ツール・ド・フランス2022 第10ステージはニルスンが逃げ切り優勝

  • photo A.S.O./Pauline BALLET/ ©SprintCycling

フランスで開催中の第109回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)。休養日明けの7月12日はモルズィヌ・レ・ポルテ・デュ・ソレイユからムジェーブまでの148.5kmで丘越え区間の第10ステージが行われ、最後は逃げ切った選手たちがゴールスプリントを競い、デンマークのマウヌスコート・ニルスン(EFエデュケーション・イージーポスト)が2018年に続いて2度目の区間優勝を果たした。
 

ツール・ド・フランス2022

■ベテランのニルスン(右)が初参加のシュルツをゴールスプリントで打ち負かした (©SprintCycling)

 
区間2位はオーストラリアのニコラス・シュルツ(チームバイクエクスチェンジ・ジェイコ)、3位はスペインのルイスレオン・サンチェス(バーレーン・ヴィクトリアス)だった。

メイン集団は8分50秒後に、マイヨ・ジョーヌを着たスロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)がスプリントをして先頭でゴール。この日の逃げ集団で、最も総合成績が上位だったドイツのレナート・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ)は、たった11秒差でマイヨ・ジョーヌ獲得を逃してしまった。
 

ツール・ド・フランス2022

■スプリントでフィニッシュしたマイヨ・ジョーヌのポガチャル (photo : A.S.O./Pauline BALLET)


新型コロナで2選手が不出走

2度目の休養日をスキーリゾート地のモルズィヌで過ごした後、2週目の始まりはアルプスが舞台となった。国際自転車競技連合(UCI)は、休養日前夜に参加選手を対象に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査を行い、全員が陰性だったと発表したが、ニュージーランドのジョージ・ベネット(UAEチーム・エミレーツ)は、休養日にチームが行った新型コロナの検査で陽性になり、レースを続けられなくなってしまった。

オーストラリアのルーク・ダーブリッジ(チームバイクエクスチェンジ・ジェイコ)は、12日の朝に行われた新型コロナの検査で陽性になり、不参加となった。チーム発表によれば、彼は軽い症状が出ているという。

この他に、オーストラリアのベン・オコナー(AG2R・シトロエン チーム)とフランスのアレクシー・ヴュイエルモ(トタルエナジーズ)もレースを去り、第10ステージは161選手が出走した。
 
25人の逃げ集団

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■25人の集団が逃げた(photo : A.S.O./Pauline BALLET)

 
7km地点で最初にアタックしたのは、集団で最年長のフィリップ・ジルベール(ロット・スーダル)だったが、すぐに捕まってしまった。アタックと吸収が繰り返された後、53km地点でディラン・ファンバールレ(イネオス・グレナディアズ)、ジルベール、サンチェス、ピエール・ロラン(B&Bホテルズ・KTM)が逃げ出し、21人が合流し、62km地点で25人の大きな逃げ集団が形成された。

この逃げにはUAEチーム・エミレーツ、クイックステップ・アルファヴィニル チーム、AG2R・シトロエン チーム、グルパマ・FDJを除いた18チームの選手が加わっていた。総合が最も上位だったのはケムナで、8分43秒遅れの総合21位だった。25人は丘を越えながら逃げ続け、UAEチーム・エミレーツがコントロールする集団に残り60kmで5分差を付けていた。

ゴールまで残り38kmで、逃げ集団からアルベルト・ベッティオール(EFエデュケーション・イージーポスト)が単独でアタックした時、コース上で環境保護団体がデモを行った為、レースは一時中断した。ベッティオールは最後に越えたカテゴリー2のモンテー・ド・ラルティポール・ド・ムジェーブ峠の、19km続く坂を上がり始めた時、追走グループに20秒ほどのタイム差を付けていた。

残り20kmで逃げと集団のタイム差は9分を超え、ケムナが一時バーチャル・マイヨ・ジョーヌになった。モンテー・ド・ラルティポール・ド・ムジェーブ峠でベッティオールは追走グループに追いつかれ、最後は逃げ切った選手たちがアップヒルでのゴールスプリントを競い、残り250mでスパートしたサンチェスをシュルツが追い越したが、その後方に付いていたニルスンがフィニッシュライン目前でシュルツを追い越し、最後は車体を投げ出して勝利をもぎ取った。

