ジロ・デ・イタリア2022第14ステージはS・イェーツが2勝目/カラパスが総合首位

イタリアで開催中の第105回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月21日にサンテナからトリノまでの147kmで、丘越え区間の第14ステージを競い、英国のサイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が残り4.6kmを独走で逃げ切り、今大会区間2勝目を上げた。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■S・イェーツが逃げ切り、区間2勝目を上げた (photo : LaPresse)

 
区間2位はオーストラリアのジャイ・ヒンドリー(ボーラ・ハンスグローエ)、3位はエクアドルのリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアズ)だった。マリア・ローザを着ていたスペインのフアンペドロ・ロペス(トレック・セガフレード)は4分25秒遅れの区間10位でゴールし、2019年の総合優勝者であるカラパスが総合首位に立った。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■カラパスが総合首位に立ち、マリア・ローザを獲得した (photo : LaPresse)


デュムランがリタイア

第14ステージは160選手が出走。コースは147kmと短く、後半にカテゴリー2のスペルガ峠とマッダレーナ峠を越えるトリノ近郊の周回コースを2周するレイアウトになっていた。スタートしてすぐにマテュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)が単独でアタックしたが、成功しなかった。

序盤から激しく動く展開で集団は分断し、開幕前には総合優勝候補に挙げられていたオランダのトム・デュムラン(ユンボ・ヴィスマ)がリタイアした。チームによれば、彼はこの数日間体調が良くなかったという。

43.3km地点のイル・ピロネット峠(カテゴリー3)を、山岳賞のマリア・アッズーラを着たディエゴ・ローザ(エオロ・コメタ サイクリングチーム)が先頭で超えた後、12人の逃げグループが形成された。しかし、集団はボーラ・ハンスグローエが引き続け、最初のスプレガ峠越えの前に逃げグループを吸収してしまった。

マリア・ローザ集団はボーラ・ハンスグローエが引き続け、最初のスプレが峠で12人に絞られた。ゴールまで残り63.8kmの頂上は、ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ)が先頭で通過した。12人はトリノのコントロールラインを一緒に通過し、最後の周回へと突入した。

2回目のスプレガ峠が始まると、カラパスが先頭に出て、ヴィンチェンツォ・ニバリ(アスタナ・カザクスタン チーム)、ヒンドリーと一緒に先行した。マリア・ローザのロペスは一度遅れたが、この時は先頭グループに追いつく事ができた。イェーツも遅れたが、残り30kmで他の選手たちと一緒に先頭グループに追いついた。

スプレガ峠頂上までまだ残り1km以上あった地点で、カラパスがアタックし、独走を開始。後続グループでは遂にマリア・ローザのロペスが力尽き、遅れてしまった。カラパスは追走する8人に24秒差を付けて、最後のマッダレーナ峠を上り始めた。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■マッダレーナ峠で先頭のカラパスにヒンドリーが追いついた (photo : LaPresse)

 
マッダレーナ峠の激坂で、カラパスにまずヒンドリーが追いつき、ニバリ、イェーツも合流して先頭は4人になった。ゴールまで残り11.8kmの頂上はカラパスが先頭で通過した。勝負を決したのは、ゴール手前4.6kmにあった、カテゴリーのない上り坂だった。ここでアタックを決めたイェーツがそのまま逃げ切り、後続に15秒差を付けてトリノのゴールに飛び込んだ。これで彼のジロ区間通算優勝回数は、6回になった。

■区間2勝目を上げたS・イェーツのコメント
「今日、当初の計画は逃げを作る事だったが、それはうまくいかなかった。最後の動きでは、自分がもはや総合のためにレースをしていないというアドパンテージがあったが、ボクはジロで勝つためにここに来たんだ。これは6回目の優勝だ。それはブロックハウスでタイムを失った事によるボクの失望を埋め合わせはしない。残り一週間だが、今日は物凄い労力だった。最後の週に何か残っているか分からないよ」

■総合首位に立ったカラパスのコメント
「短いが、非常にハードなステージだった。それがどのように進んだかには喜んでいる。チームにとっては最初の前向きな一歩だ。今から我々はマリア・ローザを守る努力をするよ。(総合優勝した)3年前もこれを第14ステージで取ったかどうかは覚えていなかったが、またそうできて嬉しい」
 

ジロ・デ・イタリア2022

■残り4.6kmの坂でアタックを決めたS・イェーツ (photo : LaPresse)


■第14ステージ結果[5月21日/サンテナ~トリノ/147 km]

1. YATES Simon (TEAM BIKEEXCHANGE – JAYCO / GBR) 3:43:44
2. HINDLEY Jai (BORA – HANSGROHE / AUS) +0:15
3. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU) +0:15
4. NIBALI Vincenzo (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ITA) +0:15
5. POZZOVIVO Domenico (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / ITA) +0:28
6. GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +0:39
7. LANDA MEANA Mikel (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +0:51
8. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +0:51
9. BUCHMANN Emanuel (BORA – HANSGROHE / GER) +1:10
10. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP) +4:25

■第14ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU) 58:21:28
2. HINDLEY Jai (BORA – HANSGROHE / AUS) +0:07
3. GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +0:30
4. LANDA MEANA Mikel (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +0:59
5. POZZOVIVO Domenico (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / ITA) +1:01
6. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +1:52
7. BUCHMANN Emanuel (BORA – HANSGROHE / GER) +1:58
8. NIBALI Vincenzo (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ITA) +2:58
9. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP) +4:04
10. VALVERDE Alejandro (MOVISTAR TEAM / ESP) +9:06

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ROSA Diego (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR)


第15ステージはアルプス頂上ゴール

ジロ・デ・イタリア2022

■第15ステージのコースプロフィール (MAP : RCS Sport)

2週目の最終日となる5月22日は、アルプス山岳ステージの第15ステージが行われる。コースはリヴァローロ・カヴァネーゼをスタートし、前半はほぼ平坦だが、後半にカテゴリー1の峠を2カ所通過し、標高1611mでカテゴリー2のコーニュ頂上にゴールする。
 

ジロ・デ・イタリア2022

(photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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