ツール・ド・フランス2022 第6ステージはポガチャルが優勝してマイヨ・ジョーヌ獲得

  • photo A.S.O./Pauline BALLET/ ©SprintCycling

フランスで開催中の第109回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月7日に隣国ベルギーのバンシュからフランスのロンウィまでの220kmで、丘越え区間の第6ステージを競い、新人賞のマイヨ・ブランを着たスロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が、アップヒルのゴールスプリントを制し、今大会区間1勝目を上げた。
 

ツール・ド・フランス2022

■ポガチャルがアップヒルゴールを制し、今大会区間1勝目を上げた (©SprintCycling)

 
区間2位はオーストラリアのマイケル・マシューズ(チームバイクエクスチェンジ・ジャイコ)、3位はフランスのダヴィド・ゴデュ(グルパマ・FDJ)だった。

この日、マイヨ・ジョーヌを着て逃げ続けたベルギーのウァウト・ヴァンアールト(ユンボ・ヴィスマ)は、7分28秒遅れでゴール。区間1位で10秒のボーナスタイムも獲得したポガチャルが総合首位に立ち、早くもマイヨ・ジョーヌを手中に収めた。
  
マイヨ・ジョーヌが逃げた

ツール・ド・フランス2022

■最後のマイヨ・ジョーヌの日を逃げてエンジョイしたヴァンアールト (photo : A.S.O./Pauline BALLET)

 
今年最長の220kmを走る第6ステージは、ベルギー南部のバンシュを173選手が出走した。前日の石畳区間では、オーストラリアのジャック・ヘイグ(バーレーン・ヴィクトリアス)と、オーストリアのミヒャエル・ゴークル(アルペシン・ドゥクーニンク)が落車で途中リタイア。石畳で観客と衝突したイタリアのダニエル・オス(トタルエナジーズ)はレースを完走したが、頚椎骨折で第6ステージは出走できなかった。

オフィシャルスタートからアタックがかかり続け、逃げと吸収を繰り返し、最初の1時間の平均時速は52.5km/hという高速レースになった。マイヨ・ジョーヌのヴァンアールトが先頭を引き続け、集団は一時分断したが、43km地点で1つに戻った。

その後もユンボ・ヴィスマは集団を引き続け、73km地点でマイヨ・ジョーヌのヴァンアールトがクイン・シモンズ(トレック・セガフレード)、ヤコブ・フルサン(イスラエル・プルミエテック)と一緒に逃げ出した。3人は中間地点で最大4分のタイム差を付けた。

145.9km地点の中間スプリントをヴァンアールトが先頭で通過した時、タイム差はまだ2分半あった。中間スプリントを通過後、フルサンは集団に戻り、先頭の逃げは2人になった。さらにゴールまで残り30kmでシモンズが遅れ、先頭はヴァンアールトだけになった。

カテゴリー4の丘を越えた後、ヴァンアールトはゴールまで残り11kmで集団に吸収された。この丘で集団は分断し、マテュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)やマルク・ヒルシ(UAEチーム・エミレーツ)は遅れてしまった。
 

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(photo : A.S.O./Pauline BALLET)

 
最後に越えたカテゴリー3のピュルヴァントゥーの丘で、アレクシー・ヴュイエルモ(トタルエナジーズ)が単独でアタックし、残り5.3kmの頂上を先頭で通過した。この日はカテゴリーのないルリジューズの丘の上がゴールで、ヴュイエルモはラファウ・マイカ(UAEチーム・エミレーツ)が引く集団に残り1.4kmで捕まってしまった。

UAEチーム・エミレーツは集団を引き続け、残り1kmのフラム・ルージュはブランドン・マクナルティ(UAEチーム・エミレーツ)が先頭で通過した。残り400mで最初に仕掛けたのは前日に落車で遅れ、大きくタイムを失っていたプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)だった。

しかし、その後方には、マイヨ・ブランのポガチャルがピタリと付いていた。ポガチャルは残り250mでスパートし、ログリッチをあっさり抜き去った。アップヒルゴールが得意なマシューズが追いすがったが、ポガチャルに追いつく事はできなかった。後ろを振り返り、勝利を確信したポガチャルは、両手を上げてフィニッシュラインを通過した。

