女子Qリーグ、中学生Nリーグ2023-2024第2戦わたらせクリテリウム・レポート

目次

サイクルロードレースの女子リーグ「クイーン・リーグ(Qリーグ)」、中学生リーグ「ニュー・エイジ・リーグ(Nリーグ)」の2023-2024第2戦となる「わたらせクリテリウム第1戦」が2023年5月27日(土)、栃木県栃木市藤岡町の藤岡渡良瀬運動公園内わたらせサイクルパークにおいて開催された。

今大会は宇都宮ブリッツェン主催で昨年からシリーズ開催がスタートした、完全クローズの「わたらせサイクルパーク」1周回=約 1.1kmを走るクリテリウムレース。2023-2024シーズン初開催となり、事前に走行コース路面に応援メッセージを書いたり、QNリーグ主催のスクール企画「スキルアップ!ロードレーススクール」を併催したりと新たなイベントも実施。

朝から穏やかな天候に恵まれた会場は出店ブースもあり賑わい、宇都宮ブリッツェンからのゲストライダーとして、小坂光選手と中村魁斗選手が参加して各クラスともレースが盛り上がった。

女子Qリーグ、中学生Nリーグ2023-2024第2戦わたらせクリテリウム

スタートを待つ、エスポワール Bの選手達(Photo:宇都宮ブリッツェン)

 

QNリーグ主催「スキルアップ!ロードレーススクール」開催

午前9時30分から開始となったレースと並行するかたちで、周回コースの内側を利用してQNリーグ主催の「スキルアップ!ロードレーススクール」も開講。自転車に乗る準備が完了してからでもできる準備運動から始め、ロードレースならではの2列走行でUターンを行いながら集団走行の注意したいポイントを指導した。

さらにロードレースでよく見られる「ボトル渡し」のコツを指導しながら、補給する側とされる側の2組に分かれて何度もスムーズに渡せるように練習。暑くなる季節に向けての補給のポイントも伝授し、最後は長いロードレースでみられる「集団で走行しながら、1本のボトルを隣で走る選手へ次々と手渡しする動き」も練習した。

昨今、日本国内のハイレベルなロードレースになると、補給などのチームサポートのために「アテンダント資格」が必要となっている。補給の練習は、アテンダント資格の取得やサポートスタッフを目指したり、どのようなサポートをしているか知りたい人のために学ぶ良い機会になるだけでなく、レース本番でサポートをスムーズに選手が受けられるコツも学べると考えている。

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女子Qリーグ、中学生Nリーグ2023-2024第2戦わたらせクリテリウム

今回も幅広い年齢層の参加者へ、集団走行での注意点や自転車操作のコツを伝授した

 

このスクールは休憩を挟みながら約2時間で実施。春から夏ぐらいの時期にかけてはロードレースに関するスクールを実施し、秋から冬にかけてはシクロクロスに関するスクールを実施する企画で、今後も広い年齢層とさまざまな自転車歴の方々に向けた、きめの細かい対応ができるスクールを続けたい。

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ボトルでの補給を実践するスクール参加者。片手での操作を強いられるのでコツを覚えてもらう

 

小田島寛奈が中学生女子・NWポイントリーダーの防衛に成功

レースは男子の各カテゴリーや、宇都宮ブリッツェンのゲストライダーが先頭を残り1周回まで35km/h未満にコントロールしたなかでのレーススタートとなる、クリテリウム経験が少なくレースに自信がない選手もチャレンジしやすい「クリテリウム MAX35」など、わたらせクリテリウムならではのクラスを午前中に開催。

その後、続いてキッズと女子ビギナー、午前の部の表彰式と進み、気温が上がって汗ばむなか、いよいよQNリーグ対象クラスのエスポワール各レースがスタートとなった。

先ずはNリーグの中学生男子(N)と女子(NW)対象のエスポワール。こちらは各クラスが、Cは小学4年生と5年生の男女、Bは小学6年生と中学1年、Aが中学2・3年生と細かく分かれており、Nリーグでは中学1年生が対象の「エスポワール B」、そして中学2・3年生が対象の「エスポワール A」の 2つに分かれるため、それぞれレース完走者にリーグポイントを付与することにした。これにより、わたらせクリテリウムでは、中学1年の Nリーグ登録選手にとってポイント獲得のチャンスとなるのだ。

