ジロ・デ・イタリア2022第17ステージはブイトラゴが逃げ切り区間初優勝

  • photo LaPresse (Alpozzi/D`Alberto/Ferrari/Paolone) / ©SprintCycling

イタリアで開催中の第105回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月25日にポンテ・ディ・レンニョからラヴァローネまでの168kmで、アルプス山岳区間の第17ステージを競い、コロンビアのサンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス)が独走で逃げ切り、グランツール区間初優勝を果たした。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■コロンビアのブイトラゴが独走で逃げ切り、区間初優勝した (photo : LaPresse)

 
区間2位はオランダのハイス・レームリーゼ(ユンボ・ヴィスマ)、3位はチェコのヤン・ヒルト(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)だった。総合リーダーのマリア・ローザは、エクアドルのリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアズ)が守った。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■マリア・ローザはカラパスが守った (photo : LaPresse)

 
第17ステージは155選手が出走。スタートしてすぐにカテゴリーのないパッソ・デル・トナーレ峠の上り坂が始まり、25人の大きな逃げ集団が形成された。そこにブイトラゴも加わっていた。上りだったにもかかわらず、最初の1時間の平均時速は44.4km.hだった。

前日と同じように山岳賞のマリア・アッズーラを着たクーン・ボーマン(ユンボ・ヴィスマ)とジューリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)がこの逃げに加わり、85.8kmのジョーボ峠(カテゴリー3)はボーマンが先頭で通過した。頂上通過後にブイトラゴが落車したが、すぐレースに復帰した。

102km地点でマテュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)がアタックし、ギヨーム・マルタン(コフィディス)、アレッサンドロ・コーヴィ(UAEチーム・エミレーツ)、フェリックス・ガル(AG2R・シトロエン チーム)と一緒に先行した。ゴールまで残り50kmで、4人は追走グループに50秒差を付けていた。

カテゴリー1のパッソ・デル・ヴェトリオロ峠が始まると、ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・イージーポスト)、ヒルト、ボーマン、ブイトラゴが追い上げ、先頭を走っていたファンデルプール、マルタン、ガルに追いついた。そこにレームリーゼも合流し、先頭は8人になった。ゴールまで残り33.7kmの頂上は、ボーマンが先頭で通過した。この時、マリア・ローザの集団は5分半遅れていた。

その後方では、今大会で区間2勝した英国のサイモン・イェーツ(チームバイクエクスチェンジ・ジャイコ)がレースを棄権。彼は落車で膝を負傷していた。

パッソ・デル・ヴェトリオロ峠の下りでファンデルプールとレームリーゼがアタックし、後続に1分半のタイム差を付けて最後のモンテロヴェレ峠(カテゴリー1)を上り始めた。坂が始まるとすぐにレームリーゼは遅れ、ファンデルプールは単独で先頭に立った。しかし、レームリーゼは残り11.5kmで先頭のファンデルプールを追い越した。
 

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■最後の峠を単独で逃げ続けたファンデルプール(©SprintCycling)

 
後方では、マリア・ローザ集団をリッチー・ポート(イネオス・グレナディアズ)が引き続け、マリア・ローザのカラパス、ジャイ・ヒンドリー(ホーラ・ハンスグローエ)、ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス)、ウァウテル・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス)の5人になっていた。

モンテロヴェレ峠を先頭で上り続けていたレームリーゼは、頂上の500m手前でブイトラゴに追い抜かれてしまった。ジロは初参加だった22歳のブイトラゴは、そのまま先頭でラヴァローネのゴールまで逃げ切り、右手で空を指差し、フィニッシユラインを通過した。

マリア・ローザ集団では、モンテロヴェレ峠でランダが最初に攻撃を開始し、ヒンドリーとカラパスが応戦した。3人は一緒に峠を越え、最後のゴールスプリントでランダはわずかに遅れたが、総合では3位になった。
 

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■ランダのアタックに応えるマリア・ローザのカラパス (photo : LaPresse)

 
■ジロ初参加で区間初優勝したブイトラゴのコメント
「ジロのステージで勝つのは、格別だ・とりわけ日曜日(第15ステージ)に区間2位でとても失望した後だったからね。今日、勝利の鍵は上りで辛抱する事だった。ボクはうまくやれたと思う。この優勝はコロンビアに居る家族と、今までボクをサポートしてくれた全ての人々のためのものだ」


■第17ステージ結果

[5月25日/ポンテ・ディ・レンニョ~ラヴァローネ/168 km]
1. BUITRAGO SANCHEZ Santiago (BAHRAIN VICTORIOUS / COL) 4:27:41
2. LEEMREIZE Gijs (JUMBO-VISMA / NED) +0:35
3. HIRT Jan (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / CZE) +2:28
4. CARTHY Hugh John (EF EDUCATION – EASYPOST / GBR) +2:28
5. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU) +2:53
6. HINDLEY Jai (BORA – HANSGROHE / AUS) +2:53
7. VANSEVENANT Mauri (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL) +2:57
8. BOUWMAN Koen (JUMBO-VISMA / NED) +2:59
9. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) +2:59
10. LANDA MEANA Mikel (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +2:59

■第17ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU) 73:19:40
2. HINDLEY Jai (BORA – HANSGROHE / AUS) +0:03
3. LANDA MEANA Mikel (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +1:05
4. GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +1:54
5. NIBALI Vincenzo (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ITA) +5:48
6. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +6:19
7. HIRT Jan (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / CZE) +7:12
8. BUCHMANN Emanuel (BORA – HANSGROHE / GER) +7:13
9. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP) +12:27
10. POZZOVIVO Domenico (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / ITA) +12:30

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):BOUWMAN Koen (JUMBO-VISMA / NED)
■新人賞(マリア・ビアンカ):GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR)
 

ジロ・デ・イタリア2022

■ゴールで空を指差したブイトラゴ (photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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