20〜30万円台フルサス・トレイルMTB一気試乗

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20〜30万円台フルサス・トレイルMTB一気試乗

最近じわじわと人気が高まってきているMTB(マウンテンバイク)トレイルライド&グラビティライド。現在の主流は何と言ってもフルサス(フルサスペンション)だが、2024モデルでは最初の一台に最適な手に入りやすい貴重な価格帯のものがある。今回はその実力を一気試乗して試してみる!  

 

価格高騰の中、手に入れやすいモデルが存在する!

以前の記事では、税込20万円台のハードテール・トレイルバイクを一気試乗する企画をお届けした。スポーツバイク価格の高騰が続く中で、価格に対して内容が非常に充実しているものが多く、十分に最初の一台として、そして長期的な相棒として楽しめるものばかり、という結論で終わったのだった。 そして……やっぱり主流であるフルサスバイクが気になるじゃあないですか。

そこで調べてみると、このジャンルでも税込20〜30万円台の価格帯で、良さそうな(国内で手に入る)モデルが6モデルあるのだ。 「やっぱりフルサスを手に入れると、MTBで走れるフィールドの幅、遊びの幅が格段に広がるのは事実ですね。特に初級者の人が、“ハードテールだからこのコースにチャレンジするのはやめておこう”と思って制約を受けてしまうような事態がかなり少なくなります。この価格帯でそれを実現できるのか、検証するのが楽しみですね!」と、今回インプレッションライダー兼アドバイザーを務めてもらう、MTB識者で上級ライダーのSHOYAこと藤田翔也さん。

インプレライダーの藤田翔也さん

グラビティ系MTBのジャンルでは国内で最も人気のあるYouTubeチャンネル「SHOYA CHANNEL」を運営する動画クリエイター。自身もDH(現在は休止中)、エンデューロの上位で走るライダーだ。老舗スポーツバイク専門店での勤務を経て、2023年には自身のショップ「CRAFT」を静岡市内に開業した。思わず応援したくなる、有望な若手だ

 

メーカー各社に協力してもらい、何とか試乗車は4モデルかき集められた。全6モデルだから、ほぼ網羅している。  

 

GIANT STANCE 29ER 2 / ジャイアント・スタンス29ER 2〜軽量な王道的トレイルバイク

さぁ試乗していこう。評価は下り性能を中心にし、上りの軽さについてもチェックする。また、バイクの特性とコストパフォーマンスの点についても加味する。

GIANT STANCE 29ER 2

GIANT STANCE 29ER 2 ●価格/28万6000円 ●サイズ/400㎜(S)、425㎜(M) ●カラー/サテンブラックダイヤモンド ●フレーム/アルミ ●サスペンショントラベル量/前:140mm、後:125mm ●メインコンポーネント/シマノ・キューズ(10速) ●ブレーキ/シマノ・MT200(ローター径:前後180mm) ●タイヤ/前:マキシス・ミニオンDHF29×2.5、後:同・ディセクター29×2.4 ●試乗車/サイズ:M、実測重量:15.0㎏(ペダルなし)

 

下りの安定性を高めるスラックな(角度の寝た)ヘッド角、上りの効率を良くする立ち気味のシート角、下り系タイヤ、持ってみて分かるほど軽量なフレームと、現代のトレイルライドに求められる要素を詰め込んだ、王道的トレイルバイク。同じ価格・部品構成で27.5インチの「STANCE」も別でラインナップしており、そちらは体格とホイール径の好みで選びたい。

GIANT STANCE 29ER 2のフォーク

フロントフォークはジャイアント自社製の「STL34」で、140mmトラベルのエアサスペンションだ。もちろん、リバウンド調整ダイヤルも搭載している

GIANT STANCE 29ER 2のリヤサスペンション

リヤサスペンションは「フレックスポイント」という、シンプルなシングルピボット構造を採用。リヤショックユニットはサンツアー製で、トラベル量は125mmとやや小さ目だ

GIANT STANCE 29ER 2のメインコンポ

メインコンポにはシマノ・キューズの10速仕様を搭載。チェーンステーには、チェーンがヒットしたときに衝撃を吸収し、音鳴りを防ぐ専用のプロテクションが施されている

 

GIANT STANCE 29ER 2インプレッション 〜求められる全ての性能を高いレベルで備える

GIANT STANCE 29ER 2を試乗するSHOYAさん

GIANT STANCE 29ER 2を試乗する編集部・大宅

サブインプレッションライダー:サイクルスポーツ編集部・大宅(オオヤ)。もともとロードバイクライダーだが、ここ数年でMTBグラビティライドにどハマりしている編集部員。初級者目線での視点を読者の皆さんにご提供

 

SHOYA:これは忖度(そんたく)なしに、本当に良かった。20万円台とは思えないくらい、あらゆる性能の平均点が高い。どこかが秀でているとかそういう話じゃなく、全部のレベルが高いです。

大宅:いやぁ、同感です。このバイクはびっくりですね。上りは4台中一番良いです。めちゃくちゃ軽やか。下りも安定感がある上にクイックで気持ちいがいい。フレームが軽くやや細身で華奢(きゃしゃ)な印象なんですが、それを見事に裏切ってくれます。

SHOYA:そう。下りについては“レースで使って速いバイク”ですよ、これ。ENS(※)で使っても速いタイムが出せると思います。それでいて接地感も高く、安定しています。バイクパークを含めて、どんなフィールドに持って行っても遊びやすいと思いますね。フルサストレイルバイクに求められるもの、全てを高いレベルで備えています。

大宅:自社製フォークとサードパーティ製のリヤショックユニットを使ってコストは抑えているのに。 

SHOYA:たしかに、付いてるパーツのグレードは高くないですが、リンクの構造とか、フレーム側の作りが非常に良いのだと思います。まぁ、この自社製フォークとサンツアーのリヤショックユニット自体は良い印象でしたよ。他のバイクのロックショックス製と遜色はありません。ただメンテナンス性がどうかは謎なので、長く使うのならそこは一つ懸念材料かなと。

大宅:とはいえ、さすがジャイアントというか、間違いがない一台です。

エンデューロナショナルシリーズのこと。日本国内では唯一のエンデューロレースシリーズで、人気急上昇中。MTBトレイルライド/グラビティライドを楽しむようになったライダーが何かイベントに参加しようと思ったらその最有力候補となる、おすすめレースだ。  

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