女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム・レポート

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サイクルロードレースの女子リーグ「クイーン・リーグ(Qリーグ)」、中学生リーグ「ニュー・エイジ・リーグ(Nリーグ)」2022-2023シーズン第8戦:秋のしもふさクリテリウムが9月10日(土)、千葉県成田市・下総運動公園にて開催された。

女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム

photo:Takashi Saito

 

今大会主催であるマトリックスのサイクルロードレース協会東日本が運営するレースは、発足当時から女子や中学生、キッズ向けクラスが設定。さらに単独レースとしても運営されており、対象選手達が年間シリーズ戦を目標にして切磋琢磨し大会を盛り上げている。そんな大会とQNリーグはリーグ初年度から提携し、お互いに選手の育成と普及に協力している。

5月にも「春のしもふさクリテリウム」が行なわれており、このレースは秋大会としての開催。1周回約 1.5kmの常設コースであり、QリーグとNリーグ中学生女子NWは「レディースクラス」、Nリーグ中学生男子Nは「中学生クラス」と、それぞれの対象レースでリーグポイント獲得のため熱いレース展開が繰り広げられた。

女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム

女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム

当日は昼過ぎから風が強くなったが、秋晴れで絶好のコンディション。朝のクリニックには今シーズンもJBCFやJCLレースで連勝を重ねるチームMATRIX POWERTAG所属の狩野智也選手が指導し、多くの人がレース攻略レクチャーを受けてレースに備えていた。

クリニック特別講師はHamster Spinでお馴染みの福田昌弘氏がつとめ、合間に行なわれるコース試走ごとでも随時クリニックを実施する形でレース直前の対策を講じられる体制となっていた。

そして会場内にブース出展が多く賑やかなのもこの大会の特徴。QNリーグのポイントリーダー賞でもお馴染みの株式会社隼の「アスリチューン・ブース」では、レース直前や直後のケアに製品開発者でもある三上慶将氏から直接、アドバイスを受けられるのも魅力。この日も朝からさまざまなブースに多くの人が立ち寄る姿が見られた。

 

中学生男子Nリーグは宮嵜博己がポイントリーダーに

朝8時過ぎからスタートした120分エンデューロレースを終えて、最初のクラス別レースが、Nリーグ中学生男子Nが対象となる「中学生」。今回は36人がエントリーし、6周回=9㎞のレースは10時40分の定刻にスタートした。

女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム

photo:Takashi Saito

 

一斉にきれいにスタートした集団から、序盤に飛び出したのはNリーグ登録の稲葉恵人。
コントロールラインに戻ってからは再び集団に戻るも、その中でNリーグポイントリーダーの工藤健太(ブラウ・ブリッツェン U15)、ランキング上位に付く宮嵜博己(チーム BMレーシング)や成瀬謙汰(ウィンディー筑波)、井上湧心、さらにはシリーズ前戦の対象レースで優勝した宇田川瀬那(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)達が虎視淡々とお互いをマークしながらレースは進む。

女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム

Nリーグリーダーの証「バトルマリンジャージ」を着る工藤(写真左:ブラウ・ブリッツェン)も選手の動きを細かくチェック photo:Takashi Saito

 

そんなメイン集団のペースは周回ごとに上がっていき、その集団から1人、また1人とドロップアウトしていくなか、リーグのポイントランキング上位選手たちは見事に集団へ残り、最終決戦はゴールスプリントに持ち込まれた。

スプリントは序盤から動きの良かった稲葉が先行し優勝、片手を高々と上げて天を指すゴールシーンで会場が沸き立った。

そのすぐ後ろではスプリント合戦となり、4位に滑り込んだ宮嵜がリーグ2位で20ポイントを獲得。合計100ポイントでポイントリーダーの座に輝き、リーグ第3戦「第1回わたらせクリテリウム」以来となるバトルマリンジャージの獲得を果たした。

女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム

photo:Takashi Saito

女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム

Nリーグ中学生男子 Nリーダーを再び獲得し笑顔が弾ける宮嵜(チーム BMレーシング)photo:Takashi Saito

 

ポイントリーダー授与式を前にして宮嵜は「終始、バトルマリンジャージを狙いながら走っていまし ゴールスプリントでは優勝した稲葉選手が先行し、その後ろが詰まってしまったが何とか前方へ抜け出して、欲しかったリーダージャージが手に入って良かったです。次の大磯クリテでも頑張ります!」とうれしそうにコメントした。

 

女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム

レース優勝を果たした稲葉(写真左)と、そのコメントを聞きながらリーダーの座を失った苦い表情の工藤(写真中央)は、次戦でのリベンジを誓った photo:Takashi Saito