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男子選手に混ざって女子選手も出走するなか、小田島はバトルマリンジャージ姿で最前列に陣取る

 

そんなチャンスとなるエスポワールBは午後1時 50分にスタート。最初の1周回はゲストライダーが先導してニュートラルで走行。その後、一回スタートラインで全員ストップして仕切り直してからスタートとするのは、わたらせクリテリウムならではの安全対策。

そのスタートライン前方に位置取っていたのは、前回「しもふさクリテリウム 5月」開幕戦の鮮烈な Nリーグ戦デビューで中学生女子・NWポイントリーダーを獲得した小田島寛奈(#1-PRIMERA-)で、初めてバトルマリンジャージを着てレースに臨んだ。

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全6周回のレースは22人でのリアルスタート後、12人ほどが先行し集団となって後続との差をつける。その集団の中には NWポイントリーダーの小田島の姿も。残り3周回で12人の先行集団から柬理日楠詩(フィッツ)、そして Nリーグの渡邉公太(ブラウブリッツエン U15)の2人が飛び出し、その動きを追う形で集団は5人にまで人数を減らす。

そのまま柬理と渡邉の2人でゴールまで逃げ切り、ゴールスプリント。これを制したのが渡邉!最後のゴール前、直線をうまくリードし、見事にスプリントを制した。そして、この2人を追っていた5人の集団は、最後2人にまで人数を減らしていたが、その中に小田島が生き残り、最後のゴールで先着。男子選手に混ざって3位入賞を決めた。

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最後の直線、後続を振り切ってゴールに向かう渡邉(ブラウブリッツエン U15)

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ゴール後に普段からチーム指導する鈴木真理氏(左)や、ゲスト田代恭崇氏(中央)から良い評価やアドバイスを得てうれしそうな渡邉

 

優勝した渡邉は「最初から積極的に動いてみた。2人になったときに相手の動きを良く見てスプリントした」と落ち着いたコメント、さらに特別ゲストの 2004年アテネ五輪代表・田代恭崇氏からも「大人顔負けの素晴らしいゴールスプリントでワクワクした!」と褒められて、とてもうれしそう。そんな彼は、今レースでリーグの最高ポイント 28Pを稼ぎ出し、一気に Nリーグランキング2位に浮上した。

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3位入賞し、中学生女子・NWポイントリーダーの防衛に成功した小田島は、EXLUB賞 Nリーグ・NW(中学生女子)リーダー授与式で「途中で(先行する)集団の人数が減っている最中に、カーブが曲がり切れなくて芝地に突っ込んでしまった。でも落車しないで済んだので、何とか追いかけて集団に復帰できてよかった」と安堵の表情。

「これからも思い切った走りで勝ちたいし、ジャージを守りたい」と意気込みをコメントした。

 

中学生Nリーグ・Nはポイントリーダーの落合隼がスプリントを制す

その次にスタートとなったのはエスポワール A。こちらもニュートラル走行の後に再びスタートラインに選手が整列。その最前列にはリーグ開幕戦「しもふさクリテリウム 5月」の中学生クラスを制し、新ポイントリーダーとなった落合隼がバトルマリンジャージ姿で控える。

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スタートを待つエスポワール Aの選手たち。こちらは男子選手のみの出走となった

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前回のシリーズ戦で初めて手にしたバトルマリンジャージを着る落合はリラックスした模様

 

午後2時15分、19人で全8周回のレースがスタート。前回の開幕戦が冷たい豪雨、から今日は朝からの好天に加えて暑くなったコンディションのなか、立ち上がりからスピードの速いレース展開に。そのためカーブのコントロールが難しい状況となり、2周回目が終了する時点で先頭集団は8人までに絞られ、このなかにはリーダー落合の姿もある。

