ジロ・デ・イタリア2022第12ステージはイタリアのオルダーニが区間初優勝

  • photo LaPresse (Alpozzi/D`Alberto/Ferrari/Paolone)

イタリアで開催中の第105回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月19日にパルマからジェノヴァまでの204 kmで、丘越え区間の第12ステージを競い、地元イタリアのステファノ・オルダーニ(アルペシン・フェニックス)が逃げ切り、プロ初優勝となる区間初優勝を果たした。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■オルダーニがゴールスプリントでロタを下し、プロ初優勝を勝ち取った (photo : LaPresse)

 
区間2位はイタリアのロレンツォ・ロータ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)、3位はオランダのハイス・レームリーゼ(ユンボ・ヴィスマ)だった。総合首位はスペインのフアンペドロ・ロペス(トレック・セガフレード)が守り、マリア・ローザ着用日数を9日に延ばした。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■J・ロペスはマリア・ローザ着用日数が9日になった (photo : LaPresse)

 
第12ステージはパルマをスタートし、アッペンニーノ山脈の北部を越えてリグーリア海沿いのジェノヴァにゴールするコースだった。2011年にベルギーのウォートル・ウェイラントが命を落としたパッソ・デル・ボッコ(カテゴリー3)を通過するため、このステージは故ウェイラントに捧げられた。事故後、ジロがこの峠を通過したのは初めてだった。
 

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■故ウェイラントが命を落としたパッソ・デル・ボッコ峠には追悼碑がある (photo : LaPresse)

 
164選手がスタートし、オーストラリアのケイレブ・ユアン(ロット・スーダル)が出走しなかった。スタートからアタックと吸収が繰り返され、最初の1時間の平均時速は55.3km/hになった。55.9km地点の中間スプリントを、ポイント賞のマリア・チクラミーノを着たアルノー・デマール(グルパマ・FDJ)が先頭で通過した直後、アルペシン・フェニックスがアタックして25人の大きな逃げ集団が形成された。

この逃げ集団に、オルダーニはマテュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)と一緒に加わっていた。総合成績が最も上位だったのはウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ)だったが、彼はすでに第9ステージで遅れていて、11分2秒遅れの総合23位だったため、総合を争うチームはこの逃げを許した。

95.5km地点のパッソ・デル・ボッコ(カテゴリー3)頂上はバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)が先頭で通過。ゴールまで残り77kmで、逃げと集団のタイム差は5分に開いていた。
 

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■大きな逃げ集団からロータ、オルダーニ、レームリーゼがアタックした(photo : LaPresse)

 
レースは後半に入り、2つ目の峠だったラ・コッレッタ(カテゴリー3)でロータがアタックし、先頭で頂上を通過した。下りでロータ、オルダーニ、レームリーゼが逃げ集団から抜け出す事に成功した。後続グループでは、最後に越えたヴァリコ・ディ・トレンサスコ(カテゴリー3)でサンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス)、ルーカス・ハミルトン(チームバイクエクスチェンジ・ジェイコ)、モレマ、ケルデルマンがアタックし、先頭の3人を追いかけたが、ゴールまで残り15kmでタイム差は51秒あった。

最後は逃げ切った3人がゴールスプリントを競い、最初にスプリントを開始したレームリーゼを発射台に利用したオルダーニが、24歳でプロ初優勝となるグランツール区間初優勝を勝ち取った。メイン集団は9分8秒遅れでゴール。57秒遅れの追走グループでゴールしていたケルデルマンは、総合での遅れを2分51秒にまで取り戻し、総合23位から13位にまで順位を上げる事ができた。

■区間初優勝したオルダーニのコメント
「自分が速いのは分かっていたが、簡単ではなかった。ロレンツォ・ロータは友達で、同じくらいに速いからだ。だからボクは注意した。(逃げ集団での)ファンデルプールの存在は、最後の3人の逃げグループを作るのにとても重要だった。プロ初優勝がジロでもたらされるなんて信じられない。素晴らしいよ」
 

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■区間初優勝してジェノヴァの表彰台に上がったオルダーニ (photo : LaPresse)


■第12ステージ結果[5月19日/パルマ~ジェノヴァ/204 km]

1. OLDANI Stefano (ALPECIN-FENIX / ITA) 4:26:47
2. ROTA Lorenzo (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / ITA)
3. LEEMREIZE Gijs (JUMBO-VISMA / NED) +0:02
4. MOLLEMA Bauke (TREK – SEGAFREDO / NED) +0:57
5. BUITRAGO SANCHEZ Santiago (BAHRAIN VICTORIOUS / COL) +0:57
6. KELDERMAN Wilco (BORA – HANSGROHE / NED) +0:57
7. HAMILTON Lucas (TEAM BIKEEXCHANGE – JAYCO / AUS) +0:57
8. VENDRAME Andrea (AG2R CITROEN TEAM / ITA) +1:44
9. TAARAMÄE Rein (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / EST) +1:49
10. EENKHOORN Pascal (JUMBO-VISMA / NED) +2:55
27. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP) +9:08

■第12ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP) 51:19:07
2. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU) +0:12
3. GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +0:12
4. BARDET Romain (TEAM DSM / FRA) +0:14
5. HINDLEY Jai (BORA – HANSGROHE / AUS) +0:20
6. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) +0:28
7. LANDA MEANA Mikel (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +0:29
8. POZZOVIVO Domenico (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / ITA) +0:54
9. BUCHMANN Emanuel (BORA – HANSGROHE / GER) +1:09
10. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +1:22
13. KELDERMAN Wilco (BORA – HANSGROHE / NED) +2:51

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ROSA Diego (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP)
(※第13ステージはGONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) が着用)

ジロ・デ・イタリア2022

■新設されたジェノヴァのサン・ジョルジョ橋(旧モランディ橋)を通過する集団(photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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