税込15万円切り! 初めてのロードバイクに最適な「RE6」がアンカーから登場
目次
ブリヂストンサイクルが展開するスポーツ自転車ブランドのアンカー(ANCHOR)から、意欲的なアルミロードバイク「RE6」が誕生した。快適性能や走行性の高さで好評を博している「RE8」のDNAを継承しつつ、幅広い使い方に対応できるのが特徴。最も手頃なグレードは何と15万円を切っている。エントリー層のニーズを満たす注目モデルをさっそく試乗した。
アンカー・RE6の特徴

アンカー・RE6(クラリス完成車) 写真のカラー:フロウブルー
快適性、走行性能、拡張性。エントリーユーザーが重視するこの三要素を、15万円以内で達成することを目的に開発されたのが「RE6」だ。スポーツサイクルという趣味の入口に立つビギナーは、ロードバイクによる遊び方を定めていない人が多い。そこで、さまざまな用途に対応できるよう、モデルのコンセプトは「オールロード」とされた。
フレームの素材はアルミで、カーボンの上位モデル「RE8」からカムテール形状やドロップドシートステー、ジオメトリなどを踏襲。前後のタイヤクリアランスは、タイヤチョイスの幅を広げさまざまな遊び方ができるよう40C相当とされる。フレームは4サイズが用意され、適正身長145cmから185cmまで対応。カラーリングは4種類で、いずれも稜線をモチーフとした大自然を想起させるグラフィックが印象的だ。
グレード展開は上から105、キューズ、クラリスの3種類で、いずれも1年間の盗難補償が付帯する。クラリス仕様で14万9000円という価格設定は、ビギナーに限らず非常に魅力的と言えるだろう。

ダウンチューブおよびフォークブレードの断面は、RE8譲りのカムテール形状とし、上位モデル由来の空力性能を継承。ケーブル類は組み付けや修理のしやすさを考慮してフルアウターとし、ダウンチューブのみ内装式としている

4サイズ展開のうち、最もコンパクトな390サイズ(適正身長145~158cm)でもボトルケージが2か所に取り付け可能(なお、ボトルケージの形状によっては取り付けできない場合もある)。画像のボトルの容量は620mlで、無理なく抜き差しができた

拡張性の高さもRE6の美点だ。純正アクセサリーとしてスチール製の前後フルフェンダー(7900円、タイヤサイズは32Cまで対応)や、アルミ製のリヤキャリア(7800円)を用意。画像はリヤ9速のキューズ仕様で、最も安いクラリス仕様(リヤ8速)よりもランニングコストを抑えられるのがポイントだ
アンカー・RE6のラインナップ
シマノ・クラリス完成車
●価格/14万9000円
●メインコンポ/シマノ・クラリス(2×8速、ワイヤ式ディスクブレーキ)
●ホイール/アンカーオリジナル
●タイヤ/ブリヂストン・リベルク 700×32C
●付属品/ペダル、ライト、ワイヤー錠、1年間盗難補償
シマノ・キューズ 9速 完成車
●価格/16万9000円
●メインコンポ/シマノ・キューズ(2×9速、ワイヤ式ディスクブレーキ)
●ホイール/アンカーオリジナル
●タイヤ/ブリヂストン・リベルク 700×32C
●付属品/ペダル、ライト、ワイヤー錠、1年間盗難補償
シマノ・105 機械式12速 完成車
●価格/24万9000円
●メインコンポ/シマノ・105 R7100(2×12速、油圧式ディスクブレーキ)
●ホイール/シマノ・WH-RS171
●タイヤ/エクステンザ・R2X 700×32C
●付属品/ライト、ワイヤー錠、1年間盗難補償
カラー
フロウブルー

ジオチタニウム

ミッドナイトブラック

グロウレッド

サイズ
390(145〜158cm)
430(154〜167cm)
470(163〜176cm)
510(173〜185cm)
RE6試乗インプレッション〜ロードのプリミティブな楽しさが凝縮