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その後、周回を重ねるごとに先頭集団と後続集団とのタイム差が開いていき、残り3周回となったタイミングで、積極的な走りが光るNリーグ登録の井上湧心(Team BFY Racing)が集団から飛び出す。その後をすかさず追いかけたのが落合、そして小林兼太朗(COW GUMMA)ら3人。そして、残り 1周回で先頭集団が5人に再びまとまった状態で最終周回へ。

ゴール前の最終コーナーを立ち上がって、落合、井上、そして日野篤人(NOVA RACING TEAM)3人となったスプリントは、落合が制してレース優勝とともにポイントリーダー防衛も果たした。

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見ごたえのあるレース展開で会場を沸かせ、そのゴールスプリントを制したのは落合となった

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写真右;落合の走りは宇都宮ブリッツェンのゲストライダー達からも高評価を得ていた

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RxL賞 Nリーグ・N(中学生男子)リーダー授与式で落合は「今回も優勝でリーダーを守れてよかったです。次のリーグ戦まで間が開きますが、次も勝ってジャージを守りたい」とコメントした。

 

Qリーグは3位入賞の根本香織が1年ぶりにポイントリーダー獲得

最後に女子スポーツが午後2時50分にスタート。開幕戦でポイントリーダーとなった小田恵利花(フィッツ)はDNSであったものの、昨年のリーグシリーズ戦でクリテリウムなどにおいて好成績をあげポイントリーダーとなった実績のある根本香織(Team一匹狼)や、Qリーグ初代・2代目の 2年連続で総合ポイントリーダーだった廣瀬博子(サイタマサイクルプロジェクト)もスタートラインに並んだ。

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スタート直前の女子スポーツ参戦選手たち

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廣瀬と市村の 2人で抜け出し後続を離す

 

全6周回で競われたレースは、スタートまもなくして市村愛(SweetHomeEdoGawa/セマス新松.)が単独で飛び出し、2周目まで逃げていたが、その状態を黙って見ていなかったのが廣瀬。市村を捕らえてから、先頭を引き続けるかたちで周回を重ねる。

そんな2人を追いかけるのがQリーグ登録の根本、そしてチームメイトの蒲原琴音(Team一匹狼)。この展開のままゴールまで持ち込まれ、追う市村との絶妙な距離感で逃げ続けた廣瀬が優勝、根本が 3位入賞となり、約1年ぶりの Qリーグポイントリーダー獲得となった。

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レース後半を先行し続け、見事優勝をした廣瀬は大きく片手でガッツポーズ!

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女子スポーツの応援には 3代目 Qリーグ総合ポイントリーダー、現在 JBCFレースで活躍するブラウブリッツエン・岡本彩那選手も駆け付けた

 

久しぶりにアメジストジャージを獲得した根本は、アスリチューン賞 Qリーグ(高校生以上女子)リーダー授与式で「2代目リーダーだった廣瀬さんの背中を追いかけたが捕まえられなかった。でも廣瀬選手や私の走りを通じて、もっと若い女子選手達がリーグにチャレンジしてくれるように引き続き頑張ります!次の「そでがうら」では 120分エンデューロが対象レースになるので、しっかりと走ってリーダージャージをこの後も守りたいです!」と力強くコメントしてくれた。

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「廣瀬さんの積極的な走りに完敗。次回こそ勝ちます!」とリベンジを誓う根本(Team一匹狼)

 

この後のシリーズ戦は、7月9日の「そでがうらサマーサイクルロードフェスタ」まで間が開く。その間には、全日本選手権ロードレースやJBCFレースなど大きな大会が開催されるが、QリーグとNリーグはレース初挑戦から全日本選手権や JBCFなどのトップクラスに至るまでを繋ぐ階段のような存在になりたいと考えている。

QNリーグのシリーズ戦となっている対象レースの数々は、自分の可能性を試しながらコツコツと上を目指す選手たちのステップアップとなるように、大会主催者やスタッフが女子やジュニアの現況を考えて設定している。

