ツール・ド・台湾2023（UCI2.1）第2ステージは桃園市の中心街をスタートし、台湾の西海岸沿いを南へ進行、50km地点のスプリント賞を通過したのち内陸へ標高300mの最初の山岳賞（90.4km）まで緩やかな上り基調のプロファイル。一度大きく下った後、3kmを山岳賞（101.88km）を一つ通過しながら標高438mのゴールへ上っていくレイアウト。上り区間で人数が絞られて少人数のスプリントが予想される。

しかし、各チームの動向を読みながら進む第2ステージだけに、中盤以降の展開によってはプロトンが終盤ひとつに纏まり、第1ステージと同様にスプリンターがゴール勝負で活躍するシーンも考えられる。JCL TEAM UKYOは小石祐馬と山本大喜のアタックで展開を作り、少人数スプリントの場合はベンジャミ・プラデス、大人数の場合はスプリント賞ジャージを着用するレイモント・クレダーで勝負を狙う作戦でレースに挑んだ。

この日は前夜からの荒天が残り朝から気温が低く、選手たちはウェアを着こみレースに向かった。レースがスタートすると45km地点まで続く海岸線は非常に強い追い風となり、時速65km/hで進行するプロトンの前方では動きがあっても吸収される展開が続く。

しかし、スタートして1時間が過ぎる頃、STジョージサイクリング、チャイニーズ台北、ソウルサイクリングの3人が抜け出すとプロトンはこの逃げを容認。スプリント賞も3人が獲得すると、山岳に入る終盤戦までプロトンはエスケープグループとの差を2分前後に保つ。

その後、90kmに設置された山岳賞はSTジョージサイクリングのジャックが先行し獲得。しかし、彼のペースアップでエスケープグループが分解してしまう。一方、それを追うプロトンはロットが山岳区間で牽引を開始すると大きくペースが上がり、一気に後方は振るい落とされる。スピードが高まった前方の展開に、JCL TEAM UKYOは小石と山本が反応し後手にならない状況を保つ。

レースは残り10kmを切り最後の山場へ入る地点で、単独で先行するジャックとプロトンとの差は1分半。ゴールまで間近の状況に更に追走は活性化、残り5kmでヴィクトワール広島のダイボールが抜け出すと小石が鋭く反応、これに追随する形で更にプロトンは細分化する。とうとうジャックをキャッチするとレースは最終局面へ。

最後の上りを終えた絶妙なタイミングで抜け出したのはケルンファルマのジョルディ・ロペス。彼の必死のリードをギリギリまで追走したのはプラデス。そしてそのアシストを受けたクレダーがスプリントで猛烈に車輪を詰めるも、あと一歩届かず2位でゴール。3位にはプラデスが飛び込んだ。

ゴールシーン

連日素晴らしい連携をみせるレイモント・クレダーとベンジャミ・プラデス

表彰式でイエロージャージを着用したクレダー

2日続けて2位となったクレダーはボーナスタイムを稼ぎ個人総合リーダーの証「イエロージャージ」を獲得。チームがこの日に掲げていた目標に見事に応える結果となった。

翌日の第3ステージからはクレダーを守るリーダーチームとしてJCL TEAM UKYOは戦うことになった。

クレダー選手のコメント
「優勝に届かなくて悔しい！でも、動くべき時にチームが見事に機能してくれたおかげて獲れたイエロージャージ。僕らはストロングチーム！明日からも楽しみです。」

清水監督コメント
「前日のミーティングで立てた作戦を選手たちが見事に遂行してくれました。優勝まであと一歩とはいえ、個人総合リーダー、チームランキングも1位となり良い形で実力を発揮できたと感じています。明日からも応援よろしくお願いします。」

第２ステージ結果（120.59km）
Ave 42km/h
1. LOPEZ Jordi（KERN FARMA）2:52:16”
2. KREDER Reymond（JCL TEAM UKYO）+0:00″
3. PRADES Benjamin（JCL TEAM UKYO）+0:00″
24. YAMAMOTO Masaki（JCL TEAM UKYO）+0:03“
42. KOISHI Yuma（JCL TEAM UKYO）+0:03“

個人総合成績
1. KREDER Reymond（JCL TEAM UKYO）4:39:45”
2. LOPEZ Jordi（KERN FARMA）+0:02″
3. PRADES Benjamin（JCL TEAM UKYO）+0:08″
20. YAMAMOTO Masaki（JCL TEAM UKYO）+0:15“
42. KOISHI Yuma（JCL TEAM UKYO）+0:15“ 

ツール・ド・台湾2023
期間：2023年3月12日〜3月16日
カテゴリー：UCI 2.1
ステージ：第2ステージ（2023年3月13日）
スタート地点：台北市政府
コース：山岳ステージ120.59km
出場：22チーム出走109人/完走106人
JCL TEAM UKYOメンバー：石橋 学、小石 祐馬、山本 大喜、レイモンド・クレダー、ベンジャミ・プラデス

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