ツール・ド・スイス2022は英国のトーマスが総合初優勝

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7月1日に開幕するツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)の調整レースとなる、第85回ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)は、6月19日の最終日に25.6kmの個人タイムトライアルを競い、英国のゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアズ)が逆転で総合初優勝を果たした。
 

ツール・ド・スイス2022

■左から総合3位のフルサン、総合優勝のトーマス、総合2位のイギタ (photo : © BORA – hansgrohe / Sprintcycling)

 
総合2位は1分12秒遅れでコロンビアのセルヒオ・イギタ(ボーラ・ハンスグローエ)、3位は1分16秒遅れでデンマークのヤコブ・フルサン(イスラエル・プルミエテック)だった。

最終日前日に行われたカテゴリー超級ゴールのクイーンステージで、総合首位に立ったのはコロンビアのイギタだった。しかし、彼はこの山岳ステージでトーマスに対し十分な差を付ける事ができず、たった2秒差で最終日の個人タイムトライアルを迎えた。

2018年のツール・ド・フランスで総合優勝し、現在36歳のトーマスは、最後の個人タイムトライアルで区間優勝したレムコ・エヴェネプール(クイックステップ・アルファヴィニル チーム)に3秒遅れの区間2位でレースを終え、最終的にはイギタに1分以上のタイム差を付け、総合初優勝した。
 

ツール・ド・スイス2022

■トーマスが最終日の個人TTで逆転総合優勝した(©SprintCycling)


第85回ツール・ド・スイス 個人総合最終成績

1. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) 33:07:09
2. HIGUITA GARCIA Sergio Andres (BORA – HANSGROHE / COL) +1:12
3. FUGLSANG Jakob (ISRAEL – PREMIER TECH / DEN) +1:16
4. POWLESS Neilson (EF EDUCATION – EASYPOST / USA) +2:10
5. KÜNG Stefan (GROUPAMA – FDJ / SUI) +2:25
6. JUNGELS Bob (AG2R CITROEN TEAM / LUX) +2:59
7. GROSSSCHARTNER Felix (BORA – HANSGROHE / AUT) +3:37
8. MARTINEZ POVEDA Daniel Felipe (INEOS GRENADIERS / COL) +3:39
9. POZZOVIVO Domenico (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / ITA) +3:42
10. SCHACHMANN Maximilian (BORA – HANSGROHE / GER) +3:45

[各賞]
■ポイント賞 : MATTHEWS Michael (TEAM BIKEEXCHANGE – JAYCO / AUS)
■山岳賞 : SIMMONS Quinn (TREK – SEGAFREDO / USA)
■新人賞 : HIGUITA GARCIA Sergio Andres (BORA – HANSGROHE / COL)
■チーム成績 : BORA – HANSGROHE (GER)

[各ステージの優勝者]
■第1ステージ:WILLIAMS Stephen (BAHRAIN VICTORIOUS / GBR)
■第2ステージ:LEKNESSUND Andreas (TEAM DSM / NOR)
■第3ステージ:SAGAN Peter (TOTALENERGIES / SVK)
■第4ステージ:IMPEY Daryl (ISRAEL – PREMIER TECH / RSA)
■第5ステージ:VLASOV Aleksandr (BORA – HANSGROHE / RUS)
■第6ステージ:DENZ Nico (TEAM DSM / GER)
■第7ステージ:PINOT Thibaut (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■第8ステージ:EVENEPOEL Remco (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL)


新型コロナで4チームがレースを撤退

ツール・ド・スイス2022

■第5ステージで区間優勝して総合首位になったヴラソフは、新型コロナに感染して翌日出走できなかった(photo : © BORA – hansgrohe / Sprintcycling)

 
今年のツール・ド・スイスは、後半に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性になる選手が続出し、最終的に4チームがレースを自主的に撤退する事態になった。

6月16日にオランダのユンボ・ヴィスマは、チーム内の4人が新型コロナの定期検査で陽性になり、国際自転車競技連合(UCI)のプロトコルに従ってレース撤退を決め、第5ステージはスタートしなかった。ユンボ・ヴィスマは陽性になった人物を発表していないが、スイスにはツール・ド・フランスの参加メンバー候補になっているローハン・デニス、ロベルト・ヘーシンク、セップ・クース、マイク・トゥニセンが参加していた。

ユンボ・ヴィスマの他にも、第5ステージはチームDSMのケース・ボル、カスパー・ピーダスン、セーアンクラーウ・アナスンの3人が、チームの定期検査で陽性になり、スタートしなかった。アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアズ)は軽度の症状が出た後、検査で陽性が確認され、不出走となった。

翌日の17日には、さらに新型コロナの陽性者が続出し、第6ステージは29選手が出走できなかった。ベルギーのアルペシン・フェニックス、UAEのUAEチーム・エミレーツ、バーレーンのバーレーン・ヴィクトリアスはチームごと撤退した。UAEチーム・エミレーツはマルク・ヒルシに軽度の症状が出て、新型コロナの検査で陽性になった。彼のルームメートは陰性だったが、ディエゴ・ウリッシは陽性が確認されている。他の2チームは具体的な陽性者を発表していない。

前日の第5ステージで区間優勝して総合首位になり、この日は黄色いリーダージャージを着て走る予定だったアレクサンドル・ウラソフ(ボーラ・ハンスグローエ)も新型コロナの検査で陽性になり、レースを棄権した。ボーラ・ハンスグローエはアントン・パルツァーも検査で陽性になった。

EFエデュケーション・イージーポストはリゴベルト・ウラン、ヒュー・カーシー、シュテファン・ビセッガー、アルベルト・ベッティオールの4人が定期検査で陽性になったが、撤退はしなかった。前日にイェーツが陽性になったイネオス・グレナディアズは、トーマス・ピドコックが陽性になり、出走しなかった。

さらに最終日前夜には、ペテル・サガン(トタルエナジーズ)がチームの定期検査で陽性になり、最終ステージを走れなかった。彼は第3ステージで区間優勝していた。サガンは昨年2月と今年1月にも新型コロナに感染していて、今回が3度目だった。
 

ツール・ド・スイス2022

■第3ステージで区間優勝したサガンは新型コロナに感染し、最終日を走れなかった(©SprintCycling)

 

ツール・ド・スイス 公式サイト

6/20発売!ツール・ド・フランス2022 公式プログラム