■今年のツールでは序盤にマイヨ・アポワを着用し、区間優勝までしたニルスンのコメント
「信じられない。今日起きた事が信じられないよ。この上りはとても長かったから、ボクは限界に達していた。ベッティオールは本当に強く、長い距離を先頭で走っていたから、ボクはいくらかのエネルギーをセーブする事ができた。最後の数kmで何度かグループから脱落した。幸運にも(最後は)全員一緒になって、ボクはそこから行った。ボクみたいな選手にとっては、この勝利よりも大きなものはない。これこそが、この世界最大のレースで、ボクが追いかけられるものだ。ツール・ド・フランスでもう一度区間優勝できたのは幸運だった。またやるのは凄いことだ」
 

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■マイヨ・ジョーヌはポガチャルが守った (photo : A.S.O./Pauline BALLET)


■第10ステージ結果

[7月12日/モルズィヌ・レ・ポルテ・デュ・ソレイユ~ムジェーブ/148.5 km]
1. MAGNUS CORT NIELSEN (EF EDUCATION – EASYPOST / DEN) 3h 18’ 50’’
2. NICHOLAS SCHULTZ (TEAM BIKEEXCHANGE-JAYCO / AUS)
3. LUIS LEON SANCHEZ (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) + 00′ 07’’
4. MATTEO JORGENSON (MOVISTAR TEAM / USA) + 00′ 08’’
5. DYLAN VAN BAARLE (INEOS GRENADIERS / NED) + 00′ 10’’
6. GEORG ZIMMERMANN (INTERMARCHE – WANTY – GOBERT MATERIAUX / GER) + 00′ 15’’
7. BENJAMIN THOMAS (COFIDIS / FRA) + 00′ 18’’
8. ANDREAS LEKNESSUND (TEAM DSM / NOR) + 00′ 20’’
9. FRED WRIGHT (BAHRAIN VICTORIOUS / GBR) + 00′ 22’’
10. LENNARD KÄMNA (BORA – HANSGROHE / GER) + 00′ 22’’
20. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 08’ 50’’

■第10ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 37h 11’ 28’’
2. LENNARD KÄMNA (BORA – HANSGROHE / GER) + 00′ 11’’
3. JONAS VINGEGAARD (JUMBO – VISMA / DEN) + 00′ 39’’
4. GERAINT THOMAS (INEOS GRENADIERS / GBR) + 01’ 17’’
5. ADAM YATES (INEOS GRENADIERS / GBR) + 01’ 25’’
6. DAVID GAUDU (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 01’ 38’’
7. ROMAIN BARDET (TEAM DSM / FRA) + 01’ 39’’
8. THOMAS PIDCOCK (INEOS GRENADIERS / GBR) + 01’ 46’’
9. ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01’ 50’’
10. LUIS LEON SANCHEZ (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) + 01’ 50’’
12. NAIRO QUINTANA (TEAM ARKEA – SAMSIC / COL) + 02’ 13’’
13. PRIMOŽ ROGLIČ (JUMBO – VISMA / SLO) + 02’ 52’’

[各賞]
■ポイント賞:WOUT VAN AERT (JUMBO – VISMA / BEL)
■山岳賞 : SIMON GESCHKE (COFIDIS / GER)
■新人賞:TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
(※第11ステージは THOMAS PIDCOCK (INEOS GRENADIERS / GBR) が着用)
■チーム成績:INEOS GRENADIERS (GBR)
■敢闘賞 : ALBERTO BETTIOL (EF EDUCATION – EASYPOST / ITA)
 


第11ステージは超級頂上ゴール

ツール・ド・フランス2022

●第11ステージのコースプロフィール(MAP : A.S.O.)

 
ツールはいよいよアルプスの山岳ステージがスタート。7月13日はアルベールヴィルをスタートし、標高2413mでカテゴリー超級のコル・デュ・グラノン頂上にゴールする第11ステージが行われる。距離は152kmで、中盤には標高1566mでカテゴリー1のテレグラフ峠を越えた後、標高2642mで今大会最高峰のガリヴィエ峠(カテゴリー超級)も越えなければならない。ゴールのコル・デュ・グラノンは全長11.3km、平均勾配は9.2%だ。

新型コロナで2人のアシストを失い、6人での戦いを強いられているポガチャルにとっては、マイヨ・ジョーヌを守る最初の試練になりそうだ。
 

ツール・ド・フランス2022

(photo : A.S.O./Pauline BALLET)

 

ツール・ド・フランス 公式サイト

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