 

一方、レースで優勝を決めた稲葉は「最初から積極的に動いたのがうまくいった。最後の周で少しだけペースが緩んだ瞬間、上りが得意なのでラストの上り坂のところで自分に優位に動けたと思います。この後の大磯クリテ、あと上りの多いツール・ド・はなわでリーダーを狙っていきます」と意気込みを語ってくれた。

 

女子Qリーグは岡本彩那が首位に返り咲き

この後、キッズの年齢別クラスレースを挟んで、QリーグとNリーグ中学生女子NWが対象の「レディース」が12時06分からスタート。こちらは5周回=7.5kmで競われ、エントリーは11人。

女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム

photo:Takashi Saito

 

スタートから積極的な動きとなり、最初の1周回を終えてコントロールラインに戻った時点で、メインの集団は5人に絞られる。その中には、この時点でQリーグリーダーの岡本香織(Team一匹狼)、その岡本をランキングポイントわずか 5ポイント差で追う岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン)、昨年のQリーグ総合リーダー廣瀬博子(サイタマサイクルプロジェクト)、リーグ初年度に中学生女子で大活躍した筒井楓(SPORTSKID ZYYX)が含まれる。

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photo:Takashi Saito

 

後半もメイン集団の5人は先頭を目まぐるしく変えながら動き、最終周回のゴール少し手前で筒井と岡本が抜け出し2人のスプリントに。結果、僅差で筒井が先行して優勝。岡本は2位となったが、リーグポイント28Pを獲得し第5戦「第2回わたらせクリテリウム」以来、再びアメジストジャージを手に入れることができた。

女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム

photo:Takashi Saito

ポイントリーダー授与式で岡本は「筒井選手は速かったので積極的に動いてみましたが、ゴールスプリントで仕掛けたのが(自分のタイミングが)遅かったです。次の大磯クリテこそ優勝を狙っていきたいと思います!」と力強いコメントをくれた。

 

女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム

photo:Takashi Saito

そんな岡本をランキングポイントわずか 3ポイント差で追う根本は「若い選手の走りが良くて、付いていきながら最後のスプリントに追いつきたかったが届かなかった。次戦は勝ちます!」とリーダーに返り咲いた岡本の健闘を称えた。

 

女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム
女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム

Qリーグ、Nリーグともにリーダーに続くポイントランキング2位以降の選手の活躍にも注目して、今後のリーグ戦を楽しんでほしい photo:Takashi Saito

 

前戦の「第3回わたらせクリテリウム」に続いて、今大会のレース結果においても両リーグともに2位以降のポイント差が拮抗し、今後のシリーズ戦がますます楽しみになった。

今大会のポイントリーダー授与式においても、QNリーグ・各ポイントリーダー賞として「アメジストジャージ」「バトルマリンジャージ」の各リーダージャージ提供はビオレーサー、副賞提供は武田レッグウェアー株式会社、株式会社隼、アイリス株式会社、そしてリーグ登録選手全員に株式会社アミックグループから試供品が提供されている。

女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム

Qリーグ(高校生以上女子)リーダー:岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン)photo:Takashi Saito

女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム

Nリーグ・N(中学生男子)リーダー:宮嵜博己(チーム BMレーシング) photo:Takashi Saito

 

女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第8戦秋のしもふさクリテリウム

<写真左よりQ リーグ岡本、N リーグ宮嵜、NW 大矢の各・現ポイントリーダー>

 

Qリーグ(高校生以上女子)リーダー:岡本 彩那(ブラウ・ブリッツェン)・99p

Nリーグ・N(中学生男子)リーダー:宮嵜 博己(チームBM レーシング)・100p N

リーグ・NW(中学生女子)リーダー:大矢 彩雲(ブラウブリッツェンU15)・104p

※同点の場合、最終戦を除き最新レース上位を優位とします。

 

次戦は10/16(日)大磯クリテリウム第1戦

この後のQNリーグシリーズ第9戦は、10月16日(日)に神奈川県・大磯プリンスホテル内で開催の「大磯クリテリウム第1戦」。エントリーは10月9日(日)まで受付中。
https://walkride-cycling.info/oiso-c2022-23/

今後のQNリーグシリーズ戦レース日程も正式決定している。
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/race-profile.html

Qリーグ・Nリーグの登録はこちら。
https://gicz.jp/open/qn2223t3

 

<レポート概要>
写真撮影:Takashi Saito
QNリーグ事務局テキスト:須藤むつみ(QNリーグ事務局)
協力:サイクルロードレース協会東日本

問い合わせ先

サイクリスト国際交流協会(NPO法人 J-BRAIN)内事務局
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/