ツール・ド・フランス2022でデンマークのヴィンゲゴーが総合初優勝

  • photo A.S.O./Pauline BALLET/Charly Lopez / ©SprintCycling

北欧のデンマークで開幕し、フランスで開催されていた第109回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月24日に首都パリのラ・デファンス・アレーナからシャンゼリゼ大通りまでの116kmで、最終区間の第21ステージを競い、デンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)が、25歳で総合初優勝を果たした。
 

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■デンマークのヴィンゲゴーが地元で開幕したツールで初優勝した (photo : A.S.O./Charly Lopez)

 
総合2位は3分34秒遅れでスロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)だった。総合3連覇は惜しくも逃したが、彼はまだ23歳で、3年連続で新人賞を受賞した。総合3位は8分13秒遅れで英国のゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアズ)が入り、総合優勝経験のある2人が、パリの表彰台で初優勝のヴィンゲゴーの両脇に立った。
 

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■左から総合2位のポガチャル、総合初優勝のヴィンゲゴー、総合3位のトーマス (photo : A.S.O./Charly Lopez)

 
ヴィンゲゴーが所属するオランダのユンボ・ヴィスマ(UCIワールドチーム)にとって、ツールの総合優勝は永年の悲願だった。1984年にヤン・ラースが立ち上げたチームは、長年ラボバンクとして活動し、ジロ・デ・イタリアやブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝した事はあったが、ツールの総合優勝はこれが初めてだった。
 

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■ラボバンク時代に果たせなかった悲願のツール優勝を遂に果たしたオランダのユンボ・ヴィスマ (photo : A.S.O./Pauline BALLET)

 
シャンゼリゼ区間はフィリプセンが優勝

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■シャンゼリゼ区間はフィリプセンが集団ゴールスプリントを制し、ベルギーに今大会6勝目をもたらした (©SprintCycling)

 
最終ステージは134選手が出走。カナダのマイケル・ウッズ(イスラエル・プルミエテック)は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性になり、スタートできなかった。チームメートのギヨーム・ボワヴァン(イスラエル・プルミエテック)は陰性だったが体調が優れず、スタートしなかった。

スペインのゴルカ・イサギレ(モビスターチーム)は、翌日地元バスクのレースに参加するため、最終日を棄権した。デンマークの首都コペンハーゲンを、7月1日に176選手でスタートした今年のツールは、42選手が完走できなかったが、そのうち17選手が新型コロナだった。しかし、ルール改正でチームごと撤退する事はなかった。

首都パリへと凱旋し、シャンゼリゼ大通りの周回コースで競われた最終ステージは、例年通り集団ゴールスプリントになり、ベルギーのヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)が、第15ステージに続いて今大会2勝目を上げた。ベルギー勢がツールで区間6勝を上げたのは、1985年以来だった。

2023年のツール・ド・フランスは、スペイン北部のバスク地方がグランデパール(開幕地)になる。
 

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■ツール2022年の4賞マイヨ。左からポイント賞のヴァンアールト、総合優勝のヴィンゲゴー、新人賞のポガチャル。山岳賞はヴィンゲゴーが受賞した (photo : A.S.O./Charly Lopez)

 
■ツールで総合初優勝したヴィンゲゴーのコメント
「ただ信じられない。ボクは遂にこのツールで勝ったという事だ。もう何もうまくいかない事はない。ボクは娘と一緒に座っている。一年で最大の自転車レースで、ボクは勝った。誰もボクからそれを奪い取る事はできない。いつも少なくともその勝利のために自分は戦えるという感覚はあった。でも最終的に、何か悪い事が起きない限り、オタカムは勝ったと思えた場所だった。

ボクがマイヨ・ジョーヌで走るのを見るために、とても大勢のデンマーク人がここにやって来た。とても感謝している。彼らはボクを3週間応援してくれた。ボクはお祝いのためにオランダへ行く。水曜日にはコペンハーゲンに居て、木曜日は自分が住んでいる町へ向かい、金曜日にはソファに座っている。もちろん自分の勝利には満足している。お祝いしてリラックスしたいけど、ツール・ド・フランスでもっと楽しみたい」

■シャンゼリゼ区間を制したフィリプセンのコメント
「信じられない。子供の頃の夢が叶った。実感するには時間がかかるだろう。自分のチームをとても誇りに思う。こんな風にツールを終えるのは素晴らしい。スプリントは理想的に進んだ。ボクは素晴らしい位置取りだった。フルーネウェーヘンはとても早くスプリントを開始した。ボクは彼の後方に留まる事ができて、自分が望むようにスプリントできた。美しいシャンゼリゼで勝つのは素晴らしい。我々はこのツールの序盤は失望して、望んでいたようには行かなかった。でも、第15ステージで勝ち、今はスプリンターにとって最も美しい第21ステージで勝って、信じられないよ」
 

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■チーム優勝した英国のイネオス・グレナディアズはメンバー全員が完走した (photo : A.S.O./Pauline BALLET)


■第21ステージ結果

[7月24日/パリ・ラ・デファンス・アレーナ~パリ~シャンゼリゼ/116 km]
1. JASPER PHILIPSEN (ALPECIN – DECEUNINCK / BEL) 2h 58’ 32’’
2. DYLAN GROENEWEGEN (TEAM BIKEEXCHANGE-JAYCO / NED)
3. ALEXANDER KRISTOFF (INTERMARCHE – WANTY – GOBERT MATERIAUX / NOR)
4. JASPER STUYVEN (TREK – SEGAFREDO / BEL)
5. PETER SAGAN (TOTALENERGIES / SVK)
6. JÉRÉMY LECROQ (B&B HOTELS – KTM / FRA)
7. DANNY VAN POPPEL (BORA – HANSGROHE / NED)
8. CALEB EWAN (LOTTO SOUDAL / AUS)
9. HUGO HOFSTETTER (TEAM ARKEA – SAMSIC / FRA)
10. FRED WRIGHT (BAHRAIN VICTORIOUS / GBR)
77. JONAS VINGEGAARD (JUMBO – VISMA / DEN) + 00’ 51’’

第109回ツール・ド・フランス 個人総合最終成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. JONAS VINGEGAARD (JUMBO – VISMA / DEN) 79h 33’ 20’’
2. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 02’ 43’’
3. GERAINT THOMAS (INEOS GRENADIERS / GBR) + 07’ 22’’
4. DAVID GAUDU (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 13’ 39’’
5. ALEKSANDR VLASOV (BORA – HANSGROHE / RUS) + 15’ 46’’
6. NAIRO QUINTANA (TEAM ARKEA – SAMSIC / COL) + 16’ 33’’
7. ROMAIN BARDET (TEAM DSM / FRA) + 18’ 11’’
8. LOUIS MEINTJES (INTERMARCHE – WANTY – GOBERT MATERIAUX / RSA) + 18’ 44’’
9. ALEXEY LUTSENKO (ASTANA – QAZAQSTAN TEAM / KAZ) + 22’ 56’’
10. ADAM YATES (INEOS GRENADIERS / GBR) + 24’ 52’’

[各賞]
■ポイント賞:WOUT VAN AERT (JUMBO – VISMA / BEL)
■山岳賞 : JONAS VINGEGAARD (JUMBO – VISMA / DEN)
■新人賞:TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
■チーム成績:INEOS GRENADIERS (GBR)
■スーパー敢闘賞 : WOUT VAN AERT (JUMBO – VISMA / BEL)
 

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(photo : A.S.O./Pauline BALLET)

 

ツール・ド・フランス 公式サイト

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