■区間優勝してマイヨ・ジョーヌも獲得したポガチャルのコメント
「勝つたびに、それは以前よりも良くなっている。スタートからハードな一日だった。最初の2時間はとてもクレイジーだったよ。最強の選手が逃げに入ったからだ。多くのチームが集団を強く引き、我々のチームもそうした。最終的に集団は(ヴァンアールトよりも)強かったが、彼を捕まえられる確信はなかった。

調子が良いと感じていた。チームはボクを完璧な場所に置くために、信じられないくらい良い仕事をした。最後の2つの上りでしきい値を超えた後で、それは純粋なスプリントではなかった。ボクは最後に踏むための良い脚を持っていたんだと思う。マイヨ・ジョーヌを取る事は念頭になかったが、何よりも区間優勝できてうれしい。他の全てはボーナスさ」
 

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■区間優勝したポガチャルが総合首位に立ち、早くもマイヨ・ジョーヌを獲得した (photo : A.S.O./Pauline BALLET)

 
■第6ステージ結果

[7月7日/バンシュ(ベルギー)~ロンウィ/220 km]
1. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 4h 27’ 13’’
2. MICHAEL MATTHEWS (TEAM BIKEEXCHANGE-JAYCO / AUS)
3. DAVID GAUDU (GROUPAMA – FDJ / FRA)
4. THOMAS PIDCOCK (INEOS GRENADIERS / GBR)
5. NAIRO QUINTANA (TEAM ARKEA – SAMSIC / COL)
6. DYLAN TEUNS (BAHRAIN VICTORIOUS / BEL)
7. JONAS VINGEGAARD (JUMBO – VISMA / DEN)
8. DANIEL MARTINEZ (INEOS GRENADIERS / COL)
9. PRIMOŽ ROGLIČ (JUMBO – VISMA / SLO)
10. ROMAIN BARDET (TEAM DSM / FRA)
14. NEILSON POWLESS (EF EDUCATION – EASYPOST / USA)
103. WOUT VAN AERT (JUMBO – VISMA / BEL) + 07’ 28’’

■第6ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 20h 44’ 44’’
2. NEILSON POWLESS (EF EDUCATION – EASYPOST / USA) + 00′ 04’’
3. JONAS VINGEGAARD (JUMBO – VISMA / DEN) + 00′ 31’’
4. ADAM YATES (INEOS GRENADIERS / GBR) + 00′ 39’’
5. THOMAS PIDCOCK (INEOS GRENADIERS / GBR) + 00′ 40’’
6. GERAINT THOMAS (INEOS GRENADIERS / GBR) + 00′ 46’’
7. ALEKSANDR VLASOV (BORA – HANSGROHE / RUS) + 00′ 52’’
8. DANIEL MARTINEZ (INEOS GRENADIERS / COL) + 01’ 00’’
9. ROMAIN BARDET (TEAM DSM / FRA) + 01’ 01’’
10. DAVID GAUDU (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 01’ 02’’
11. NAIRO QUINTANA (TEAM ARKEA – SAMSIC / COL) + 01’ 05’’
28. PRIMOŽ ROGLIČ (JUMBO – VISMA / SLO) + 02’ 27’’

[各賞]
■ポイント賞:WOUT VAN AERT (JUMBO – VISMA / BEL)
■山岳賞 : MAGNUS CORT NIELSEN (EF EDUCATION – EASYPOST / DEN)
■新人賞:TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
(※第7ステージは THOMAS PIDCOCK (INEOS GRENADIERS / GBR) が着用)
■チーム成績:INEOS GRENADIERS (GBR)
■敢闘賞 : WOUT VAN AERT (JUMBO – VISMA / BEL)
 

第7ステージはプランシュ・デ・ベルフィーユ頂上ゴール

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●第7ステージのコースプロフィール(MAP : A.S.O.)

 
7月8日はトンブレンヌをスタートし、標高1140mでカテゴリー1のラ・シュベール・プランシュ・デ・ベルフィーユ頂上にゴールする、今年最初の山岳区間となる第7ステージが行われる。距離は176.5kmで、後半にはカテゴリー3の峠も2カ所越える。

ラ・シュベール・プランシュ・デ・ベルフィーユは全長7kmで平均勾配は8.7%。この山は近年様々なドラマを生んできたが、2020年には最終日前日に個人タイムトライアルのゴールになり、ポガチャルがログリッチを打ち負かして総合初優勝を決めたのは記憶に新しい。
 

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■スタート地点のバンシュには、ベルギーの英雄エディ・メルクスが来場した (photo : A.S.O./Pauline BALLET)

 

ツール・ド・フランス 公式サイト

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