小石は総合トップと43秒差 ツアー・オブ・タイランド2023 第5ステージ

ツアー・オブ・タイランド2023 第5ステージは、海に近いチャンタブリまでほぼフラットの169.0km。この日は1位で通過するとボーナスタイムでマイナス3秒を獲得できるスプリントポイントが2回。JCL TEAM UKYOは、総合成績で小石祐馬の2秒後ろに控えているトレンガヌのサインバヤールの動きに細心の注意を払いながらレイモンド・クレダーのステージ優勝を狙うという作戦で挑んだ。

当日の天候は再び湿気の強い暑さ、慣れたとは言え連日の疲労が溜まっている選手たちは油断のないように入念に準備をした。

ツアー・オブ・タイランド2023 第5ステージ JCL

レースはスタートするとエスケープを狙う動きが頻発する。しかし、見通しが良くやや狭い直線路に展開を決めかねぬまま1時間を進行していく。そして、一瞬ペースが緩みプロトンが横に広がった隙を狙ってマレーシアとトレンガヌ、セントジョージの3人の選手のアタックが決まり、1分ほどのギャップを作る。

JCL TEAM UKYOとしては、この3人に47.5km地点のスプリントポイントを奪取させるのが安泰の流れであったが、残り数kmで吸収されるとプロトンが再び活性化してしまう。そして最初のスプリントポイントに姿を現したのはトレンガヌのサインバヤール。クレダーがスプリントで対抗を試みたが一歩届かず、チームにとっては痛恨のマイナス3秒を奪われてしまう。

ツアー・オブ・タイランド2023 第5ステージ JCL

さらにこの攻防が収まった直後にカウンターで3人のアタックが決まる。メンバーは連日アタックを繰り返している山岳賞ジャージを着るコリアナショナルのジャング、タイコンチネンタルのチャウチャングワング、LXサイクリングのジャング。プロトンはこれを容認すると彼らのハイスピードのリードアウトは2回目のスプリントポイント(117.5km地点)で約5分の差を広げる。

これまでリーダーチームのルージャイが先頭をコントロールしてきたが、残り50kmでの5分差にトレンガヌのジェロエンとスプリンターのテリーを擁するインドネシアがコントロールに加わる。これによりタイム差が刻々と短くなっていく展開へ一転。

しかし、先頭グループでは残り25km付近で山岳賞ジャージのジャングがアタック、協調してきた2人を捨てて独走でゴールを目指す。残り10km、苦しみあげきながらもペースを落とさない彼の走りにプロトンとの差もなかなか縮まらず、ゴールまで数分のところへ差し迫ってくる。

JCL TEAM UKYOもクレダーのためにスプリントトレインを組みレースの流れを読む。レースは残り1km、チャンタブリの市街地のテクニカルコーナーを抜けて上り基調のゴールへ現れたのはジャング、見事な逃げ切りを決めての優勝となった。

それから30秒ほどしてセントジョージのアイボリーを先頭にしてスプリントがはじまると、左手から差を詰めようと試みたクレダーは5位に沈む。クイックコーナーが連続するゴール前のレイアウトにタイミングをずらしてしまったようだ。

第5ステージはチームにとっては苦汁を味わうステージとなった。翌日はラストステージ、43秒の総合トップとの差を争う戦いは最終章を迎える。

ツアー・オブ・タイランド2023 第5ステージ JCL

クレダー選手のコメント
「以前勝ったレースだけに良い印象を持って挑みましたが、インサイドから勝った前回とは違ったラインになってしまい5位に沈んでしまいました。明日のスプリントステージはラストチャンス、頑張っていきます。」

清水監督のコメント
「スプリント力もあるサインバヤール選手の強さは知っていましたし、警戒しておりましたがマークを.い潜ってスプリントポイントを先着されてしまいました。明日もこの1秒の戦いもさることながら総合トップの43秒差をいかに奪うかというのも念頭に作戦を組みたいと思います。」

 

ツアー・オブ・タイランド2023 第5ステージ(169.0km)
Ave 41.17km/h
1. JANG Kyunggu(KOREA)4:00:29”
2. IVORY Cameron(ST.GEORGE)+00:42”
3. CARSTENSEN Lucas(ROOJAI)+00:42”
5. KREDER Reymond(JCL TEAM UKYO)+00:42”
21. KOISHI Yuma(JCL TEAM UKYO)+00:42”

個人総合成績
1. BATSAIKHAN Tegshbayar(ROOJAI)19:49:08”
2. SAINBAYAR Jambaljamts(TRENNGANU)+00:42″
3. KOISHI Yuma(JCL TEAM UKYO)+00:43”
21. PRADES Benjamin(JCL TEAM UKYO)+12:32″
23. YAMAMOTO Masaki(JCL TEAM UKYO)+12:39″

フルリザルト
https://jcl-team-ukyo.jp/news/p1259/

大会オフィシャル:
The Princess Maha Chakri Sirindhorn’s Cup Tour of Thailand

 

Tour of Thailand2023(ツアー・オブ・タイランド2023)
大会期間:2023年4月1日〜4月6日
カテゴリー:UCI 2.1
ステージ:第5ステージ(4月5日)
スタート地点:Aranyaprathet
コース:フラット169.0km
スプリントポイント:47.5km/117.5km
出場:15チーム出走79人/完走79人
JCL TEAM UKYOメンバー:小石祐馬、岡篤志、山本大喜、レイモンド・クレダー、ベンジャミ・プラデス、ネイサン・アール