エトワール・ド・ベセージュ連戦が終わり、少しほっと落ち着いてるところです。長く家を空けていたので、片付けなども色々とありますが……!

トロピカル・アミッサボンゴ 舞台はアフリカ中部、ガボン共和国

初めてのアフリカレースは楽しい経験でした。いや、実を言うと、ちょっとだけビビってたんです。だって黄熱病のワクチンを打ったから大丈夫、って思ってたら、その他にエボラ出血熱やマラリアにも注意しなきゃならないよ、って聞かされて。当然「えっ!?」ってなりますよね。

虫除けスプレーをフランスで買って。しかもアフリカに行く前から、マラリア予防薬を毎日ずっと飲み続けました。ここまでしなきゃならないのか、ってドキドキですよ。

でも、実際に行ってみたら、そんな危険はまるで感じなかった。むしろ地元の人たちは、清潔感のある暮らしをしているように見えました。みんなすごくおしゃれですし。なにより地元の人たちが僕らをすごく暖かく迎えてくれたんです。アミッサボンゴというレースを、みんな楽しみに待っていてくれた。子供もたくさん見に来てくれた。人懐っこい笑顔が印象的でした。

しかもレース会場はノリノリで。スタート地のポディウムでは、スピーカーが、なんかアフリカンな感じの独特なリズムに乗って選手を紹介してくれるんです。でも、そのスピーカーの他にもう1人、ただ「ウィ」としか言わない人がいたんですよ。スピーカーのセリフの合間に、単に「ウィ」「ウィウィ」とリズムを取る係(笑)。「えーそれが仕事なの!?」ってびっくりしちゃいました。まあポディウムの上で選手たちが踊らされたりもして、そのせいで重さに耐えきれなくなったのか、ポディウムが崩れるハプニングもあったり。

「トロ〜ピカルッ、アミッサッボンゴ〜♪」っていう愉快なテーマ曲もずっと会場でかかってて、それが頭にこびりついてます。レース終わった後もずっと口ずさんじゃってました。チームのみんなで歌いながら踊ってスナップチャットもとりました!

ただすっごく暑かった。気温は30度以上で、湿度98%とか。1日だけホテルの部屋のクーラーが壊れてて、普通に寝ているだけで汗ダラダラで。窓を明けたら蚊が入ってくるから危ないし、床に寝てみたりもしたんですけど、「サソリがいるぞ」なんて言われて。でもってルームメートの(ビニヤム・)ギルマイは、普通にすやすや寝てるんです。そこは差がでましたね。僕はさすがに「ああ、このままじゃ次の日に響く」って思って、マッサーの部屋に行ってマッサーと添い寝(笑)。

肝心なレース自体は、森の中の一本道をひたすら走ることが多かったです。意外とアップダウンが多いんです。想像してたより道はきれいでした。1日だけコースが短縮になりましたけど、カットされた部分は未舗装路で、穴だらけだったらしいです。そうそう、森……というかジャングルは、世界でも有数のゴリラの生息地なんですね。そう聞いて「ゴリラいないかな〜」なんて時々きょろきょろしてみたんですけど、残念ながら会えませんでした。

別府史之が見た世界02

チームとしては、ギルマイの勝てそうなステージで、みんなでサポートするよう動きました。特に第3ステージ。フィニッシュに10%以上の上りがあったんです。去年も同じ場所でギルマイが勝ったから、今年も狙おう、ってチームでしっかり話し合って、1人1人の役割を決めて。まずは岡(篤志)が引いて、次はナバ(ラムナス・ナヴァルダウスカス)が引いて……と。しかもナバと僕とでレース中も色々シミュレーションしながら模索しつつ、展開によって瞬時に状況も判断しつつ。

だって、レースはある意味、無法地帯だったんですよ。アフリカの選手たちは、体力が有り余っているのか、みんな疲れ知らず。ひたすらアタック、アタック、アタック。あまりのアタックの応戦で、ヨーロッパのチームはてんてこ舞いでした。かと言ってアタックにずっと付き合ってたら、体力を消耗しちゃう。何度も潰しに行けるわけじゃない。だからコントロールがすごく難しい。

そんな中、3日目は、僕らの判断が本当にうまくはまった。ああ、今までやってきたことは伊達ではなかった、経験が体に染み付いているんだな、って改めて実感しました。それにしてもギルマイは強い!力のある選手だということは事前に分かってましたけど、あの上りフィニッシュはものすごかった。2位以下を大きく引き離して、スピードがまるで違いました。最終的に区間2勝にポイント賞を持ち帰って、チームの雰囲気もすごく良かったですね。

別府史之が見た世界02

エトワール・ド・ベセージュ フランス南部ガール県で行われた5日間のステージレース

ベッセージュも大会後半、チームとしての動きがしっかりできました。なによりポジション取りがしっかりできた。周りのチームから「今年のチームはすごくまとまって前の方で走ってるけど、何があった!?」なんて言われましたよ。そりゃあ僕のようなベテランが前に行けば、みんなリスペクトして入れてくれるんです。後々べセージュ出走選手の中で僕が最年長だった……って聞いて、ああ、なるほどな〜って(笑)。

