女子Qリーグ、中学生Nリーグ2023-2024第3戦そでがうらサマーサイクルロードフェスタ・レポート
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サイクルロードレースの女子リーグ「クイーン・リーグ(Qリーグ)」、中学生リーグ「ニュー・エイジ・リーグ(Nリーグ)」の2023-2024第3戦となる「そでがうらサマーサイクルロードフェスタ」が2023年7月9日(日)、千葉県袖ケ浦市・袖ケ浦フォレストレースウェイにて開催された。
今大会は株式会社マトリックスのサイクルロードレース協会東日本が主催する毎夏の恒例レースとして人気が高い。参加人数はコロナ禍で落ち込んだものの久しぶりに800人超えとなり、多くのブース出展があり、参加者や観客はレースを夏祭り気分で楽しんでいたようだ。
会場の袖ケ浦フォレストレースウェイは、1周 2.4kmのサーキットコース。普段は車のサーキットとだが、自転車レースのコースとしてもお馴染み。周長があまり長くないので、大人から子どもまで幅広いクラスに対応できるのが魅力であるうえに、発足当時から小学生や中学生、そして女子のクラス分けがあり、この大会を目標にして臨む選手も多く、今回も中学生で30人以上、レディースも20人近いエントリーを集めた。
Qリーグは根本香織がポイントリーダーを守る
先ずは朝一番のレーススタートとなったのは120分エンデューロ。このクラスを今回、初めてQリーグの対象に設定した。
これは比較的クリテリウムなど短いレース距離と走行時間になりがちだった高校生以上女子のQリーグ対象レースを、今シーズンからはエンデューロやヒルクライムなど長めの距離や走行時間となる種目も組み入れた。短距離、耐久、ヒルクライムがあることでロードレースの重層的な醍醐味も知ってもらうとともに、さまざまな得意分野を持つ女子選手をリーグに登録してもらい、幅広い活躍を多くの方々に知ってもらうことが目的となっている。
強風と暑さに悩まされながら、男子選手に混ざり走る根本(中央のアメジストジャージ)photo:gg_kasai
120分エンデューロは男子が300人近く、女子も30人近い選手がスタートラインにずらりと並び、今レースのホストチームであるプロ自転車チーム「マトリックスパワータグ」の選手達と集合写真を撮影、盛り上がったところで朝8時に同時スタート。
朝から快晴で非常に気温が高いこと、朝一番のレースということもあり、先ずはスローに大きな集団で展開していくが、徐々に集団全体のペースが上がっていきメイン集団の人数も削られていった。
このような男女混走のなかで、現在 Qリーグポイントリーダーである根本香織(Team一匹狼)が、非常に風が強く気温がどんどん上がるなか周回を重ねていった。そして無事に完走しポイント獲得。リーダーの座を守った。
ポイントリーダー授与式では「普段、Qリーグでは短いレースの設定が多かったのですが、今回は初めての 120分(エンデューロ)は初めてで、先ずは完走を目指して!という感じで頑張りました。Qリーグ(シリーズ戦)を通していろんなレースに出られます。この後は『あぶくま洞ヒルクライム』なので上りレースになりますが、次もリーダーを守りたいので頑張りたいと思います!」とコメント。
Nリーグ女子NWは岡田愛裕來が初めてバトルマリンジャージ獲得
昼12時からは中学生Nリーグの女子NW対象のレディースレースがスタート。こちらには約20人がエントリー。
残念ながら、この時点でNリーグNWポイントリーダーである小田島寛奈(#1-PRIMERA-)はエントリーをしていなかったものの、昨シーズンの総合 Nリーグ NWポイントリーダー西山千智(High Ambitionアカデミー)、そして岡田愛裕來(ブラウ・ブリッツエン U15)、桐田恵菜という Nリーグ登録メンバーもスタートに立った。
全4周回=9.6kmのレースは、午前から続く強風の影響もあり最初は大きな集団1つのまま。しかし2周回目を前にしてスピードアップし、 Nリーグ登録選手を含む11人にまで集団は絞られる。3周目で7人が先行し、西山と桐田は残念ながら集団からドロップ。そのまま先行7人は更にスピードアップし残り1周回では、後続とのタイム差を約25秒にまで広げる。
後続から西山が単独で飛び出し、先行集団に対してブリッジを試みるもゴールまで届かず。ゴールはスプリントとなり古谷桜子(内房レーシングクラブ)が優勝。岡田は最後まで先行集団に残り6位となり、リーグポイントを大量ゲット。ランキング合計により小田島からポイントリーダーの座を奪い取った。
授与式で初めてバトルマリンジャージを着用した岡田は「ちょっと緊張します」とはにかみ笑顔。Nリーグ次戦となるJCRC legacy WR ROAD・群馬 CSCロードレースにも参戦を表明し「次も先頭集団に残りたいです!」と気合を見せた。
Nリーグ男子Nは落合隼がリーグシリーズ3連覇
さらに午後 3時過ぎからは中学生Nリーグ男子Nが対象となる中学生レースがスタート。32人のエントリーのなか、リーグのシリーズ2戦ともに優勝しポイントリーダーとなっている落合隼がバトルマリンジャージ姿でスタート前方に陣取る。
