ジロ・デ・イタリア2023 第15ステージはマクナルティが初優勝

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イタリアで開催中の第106回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月21日にセレンニョからベルガモまでの195kmで山岳区間の第15ステージを競い、米国のブランドン・マクナルティ(UAEチーム・エミレーツ)が逃げ切った3選手でのゴールスプリントを制し、グランツール区間初優勝を果たした。
 

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■マクナルティが逃げ切った3選手でのゴールスプリントを制した (photo : LaPresse)

 
区間2位はアイルランドのベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)、3位はイタリアのマルコ・フリーゴ(イスラエル・プルミエテック)だった。総合リーダーのマリア・ローザはフランスのブルーノ・アルミライユ(グルパマ・FDJ)が守った。
 

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■アルミライユがマリア・ローザを守った (photo : LaPresse)

 
第15ステージは132選手が出走。スタート前はまだ雨が降っていたが、この日はイタリアを走るジロに太陽が戻ってきた。スタートしてすぐにヒーリーがアタックし、15人の逃げ集団が形成された。総合成績が最も上位だったのはエイネル・ルビオ(モビスターチーム)で、11分4秒遅れの総合18位だった。

46.4km地点のヴァリコ・ディ・ヴァルカーヴァ峠(カテゴリー1)はヒーリーが先頭で通過し、グルパマ・FDJがコントロールする集団とのタイム差は6分半になっていた。中盤に続いた2カ所のカテゴリー2の峠は、ヒーリーとルビオが先頭通過を分け合った。

最後のロンコラ・アルタ峠(カテゴリー2)に挑む前に、逃げ集団は一度ベルガモのゴール地点を通過し、集団とのタイム差はまだ6分以上あった。ここで逃げ集団からスプリンターのニッコロ・ボニファツィオ(アンテルマルシェ・シルキュス・ワンティ)がアタックし、1分差を付けてロンコラ・アルタ峠を上り始めたが、ゴールまで残り37kmで、追走グループからアタックしたフリーゴに追い抜かれてしまった。

先頭に出たフリーゴには、すぐマクナルティが合流し、残り35.7kmでヒーリーも追いついた。山頂まで残り3kmでヒーリーがアタックし、12秒差を付けて山頂を通過した。しかし、ヒーリーは下りでマクナルティに追いつかれた。さらに残り10kmでフリーゴも合流し、先頭は3人になった。
 

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■逃げの先頭を走る地元イタリアのフリーゴ (photo : LaPresse)

 
ゴールまで残り3.6kmの激坂でフリーゴは再び遅れたが、残り500mで先頭の2人に追いつき、そのまま先頭に立ってロングスプリントを試みた。しかし、サブライズは起こらず、マクナルティがスプリントを制して区間初優勝を勝ち取った。

メイン集団では、ゴールまで残り4kmの激坂で総合争いの選手たちがアタックし、マリア・ローザのアルミライユが遅れを取ってしまったが、33秒失っただけで総合首位の座を失う事はなかった。
 

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■ゴールまで残り4kmの激坂でアタックしたログリッチに付いていくマリア・ビアンカのアルメイダとトーマス (photo : LaPresse)

 
■グランツール区間初優勝を果たした25歳のマクナルティのコメント
「ものすごく嬉しい。これはここに来る自分の目標だった。区間優勝したかったが、タイムトライアルで病気になってしまった。単独でゴールしたかったが、幸運にも何とかスプリントで勝てた。この勝利がアルメイダの総合成績のために、チームのモチベーションをさらに高めてくれる事を願うよ」

■マリア・ローザを守ったアルミライユのコメント
「マリア・ローザを維持するのは難しかった。たくさんの上りがあるハードなステージで、前には(総合首位を脅かす)ルビオが居た。彼はこのマリアを取るかもしれなかったから、チームメイトたちはずっとペースを上げなければならなかった。

昨日はマリア・ローザを取るという事がどういう事なのか理解できなかったが、今日は観客の信じられないほどの声援のお陰で、それがどんなものなのか分かった。それは非常に大きく、休養日に総合首位を維持できて嬉しいよ」
 

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■北イタリアに太陽が戻ってきた (photo : LaPresse)

 
■第15ステージ結果

[5月21日/セレンニョ~ベルガモ/195 km]
1. MCNULTY Brandon (UAE TEAM EMIRATES / USA) 5:13:39
2. HEALY Ben (EF EDUCATION – EASYPOST / IRL)
3. FRIGO Marco (ISRAEL – PREMIER TECH / ITA)
4. MOLLEMA Bauke (TREK – SEGAFREDO / NED) +1:51
5. RUBIO REYES Einer Augusto (MOVISTAR TEAM / COL) +1:51
6. VELASCO Simone (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ITA) +2:26
7. PASQUALON Andrea (BAHRAIN VICTORIOUS/ ITA) +2:26
8. HUYS Laurens (INTERMARCHÉ – CIRCUS – WANTY / BEL) +3:10
9. ALBANESE Vincenzo (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA) +4:13
10. BIDARD François (COFIDIS / FRA) +4:13

13. ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +6:53
15. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +6:53
18. ROGLIC Primoz (JUMBO-VISMA / SLO) +6:53
20. LEKNESSUND Andreas (TEAM DSM / NOR) +6:53
32. ARMIRAIL Bruno (GROUPAMA – FDJ / FRA) +7:26
117. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +29:44

■第15ステージ後の総合成績(マリア・ローザ)
1. ARMIRAIL Bruno (GROUPAMA – FDJ / FRA) 61:38:06
2. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +1:08
3. ROGLIC Primoz (JUMBO-VISMA / SLO) +1:10
4. ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +1:30
5. LEKNESSUND Andreas (TEAM DSM / NOR) +1:50
6. CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +2:36
7. KÄMNA Lennard (BORA – HANSGROHE / GER) +3:02
8. DUNBAR Edward (TEAM JAYCO ALULA / IRL) +3:40
9. ARENSMAN Thymen (INEOS GRENADIERS / NED) +3:55
10. DE PLUS Lauren (INEOS GRENADIERS / BEL) +4:18
130. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +3:09:29

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):MILAN Jonathan (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):BAIS Davide (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR)
 

2度目の休養日後は最終週へ突入

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■第16ステージのコースプロフィール (MAP : RCS Sport)

 
5月22日の月曜日は2度目の休養日となり、23日からはいよいよ最終週がスタートする。休養日明けの23日には、サッビオ・キエーゼをスタートし、標高1632mでカテゴリー1のモンテ・ボンドーネ頂上にゴールする第16ステージが行われる。
 

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■スタート前に38歳の誕生日を祝ってもらったカヴェンディッシュ。彼は休養日に記者会見を行う予定だ (photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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