いやいや、ポジション取りの重要性は、経験上よく分かっていますから。それにポジション取りをやれる人がチームにいなければ、レース最終盤で困ることになる。若い選手とかは「集団内にいればいいじゃん」とも言うんですけど、スピードが上がってくると不利なんです。たとえばコーナーの立ち上がりを集団前方が時速50kmでこなすところ、集団が長くなると、後方は時速60kmくらい出さなきゃなくなる。パワーロスが大きい。じゃあずっと前にいればいいのかといえば、そうでもない。「タイミング」もすごく大事ですね。だから僕がチームをまとめて、固まって上がるようにしてました。

別府史之が見た世界02

ただ初日は僕らのチームは前にいられなかった。実はボトルの受け渡しがタイミング悪くて、落車と横風で分断にはまってしまった。そしたらレース後に、フレデリック(ロスタン、GM)から言われちゃいました。「おかしい、フミとかジョゼ(ゴンサルベス)のようなベテランがついていながら、なんで先頭集団に残れなかったんだ」って。で、さらに、「フミは明日逃げろ」って言われて。

だから2日目、逃げに乗りました。まだコンディションもでき上がってなかったけど、誰かしら逃げに乗らなきゃいけなかったし、自分もやっぱり行くべきだ、って思って。テレビにも長時間写ったし、新しいチーム名やジャージのいいアピールにはなったかなと。

別府史之が見た世界02

別府史之が見た世界02

海外の雑誌にも僕の記事が載りました。なんと5ページの大特集!!

みんなからの質問に、フミの答えは?

さて、いくつか質問もいただきました。ありがとうございます!さっそく答えていきますね。

「昨年やってしまったケガはもう大丈夫なのかな? 」(クマの肉球さん@blinker_5150)

12月の合宿で落車した後、実は20日間くらいまったく自転車に乗れませんでした。手首が痛くてハンドルが握れなかったし、膝と肘もえぐれて傷が深かった。つまり1月の合宿、アミッサ、べセージュは、僕にとっては「乗り込み」の機会でもありました。それでもアミッサで総合14位に入れて、べセージュでも逃げに乗れて、だんだん体のリズムが整ってきていますね。

ここから徐々にコンディションを上げて、ピークは3月〜5月に持ってくるつもりです。3月からベルギーのクラシック、さらにはフランスカップのワンデーレースも始まるので、そこを目標にしています。UCIポイントを獲りに行ける機会なので、がんばりどころです!

 

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「フミさんは自転車何台お持ちですか?また、ロード以外にもクロスやMTB、さらにはママチャリなども乗られるのでしょうか?」(Yusukeさん@yus_suke)

実家にはMTB2台にロード2台の計4台。フランスの家にはTTバイク2台とMTB1台とロード1台の計4台。つまり全部で8台持ってます。

ロード以外にもMTBには乗りますよ。ママチャリは乗ったことありますけど、持ってはいないですね。実はママチャリはフレームの強度が低いのか、僕があまりに一生懸命漕ぎすぎるのか、走っているうちに壊れちゃう。フレームもフォークも曲がっていく……。オランダにあるような頑丈なシティサイクルなら大丈夫。ベルギーに住んでいた時に貸してもらって、買い物に行ったことあります。荷台にカバンがついていて、そこに買ったものを入れられるから便利でした。まあ、車輪がついていれば、何でも乗りますよ。

 

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「新チームに新しいバイクには慣れましたか?」(Takt Yanoさん)

ルックのバイク自体は、エアロだし、気にいってます!まだ少しずつポジションの微調整をしている段階ですけど、限りなく完成に近いですね。基本的にどんなメーカーでも、乗って慣れる、ってのが必要です。だから時間や距離を乗り込むのが一番の近道です。乗っているうちに自分に合うポジションが自然と分かってくる。体に痛みが出なければ、それがすなわち良いポジションだと思ってます。

ただ身長や手足を伸ばすことはできないし、自転車のフレームを変えることもできない。だから自転車本体ではなく、むしろ「体が直接触れる部分」、つまりハンドルやクリート、シューズ、サドルの調整のほうが大切です。

 

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あれ、アフリカの話題が楽しくて、ちょっとたくさん話し過ぎちゃいました。実はまだまだ足りないくらいなんですけど、それはまた別の機会で。これからも、なにか素朴な疑問・質問ありましたら、気軽にメッセージ入れて下さい!

それでは、また。

 

 

別府史之

 

 

※質問やメッセージはinfo@cyclesports.jpで。メールタイトルには「Fumy’s eye」とご記入ください。またTwitterやFacebookコメント欄からの質問もお待ちしております!

 
(宮本あさか)