コースを5周回=12kmを走るなか、夕方近いこととスタート直前の小雨で少し気温が下がった状態ということで、スタートからアタックが何度もかかるスリリングな展開となった。
先ず 1周目を終えて追い風のホームストレートに入った時点で沼田蓮人(AVG0)、日吉悠(FASTLANERasing)、そして Nリーグ登録したばかりの柬理日楠詩(Teams FITTE)の3人がメイン集団から約 5秒の差を持って逃げている状態で通過。
しかし強風が続いているせいか向かい風のバックでメインが逃げている3人を吸収し、2周目以降は時々、単独のアタックがあるもののすぐにバックで吸収され集団が1つに戻る状態が繰り返すことに。そのなかでもポイントリーダーの落合は集団の 4番手から 5番手あたりの良い位置をキープし続けて、いよいよ最終周回へ。
残り1周で何度もアタックを試みていた大塚翔太がメインから飛び出し先行、その後ろ約10秒のタイム差で落合を含む5人が続きゴールスプリントは大塚が後ろから迫ってきた5人に飲み込まれる形に。そしてゴールラインに一番で跳び込んだのが落合!リーグシリーズ3連覇を果たした。
また前回のシリーズ戦「わたらせクリテリウム第1戦」で、良い走りを見せていたものの落車で無念を喫した成瀬謙汰が3位入賞しリベンジを果たした。
熱い闘いとは裏腹に、落合は授与式で「とてもキツかったですが、最後に逃げを捕まえて良かったです」と冷静にレースを振り返りながら、次戦の群馬ロードレースに向けて「次回も勝てるように頑張ります」と力強くコメントした。
アスリチューン賞Qリーグ(高校生以上女子)リーダー:根本 香織(Team 一匹狼)・76p
ランキング2位:蒲原 琴音(Team 一匹狼)・35p
ランキング3位:小田 恵利花(フィッツ)・28p
RxL 賞Nリーグ・N(中学生男子)リーダー:落合 隼・84p
ランキング2位:渡邉 公太(ブラウ・ブリッツエンU15)・44p
ランキング3位:小林 兼太朗(COW GUMMA)・36p
EXLUB 賞Nリーグ・NW(中学生女子)リーダー:岡田 愛裕來(ブラウ・ブリッツエンU15)・63p
ランキング2位:小田島 寛奈(#1-PRIMERA-)・56p
ランキング3位:⻄⼭ 千智(High Ambition 女子サイクリングアカデミー)・40p
※ランキングにおいて同点者が出た場合、最新のレース着順が優位の選手を上位とする。
※最終戦終了時において、同点者が出た場合は、最終戦直前のランキングで優位の選手を上位とする。
また新たなポイントリーダーも生まれ、今後も目が離せない Qリーグ、そして Nリーグに注目必須!写真左は Nリーグ中学生男子 Nリーダー落合、写真右は中学生女子 NWリーダー岡田(photo: gg_kasai)
今大会のポイントリーダー授与式では、Bioracer(ビオレーサー)より「アメジストジャージ」「バトルマリンジャージ」各リーダージャージが提供された。また、Qリーグは株式会社隼より「アスリチューン Qリーグポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生男子 Nは武田レッグウェアー株式会社より「RxLNリーグ中学生男子ポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生女子 NWはアイリス株式会社より「EXLUBNリーグ中学生女子 NWポイントリーダー賞」がそれぞれ提供され、授与された。
第5戦 群馬CSCロードレース、エントリー受付中
次のリーグシリーズ第4戦は7月17日に開催のQリーグのみ対象となる「福島復興サイクルロードレースシリーズ:あぶくま洞ヒルクライム」、そして7月30日(日)には自転車ロードレース老舗コースとなる群馬サイクルスポーツセンターを舞台に第5戦「JCRC legacy WR ROAD:群馬 CSCロードレース」が行われる。
暑い日が続きトレーニングなど調整が難しいタイミングでのヒルクライムに本格ロードレースとなるが、リーグ登録選手たちには引き続きポイントリーダーを目指して頑張ってほしい。
第5戦 JCRC legacy WR ROAD:群馬CSCロードレース、エントリー受付中。
https://walkride-cycling.info/wr-road/
Qリーグ全15戦、Nリーグ全13戦でシリーズ戦を予定している。
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/race-profile.html
Qリーグ・Nリーグの登録はこちらから。
https://moshicom.com/83733/
*各対象レース開催日の 3日前まで登録完了すればポイントランキングに反映。今後も女子とジュニアが活躍するリーグにご声援のほどよろしくお願いします!
<レポート概要>
写真撮影:gg_kasai、QNリーグ事務局
テキスト:須藤むつみ(QNリーグ事務局)
協力:株式会社マトリックス、サイクルロードレース協会東日本