ツール・ド・フランス2020のコース発表

来年のツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)のコース発表会が、2019年10月15日にフランスの首都パリで開催された。

フランス南東部のニースで開幕する107回大会は、ほぼフランス国土の下半分を巡るユニークなレイアウトで、フランスの5つの山脈(アルプス、ピレネー、中央山塊、ボージュ、ジュラ)全てに挑む山岳コースだ。

そしてパリのシャンゼリゼ大通りへと凱旋する最終日前日には、標高1035mのラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ山頂にゴールする個人タイムトライアルが設定されている。来年のツールに個人タイムトライアルはこの一日しかない。

 

ツール・ド・フランス2020コース発表

(photo : A.S.O./Thomas Colpaert)

 

南仏ニースで開幕

ツール・ド・フランス2020コース発表

(MAP : A.S.O.)

2020年はオリンピックイヤーのため、ツールは例年よりも一週間早い6月27日にスタート。グラン・デパール(開幕地)は南仏のニースで、初日は156kmの平坦区間が設定され、スプリンターに最初のマイヨ・ジョーヌを獲得するチャンスがある。

しかし、来年のツールは第2ステージから山岳区間が設定され、標高1500m越えの峠を2つ越えなければならない。第1週はフランス南部を東から西へと移動し、週末はピレネー山脈で2日間山岳ステージが競われる。

その後、空路で中西部へと移動し、ラ・シャラント・マリティムで最初の休養日を過ごす。第2週は中央山塊のピュイ・マリー頂上ゴールとジュラ山脈のグラン・コロンビエール頂上ゴールが設定されている。

イゼールで2度目の休養日を過ごした後、最終週はアルプス山脈で3ステージを競い、最終日前日のラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ頂上ゴールの個人タイムトライアルで勝者は決まる。

107回大会にはラルプ・デュエズやツールマレーといったおなじみの頂上ゴールはないが、カテゴリーが付けられた上りは全部で29カ所あり、今年よりも1つ少ないだけだ(但し今年はコース変更で最終的には27カ所に減った)。

総距離は3470km。平坦区間は9、丘越え区間は3、山岳区間は8で、そのうち4区間が頂上ゴールだ。チームタイムトライアルはなく、個人タイムトライアルは1区間。賞金総額は230万ユーロで、そのうちの50万ユーロが個人総合優勝賞金となる。

 

 

第107回ツール・ド・フランス 全日程

6月27日(土) 第1ステージ   ニース・モワヤン・ペイ〜ニース 156 km (平坦)
6月28日(日) 第2ステージ   ニース・オ・ペイ〜ニース 187 km (山岳)
6月29日(月) 第3ステージ   ニース〜システロン 198 km (平坦)
6月30日(火) 第4ステージ   システロン〜オルシエール・メルレット 157 km (丘越え)
7月1日(水) 第5ステージ   ガップ〜プリバ 183 km (平坦)
7月2日(木) 第6ステージ   ル・テイユ〜モン・テグアル 191 km (丘越え)
7月3日(金) 第7ステージ   ミヨー〜ラボー 168 km (平坦)
7月4日(土) 第8ステージ   カゼール・シュル・ガロンヌ〜ルダンビエル 140 km (山岳)
7月5日(日) 第9ステージ   ポー〜ラランス 154 km (山岳)
7月6日(月) 休養日   ラ・シャラント・マリティム
7月7日(火) 第10ステージ   イル・ドレロン・ル・シャトー・ドレロン〜イル・ド・レ・サン・マルタン・ド・レ 170 km (平坦)
7月8日(水) 第11ステージ   シャトライヨン・プラージョ〜ポワティエ 167 km (平坦)
7月9日(木) 第12ステージ   ショビニー〜サラン・コレーズ 218 km (丘越え)
7月10日(金) 第13ステージ   シャテル・ギヨン〜ピュイ・マリー・カンタル 191 km (山岳/頂上ゴール)
7月11日(土) 第14ステージ   クレルモン・フェラン〜リヨン 197 km (平坦)
7月12日(日) 第15ステージ   リヨン〜グラン・コロンビエール 175 km (山岳/頂上ゴール)
7月13日(月) 休養日   イゼール
7月14日(火) 第16ステージ   ラ・トゥール・デュ・パン〜ビラール・ド・ラン 164 km (山岳/頂上ゴール)
7月15日(水) 第17ステージ   グルノーブル〜メリベル・コル・ド・ラ・ローズ 168 km (山岳/頂上ゴール)
7月16日(木) 第18ステージ   メリベル〜ラ・ロッシュ・シュル・フォロン 168 km (山岳)
7月17日(金) 第19ステージ   ブールカン・ブレス〜シャンパニョル 160 km (平坦)
7月18日(土) 第20ステージ   リュール〜ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ 36 km (山岳TT)
7月19日(日) 第21ステージ   マン・ラ・ジョリー〜パリ・シャンゼリゼ 122 km (平坦)
[総距離 : 3470km]

 

コース発表会に参加した選手たちのコメント

■今年のツールで総合優勝したエガン・ベルナル(チームイネオス)のコメント
「ここパリに再びいるのは特別なことだ。ボクにとってそれは常に特別になるだろう。(来年は)本当にハードなツール・ド・フランスになるだろう。チームタイムトライアルがなく、タイムトライアルがアップヒルゴールのたった1回で、異なったものになるだろう。最後の上りではたくさんの攻撃があると思うから、人々が本当に好むような異なったツールになるだろう」

 

■クリストファー・フルーム(チームイネオス)のコメント
「残酷なツールだと思う。少なくともボクが見たこの5〜6年で最も過酷だろう。それは素晴らしい。総合争いで主要なライバルたちが直接対決する機会がたくさんある。それは誰もが観たいものだ。エキサイティングなレースになるはずだ。今年と同じ水準を満たせることを願うよ。スポーツには何の保証もないものだが、ボクは持っているものを全て出すだろう」

 

■今年のツールで大活躍したジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)のコメント
「ボクはチームと一緒にコースを研究するが、すでに言えるのは近年で最も厳しいエディションの1つだということだ。南部で厳しい開幕戦の週末があり、それはタイム差を生み出すだろう。紙の上では、ボクに合ったステージがいくつかある。下見をすればもっとわかるはずだ。

今言えることは、来年は他の目標があるから、ボクは総合成績のために走らないだろうということだ。全体的にはボクが好きなコースで、沢山の新しい上りがあり、それはレースをより面白くスペクタクルなものにするが、同時により難しい。ニースでスタートするのが待ち遠しいよ」

 

 

ツール公式サイト

 

*サイスポ・ニュース:ツール・ド・フランス2019でコロンビアのベルナルが総合初優勝