2022-2023シクロクロスW杯第9戦ダブリンはヴァンアールトが優勝

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2022-2023UCIシクロクロス・ワールドカップ第9戦が、12月11日にアイルランドの首都ダブリンで初開催され、ベルギーチャンピオンのウァウト・ヴァンアールト(ユンボ・ヴィスマ)が独走で優勝し、今シーズン1勝目を上げた。
 

WB2022-2023

■ベルギーチャンピオンのヴァンアールトが初開催されたダブリンのワールドカップを制した (©SprintCycling)

 
2位には14秒遅れでワールドカップシリーズリーダーのラウレンス・スウェーク(クレラン・フリスタッズ/ベルギー)が入り、総合首位を守った。3位は17秒遅れで世界チャンピオンのトム・ピドコック(イネオス・グレナディアズ/英国)だった。

アイルランドで初めて開催されたシクロクロスのワールドカップは、時折太陽が顔を出したが、スタート時の気温は2℃で、コースにはわずかに雪が残り、泥々で滑りやすいコンディションだった。先週末にベルギーのアントワープで開催された第8戦でシーズンインしたばかりのヴァンアールトは3列目からのスタートで、レース前半はシクロクロスのリズムをまだ掴めずにいた。

ヴァンアールトは3周回に入ってすぐのピットエリアでバランスを崩し、フェンスに接触して自転車を降りるミスを犯したが、転倒はせず、すぐに先頭グループに復帰した。

この日、スタートから好調な走りを見せていたのは、ワールドカップシリーズ総合2位のエリ・イーゼルビット(パウエルスサウゼン・ビンゴール/ベルギー)だったが、彼は3周目に入って失速した。レース中盤の4周目でピドコックが加速し、ヴァンアールトが付いていったが、イーゼルビット、スウェーク、ヨーロッパチャンピオンのマイケル・ヴァントルノート(パウエルスサウゼン・ビンゴール/ベルギー)とのタイム差はわずかだった。

混戦の中、アクシデントが起きたのは5周回に入ってすぐのピットエリアだった。ピットに入らず通過しようとしたヴァンアールトの自転車のディレーラーに、ピットエリアのメカニックが使っていたボロ布が絡まってしまったのだ。彼はすぐ異変に気が付き、ピットゾーンに戻って自転車を交換した。このアクシデントでヴァンアールトは先頭グループから一時16秒遅れたが、5周回の終わりには追いつくことができた。

残り2周の6周目に、ヴァンアールトは中盤の砂地ゾーンの直前にアタックし、先頭で砂地を抜けた。彼はそのままアップダウンのある丘のエリアを全力で駆け抜け、シリーズリーダージャージを着たスウェークが単独で追走した。ヴァンアールトは2番手のスウェークに10秒差を付けて最終周回に突入し、そのままタイム差を守って今シーズン初優勝を手中に収めた。
 

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■優勝インタビューの時にプレゼント(?)された問題のボロ布を、ヴァンアールトは表彰式で掲げていた (©SprintCycling)


2022-2023UCIシクロクロス・ワールドカップ 第9戦 結果

[12月11日/ダブリン(アイルランド)/7周]
1. VAN AERT Wout (JUMBO-VISMA / BEL) 59:36
2. SWEECK Laurens (CRELAN – FRISTADS / BEL) +0:14
3. PIDCOCK Thomas (INEOS GRENADIERS / GBR) +0:17
4. VAN DER HAAR Lars (BALOISE TREK LIONS / NED) +0:19
5. VANTHOURENHOUT Michael (PAUWELS SAUZEN – BINGOAL / BEL) +0:22
6. ADAMS Jens (BEL) +0:33
7. ISERBYT Eli (PAUWELS SAUZEN – BINGOAL / BEL) +0:35
8. RONHAAR Pim (BALOISE TREK LIONS / NED) +0:37
9. VAN KESSEL Corne (TORMANS CYCLO CROSS TEAM / NED) +0:46
10. MASON Cameron (TRINITY RACING CROSS / GBR) +0:58

■第9戦までの総合成績
1. SWEECK Laurens (CRELAN – FRISTADS / BEL) 266 pts
2. ISERBYT Eli (PAUWELS SAUZEN – BINGOAL / BEL) 249 pts
3. VANTHOURENHOUT Michael (PAUWELS SAUZEN – BINGOAL / BEL) 225 pts
4. VAN DER HAAR Lars (BALOISE TREK LIONS / NED) 205 pts
5. VANDEPUTTE Niels (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) 148 pts
6. ADAMS Jens (BEL) 128 pts
7. VANDEBOSCH Toon (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) 110 pts
8. KUHN Kevin (TORMANS CYCLO CROSS TEAM / SUI) 109 pts
9. NIEUWENHUIS Joris (BALOISE TREK LIONS / NED) 93 pts
10. BAESTAENS Vincent (BEL) 86 pts

[2022-2023UCIシクロクロス・ワールドカップ全14戦日程]
■ 第1戦 :2022年10月9日 ウォータールー(米国):ISERBYT Eli (PAUWELS SAUZEN – BINGOAL)
■ 第2戦 :2022年10月16日 フェイエットヴィル・アーカンソー(米国):ISERBYT Eli (PAUWELS SAUZEN – BINGOAL)
■ 第3戦 :2022年10月23日 ターボル(チェコ):ISERBYT Eli (PAUWELS SAUZEN – BINGOAL)
■ 第4戦 :2022年10月30日 マースメヘレン(ベルギー):SWEECK Laurens (CRELAN – FRISTADS / BEL)
■ 第5戦 :2022年11月13日 ベークセ・ベルヘン/北ブラバント州(オランダ):SWEECK Laurens (CRELAN – FRISTADS / BEL)
■ 第6戦 :2022年11月20日 オーヴレイス(ベルギー):VANTHOURENHOUT Michael (PAUWELS SAUZEN – BINGOAL / BEL)
■ 第7戦 :2022年11月27日 ハルスト(オランダ):VAN DER POEL Mathieu (ALPECIN-DECEUNINCK)
■ 第8戦 :2022年12月4日 アントワープ(ベルギー):VAN DER POEL Mathieu (ALPECIN-DECEUNINCK)
■ 第9戦 :2022年12月11日 ダブリン(アイルランド):VAN AERT Wout (JUMBO-VISMA / BEL)
第10戦 :2022年12月17日 ヴァル・ディ・ソーレ(イタリア)
第11戦 :2022年12月26日 ハーブル(ベルギー)
第12戦 :2023年1月8日 ゾーンホーヴン(ベルギー)
第13戦 :2023年1月22日 ベニドルム/コスタ・ブランカ(スペイン)
第14戦 :2023年1月29日 ブザンソン(フランス)

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