悩ましき、カンパニョーロ・ スーパーレコードワイヤレス 試乗 その実力、 立ち位置とは

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スーパーレコードワイヤレス

2023年5月末に発表された、カンパニョーロの最新コンポーネント「スーパーレコードワイヤレス」。その名のとおり、カンパニョーロのコンポーネントも、トレンドに倣って無線変速を手に入れた。 カンパニョーロのコンポーネントが新世代へと移行することを表現しているこの新製品について、筆者は本誌2023年8月号で「食べてもいない食事に文句を言ってはいけない」と書いた。実際に食べた(乗った)今、その評価を書く。 最初に断っておきたいのは、筆者がカンパニョーロ愛用者であるということ。同時に今回のモデルチェンジが余り悪いものであってほしくないという希望があった。 レバー

スーパーレコードワイヤレス

試乗車はデローザ・セッタンタ。このバイクのインプレは本誌2024年2月号p.16へ

まずは、製品の概要をおさらいしよう

コンポーネントを構成するエルゴパワー(手元変速レバー)と、前後の変速機の各パーツ間の通信がブルートゥースで行われる。エルゴパワーには、電源としてボタン電池を搭載。前後のディレーラーにもそれぞれバッテリーが必要となる。スラムのeタップと同じシステム構成だ。1回の充電による走行距離は約750kmから1000km程度。専用の充電ケーブルで充電を行う。油圧ディスクブレーキモデルのみの展開。リヤの変速段数は12段だ。 無線化以外に大きな変更点は2つ。エルゴパワーの形状&レバーレイアウトの変更と、ギヤ歯数構成の変更だ。これまでカンパニョーロは「ワンレバー、ワンアクション」というコンセプトの下、ブレーキ、シフトアップ、シフトダウンの各操作に一本ずつレバーを振り分けてきた。これがシマノ、スラムとの大きな違いであり、操作ミスを防ぐためのものであった。そのレバーレイアウトの変更は、既存のカンパニョーロユーザー(筆者含む)にとって、非常に大きなこと。親指で操作していたシフトレバーがなくなり、ブレーキレバーの内側に2つのスイッチがレイアウトされた。ワンレバーワンアクションというコンセプトこそ引き継がれているが、操作には慣れが必要になることは想像できたし、実際に触ってみると、“かなりの慣れ”が必要であると感じた。 ギヤ歯数構成は、リヤにトップ10Tを採用し、隣り合うギヤとの歯数差が1Tの構成が17Tまで続くクロスレシオを採用。フロントは一番大きいチェーンリングセットが50-34Tで、さらに小さい歯数が2種類ある。

デザインを大幅に刷新したエルゴパワー

実際に操作してみると、そのエルゴパワーはちょっと厳しい評価になる。ブラケットの形状は、ディスクブレーキ化されてから初めての大幅変更。今回はレバー位置の変更もあって胴の部分が長く見えるが、旧作と比べると、全体的なサイズはややコンパクトになっている。 機械式コーラスとの比較機械式コーラスとの比較 機械式コーラスとの比較

機械式コーラスとの比較

同じハンドルに取り付けたⒶスーパーレコードワイヤレスと、Ⓑ同社の機械式12速コーラス。全高、ブラケットの幅共にワイヤレスの方がコンパクトになっている。ブレーキレバーのストローク調整幅はⒶの方が大きい

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