ツール・ド・フランス2023 第4ステージはフィリプセンが区間連勝
第110回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月4日にダックスからノガロのポール・アルマニャック・サーキットまでの181.8kmで平坦区間の第4ステージを競い、ベルギーのヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)が2日連続で集団ゴールスプリントを制して区間連勝した。
区間2位はオーストラリアのケイレブ・ユアン(ロット・デスティニー)、3位はドイツのフィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス)だった。マイヨ・ジョーヌは英国のアダム・イェーツ(UAEチーム・エミレーツ)が守った。
ピレネー越えを控えて休息モード
第4ステージは174選手が出走。スペインのバスク地方での熱いグランデパールを終え、翌日にはピレネー山岳区間が控えている集団は休息モードになり、オフィシャルスタートから飛び出す選手はいなかった。93.6km地点の中間スプリントはフィリプセンが先頭で通過した。
ゴールまで残り86kmで、その静寂を破ったのは地元フランスのブノワ・コスヌフロワ(AG2R・シトロエン チーム)だった。彼と同じノルマンディー出身のアントニー・ドゥラプラス(チームアルケア・サムシック)が合流し、2人は”デュオ・ノルマン” で逃げ続けた。しかし、集団ゴールスプリントを狙うチームは逃げを許さず、2人はゴールまで残り25kmで吸収された。
ツールが初めて訪れたノガロは、有名なモーターサーキット内にゴールが設置されていた。ユンボ・ヴィスマが引く集団が残り3kmでサーキットに入った時、マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)が飛び出したが、逃げることはできなかった。
ゴールまで残り1.7kmで、優勝候補の1人だったヨーロッパチャンピオンのファビオ・ヤコブセン(スーダル・クイックステップ)とヤコポ・グアルニエーリ(ロット・デスティニー)が落車する事故が発生し、レースは混沌となった。
残り1kmのフラム・ルージュはブライアン・コカール(コフィディス)を連れたアレクシー・ルナール(コフィディス)が先頭で通過し、アレクサンダー・クリストフを擁するウノエクス プロサイクリングチームが前に出た後、前日同様にマテュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)がフィリプセンを牽引して先頭に立った。
フィリプセンは残り150mでスプリントを開始し、後方から追い上げてきたユアンとフィニッシュラインで一騎打ちになったが、わずかに競り勝ち、今大会2勝目を勝ち取った。彼は昨年のツール・ド・フランスで最後2回の集団ゴールスプリント(第15ステージと第21ステージ)を制していて、ツールの集団ゴールスプリントで4連勝を達成した。
今大会で区間2勝目を上げたフィリプセンはポイント賞で総合首位に立ち、初めてマイヨ・ベールに袖を通している。
■集団ゴールスプリントで連勝したフィリプセンのコメント
「(優勝が)すぐに確定して嬉しかった。ユアンはボクのすぐ横にいた。あまり自信がなかった。最後に彼はほとんど追いついて、本当に緊張した。2連続で勝った事を本当に誇らしく思っている。ゴールはとても速くて、まるでレースカーのような気分だった。道幅の広いコーナーがあったり、時には狭くなったり、非常に高速だったが、タイヤはある程度グリップしていた。
今回のツールで目標は区間1勝する事だった。我々は昨日すでにその項目にチェックを入れた。今、我々はもっと望んでいる。ポイント賞を獲得したい。それ(マイヨ・ベール)が今年のツールのターゲットになるだろう」
■第4ステージ結果
[7月4日/ダックス~ノガロ/182 km]
1. J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) 04h 25′ 28”
2. C. EWAN (LOTTO DSTNY / AUS)
3. P. BAUHAUS (BAHRAIN VICTORIOUS / GER)
4. B. COQUARD (COFIDIS / FRA)
5. M. CAVENDISH (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / GBR)
6. D. VAN POPPEL (BORA – HANSGROHE / NED)
7. A. KRISTOFF (UNO-X PRO CYCLING TEAM / NOR)
8. L. MEZGEC (TEAM JAYCO ALULA / SLO)
9. W. VAN AERT (JUMBO-VISMA / BEL)
10. M. PEDERSEN (LIDL – TREK / DEN)
■第4ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR) 18h 18′ 01”
2. T. POGAČAR (UAE TEAM EMIRATES /SLO) + 00′ 06’’
3. S. YATES (TEAM JAYCO ALULA / GBR) + 00′ 06’’
4. V. LAFAY (COFIDIS / FRA) + 00′ 12’’
5. W. VAN AERT (JUMBO-VISMA / BEL) + 00′ 16’’
6. J. VINGEGAARD (JUMBO-VISMA / DEN) + 00′ 17’’
7. J. HINDLEY (BORA – HANSGROHE / AUS) + 00′ 22”
8. M. WOODS (ISRAEL – PREMIER TECH /CAN) + 00′ 22”
9. S. JENSEN (LIDL – TREK / DEN) + 00′ 22”
10. C. RODRIGUEZ CANO (INEOS GRENADIERS / ESP) + 00′ 22”
[各賞]
■ポイント賞:J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL)
■山岳賞 : N. POWLESS (EF EDUCATION – EASYPOST / USA)
■新人賞 :T. POGAČAR (UAE TEAM EMIRATES /SLO)
■チーム成績:JUMBO-VISMA (NED)
■敢闘賞 : B. COSNEFROY (AG2R CITROEN TEAM / FRA)
第5ステージはピレネーで今年最初の山岳区間
7月5日はポーからラランスまでの162.7kmで、ピレネーを舞台に今年最初の山岳区間となる第5ステージが行われる。序盤は平坦だが、中盤に標高1540mでカテゴリー超級のスーデ峠を越え、終盤には標高1035mのマリー・ブランク峠を越えなければならない。