インプレッションライダー/自転車ジャーナリスト 大屋雄一
モーターサイクルにも造詣が深いフリーランスライター。ヒルクライム、エンデューロ、ブルベ、シクロクロス、MTBレース、ママチャリ耐久、仮装レース、バイクパッキングなど、自転車遊びを一通り経験して今に至る
今回、メインで試乗したのは、リヤ8速のクラリス仕様だ。ラインナップ中で最廉価となるグレードだが、完成車で15万円を切っているとは思えないほどに質感が高い。フレームの溶接痕は規則的に波打っていて美しく、フロウブルーと名付けられたカラーリングは深みのあるメタリック塗装が印象的だ。スポーツサイクルが初めてという人にとって、自転車に15万円もの金額を支払うのは相当に勇気がいるもの。RE6は、その対価に見合うだけの質感を有しており、十分に所有欲を満たしてくれるはずだ。
標準装着タイヤは、ブリヂストンのリベルク32C。まずは空気圧を前後とも3.5barにセットしてスタートする。ペダルを2~3回踏み下ろしてすぐに感じたのは、直進安定性の高さだ。人が歩くような微速域、具体的には時速4~5km付近でもフラつきにくく、視線を送った方向へ穏やかに旋回する。寝かせ気味のキャスター角や大きめのハンガー下がり、長めのリヤセンターなどによって、落ち着いたハンドリングを狙っているのだろう。速さが善とされるロードバイクの世界だが、これから操縦を学ぶビギナーにとっては、こうした安定性も重要だろう。
速度を徐々に上げる。時速30km付近になるとホイールやタイヤによる慣性が働くこともあってか、より安定性が増してくる。路面の凹凸を通過したり、急に横風を食らってもフラつきにくく、安心してハンドサインを出せる。この特性は荒れた路面でも有効であり、セミブロックのトレッドパターンもあってグングンと進む。
何より驚いたのは快適性の高さだ。アルミフレーム=硬いという一般的な図式が当てはまらず、非常に乗り心地が良い。路面の細かな荒れは太いタイヤが吸収し、大きめの衝撃はフレームのしなりによって緩和する、そんなイメージだ。一方で、ヘッドチューブからリヤアクスルにかけて芯が一本通ったような硬さがあり、ヒルクライムのダンシングや平地のスプリントではリズミカルに速度を上げていく。これはおそらく、ブリヂストンサイクルが長年培ってきたPROFORMAT(プロフォーマット、推進力最大化解析技術)がRE6にも息づいてるのだろう
コンポーネントはリヤ8速のクラリスだ。ギヤ間の歯数差が大きいことよりも、トップとローがワイドであることの方がビギナーには歓迎されるだろう。また、ワイヤ式のディスクブレーキについても、握り込んだ際のリニアなフィーリングという点では油圧式に軍配が上がるが、現状でも必要十分な制動力を発揮する上、ワイヤ式ゆえにSTIレバーのブラケットがスリムであるという点も見逃せない。

今回は、最上位グレードの105仕様にも試乗することができた。こちらはカセットスプロケットが12速になるだけでなく、ホイールはシマノ・WH-RS171、タイヤはエクステンザ・R2Xという具合に、走行性能に直接関わるパーツもグレードの高いものがインストールされている。
そうしたこともあり、105仕様のRE6は走り出した瞬間から別物だ。すべての入力に対する反応が軽快になるだけでなく、快適性までもが底上げされる。特に車体を左右へ振ったときの印象は、クラリス仕様との重量差が1.1kgとは思えないほどに軽い。加えて、高い旋回性と潤沢な接地感、油圧式ディスクブレーキの制動力を受け止める優れた剛性などは、純粋なロードバイクのそれに近い。そして、105のシフトタッチやブレーキフィールの上質さは、クラリス仕様との価格差(10万円)を納得させるに十分だ。

アッセンブル次第でここまで走りが変化することに驚きつつも、そのどちらも破綻を来さないフレームのポテンシャルに感心しきりだ。それだけ懐の深い設計ということだろう。RE6は初めてのスポーツサイクルにふさわしく、純正アクセサリーの追加やパーツ交換によって、さまざまな遊び方に対応できるのも魅力だ。ビギナーが真に求めるニーズを精査し、合理的なパッケージングによって最適解を導き出した戦略的モデルと言えるだろう。

