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エスポワール Bの表彰式、台上左から 2位・柬理、優勝・渡邉、3位・小田島

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エスポワール Aの表彰式、台上左から 2位・井上、優勝・落合、3位・日野

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女子スポーツの表彰式、台上左から 2位・市村、優勝・廣瀬、3位・根本

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写真左よりQリーグ根本、Nリーグ落合、NW 小田島の各・最新ポイントリーダー

 

アスリチューン賞 Qリーグ(高校生以上女子)
リーダー:根本 香織(Team 一匹狼)・48p
ランキング2位:蒲原 琴音(Team 一匹狼)・35p
ランキング3位:小田 恵利花(フィッツ)・28p RxL賞

Nリーグ・N(中学生男子)
リーダー:落合 隼・56p
ランキング2位:渡邉 公太(ブラウ・ブリッツエンU15)・34p
ランキング3位:井上 湧心(Team BFY Racing)・32p

EXLUB賞 Nリーグ・NW(中学生女子)
リーダー:小田島 寛奈(#1-PRIMERA-)・56p
ランキング2位:岡田 愛裕來(ブラウ・ブリッツエンU15)・35p
ランキング3位:⻄⼭ 千智(High Ambition 女子サイクリングアカデミー)・20p

※ランキングにおいて同点者が出た場合、最新のレース着順が優位の選手を上位とする。

※最終戦終了時において、同点者が出た場合は、最終戦直前のランキングで優位の選手を上位とする。

 

ポイントリーダー授与式では、ビオレーサーより「アメジストジャージ」「バトルマリンジャージ」各リーダージャージが提供された。また、Qリーグは株式会社隼より「アスリチューン Qリーグポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生男子Nは武田レッグウェアー株式会社より「RxL Nリーグ中学生男子ポイントリーダー賞」、Nリーグ中学生女子NWはアイリス株式会社より「EXLUB Nリーグ中学生女子 NWポイントリーダー賞」がそれぞれ提供され、授与された。

QNリーグでは今後も、このような理解ある大会と連携し情報を交換しながらリーグ登録選手の今後のため、女子とジュニアの人口を増やしていきたい。そして、Qリーグ・Nリーグのポイントリーダーの証・アメジストジャージとバトルマリンジャージを巡る熱い戦いにご注目いただきたい。同時に「スキルアップ!スクール」活動を通して、自転車を気軽に乗りこなせるよう安全に走行するための指導も継続したい。

<レポート概要>
写真撮影:宇都宮ブリッツェン、QNリーグ事務局
テキスト:須藤むつみ(QNリーグ事務局)
協力:宇都宮ブリッツェン、わたらせサイクルパーク

「わたらせクリテリウム」公式ホームページ
https://watarase-criterium.jp/

QNリーグ企画「スキルアップ!スクール」情報
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/event-information.html

 

第3戦、第4戦エントリー受付中!

この後の第3戦は2023年7月9日(日)、千葉県袖ケ浦市・袖ヶ浦フォレストレースウェイ開催の「そでがうらサマーサイクルロードフェスタ」。
こちらは6月25日まで参加募集中です!
https://summer-sodegaura.powertag.jp/

さらに第4戦は、7月17日(月・祝)は福島県田村市・あぶくま洞で開催の「福島復興サイクルロードレースシリーズ:あぶくま洞ヒルクライム」となります。
こちらはリーグ初の「Qリーグのみ対象シリーズ」です。
さらに 7/16開催のJBCF石川ロードレースに参戦した選手は無料招待となります。
https://tour-de-fukushima.jp/abukuma/

そのほか、Qリーグ全15戦、Nリーグ全13戦で、シリーズ戦を予定しています。
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/race-profile.html

Qリーグ・Nリーグの登録はこちらから。各対象レース開催日の3日前まで登録完了すればポイントランキングに反映。
今後も女子とジュニアが活躍するリーグにご声援のほどよろしくお願いします!
https://moshicom.com/83733/