頂上ゴールのジロ・デ・イタリア2022第15ステージはチッコーネが逃げ切り優勝

  • photo LaPresse (Alpozzi/D`Alberto/Ferrari/Paolone)

イタリアで開催中の第105回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月22日にリヴァローロ・カヴァネーゼから標高1611mでカテゴリー2のコーニュ頂上までの177kmで第15ステージを競い、地元イタリアのジューリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)が独走で逃げ切り、ジロで3回目の区間優勝を成し遂げた。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■チッコーネが逃げ勝ち、イタリアに今大会3勝目をもたらした (photo : LaPresse)

 
区間2位はコロンビアのサンテャアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス)、3位はスペインのアントニオ・ペドレロ(モビスターチーム)だった。メイン集団は7分48秒後にゴールし、総合リーダーのマリア・ローザは、エクアドルのリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアズ)が守った。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■マリア・ローザはカラパスが守った (photo : LaPresse)

 

スタートからマリア・ローザが落車

アルプス山岳区間の第15ステージは159選手が出走。スタートからアタックがかかる中、5.6km地点で落車事故が発生し、マリア・ローザを着たカラパスも巻き込まれた。集団はペースを落とし、落車で遅れた選手たちが合流するのを待った。それでも最初の1時間の平均時速は50km/hを超えていた。

72km地点で5人が集団から逃げ出し、80km地点でマテュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)が入った追走グループが合流し、大きな逃げ集団が形成された。ここにチッコーネはバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)と一緒に加わっていた。

最初に越えたピラ・レ・フルール峠で、逃げ集団からクーン・ボーマン(ユンボ・ヴィスマ)がアタックし、カテゴリー1の頂上を先頭で通過して山岳賞総合首位の座を奪い返した。下りでバウマンにファンデルプールとマルティン・トゥースフェルト(チームDSM)が追いつき、先頭は3人になった。ふもとで3人と追走グループのタイム差は1分半、集団は5分以上後方だった。

2カ所目のヴェローニュ峠の登坂が始まり、3人は追走グループに追いつかれた。ここで先頭は一度チッコーネ、ブイトラゴ、ペドレロの4人になり、頂上の手前でヒュー・カーシー(EFエデュケーション・イージーポスト)が追いついて4人になった。カテゴリー1の頂上はチッコーネが先頭で通過した。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■チッコーネのアタックにカーシーは付いて行けなかった (photo : LaPresse)

 
ふもとで先頭の4人にトゥースフェルトとルイ・コスタ(UAEチーム・エミレーツ)が追いついたが、最後のコーニュの登坂が始まり、チッコーネが攻撃を開始すると、付いて行けたのはカーシーだけだった。しかし、残り18.8kmでカーシーも遅れ、チッコーネの一人旅が始まった。

チッコーネはそのまま独走でカテゴリー2のコーニュ山を上りきり、観客に応援を求めながらフィニッシュラインを通過した。彼がジロで区間優勝したのは、2016年、2019年に続いて3回目だった。

第15ステージは、マリア・ローザ集団で総合争いの戦いは行われず、総合上位に変動はなかった。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■独走でコーニュ山を上るチッコーネ (photo : LaPresse)

 
■3年ぶりで区間優勝したチッコーネのコメント
「これは最も美しい勝利だ。ツール・ド・フランスでのマイヨ・ジョーヌよりも良いし、ジロでの区間初優勝よりも良い。なぜなら過去の2年間、ジロでもブエルタでも運が悪く、落車、病気、新型コロナで辛い時期を過ごしてきたからだ。今日は強いと感じていて、単独アタックする事を選択した。2〜3人でのスプリントでは、何が起こるか分からないからだ。(アタックしたのが19km地点だったのは)そこが上りで最も傾斜のキツい場所だったからで、その後では皆を蹴落とせるか分からなかったからだ」
 

ジロ・デ・イタリア2022

■チッコーネがカテゴリー2頂上ゴールで逃げ勝った (photo : LaPresse)


■第15ステージ結果

[5月22日/リヴァローロ・カヴァネーゼ~コーニュ/177 km]

1. CICCONE Giulio (TREK – SEGAFREDO / ITA) 4:37:41
2. BUITRAGO SANCHEZ Santiago (BAHRAIN VICTORIOUS / COL) +1:31
3. PEDRERO Antonio (MOVISTAR TEAM / ESP) +2:19
4. CARTHY Hugh John (EF EDUCATION – EASYPOST / GBR) +3:09
5. TUSVELD Martijn (TEAM DSM / NED) +4:36
6. COVILI Luca (BARDIANI CSF FAIZANE’ / ITA) +5:08
7. TESFAZION Natnael (DRONE HOPPER – ANDRONI GIOCATTOLI / ERI)+5:27
8. MOLLEMA Bauke (TREK – SEGAFREDO / NED) +5:27
9. LEEMREIZE Gijs (JUMBO-VISMA / NED) +5:27
10. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) +6:06
13. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU) +7:48

■第15ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU) 63:06:57
2. HINDLEY Jai (BORA – HANSGROHE / AUS) +0:07
3. GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +0:30
4. LANDA MEANA Mikel (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +0:59
5. POZZOVIVO Domenico (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / ITA) +1:01
6. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +1:52
7. BUCHMANN Emanuel (BORA – HANSGROHE / GER) +1:58
8. NIBALI Vincenzo (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ITA) +2:58
9. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP) +4:04
10. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) +8:02
11. VALVERDE Alejandro (MOVISTAR TEAM / ESP) +9:06

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):BOUWMAN Koen (JUMBO-VISMA / NED)
■新人賞(マリア・ビアンカ):GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR)
 

ジロ・デ・イタリア2022

■ボーマンが山岳賞のマリア・アッズーラを取り戻した (photo : LaPresse)


最終週の始まりはモルティローロ峠越え区間

ジロ・デ・イタリア2022

■第16ステージのコースプロフィール (MAP : RCS Sport)

 

23日は3回目の休養日となり、24日からいよいよ最終週が始まる。第16ステージはサローからアプリカまでの202kmで、標高1938mのゴレット・ディ・カディノ峠、標高1854mのモルティローロ峠、標高1448mのサンタ・クリスティーナ峠の、3カ所のカテゴリー1の峠を越えるレイアウトだ。

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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