ジロ・デ・イタリア2022第8ステージはデヘントが区間優勝

  • photo LaPresse / ©SprintCycling

イタリアで開催中の第105回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月14日に南部のナポリで丘越え区間の第8ステージを競い、ベルギーのトマス・デヘント(ロット・スーダル)が逃げ切り、区間優勝した。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■デヘントがジロで10年ぶりに区間優勝した (©SprintCycling)

 
区間2位はイタリアのダヴィデ・ガッブーロ(バルディアーニ・CSF・ファイザネ)、3位はスペインのホルヘ・アルカス(モビスターチーム)だった。メイン集団は3分33秒遅れでゴール。総合首位はスペインのフアンペドロ・ロペス(トレック・セガフレード)が守った。
 

ファンデルプールがアタック

ジロ・デ・イタリア2022

■ファンデルプール(右)がこの日の逃げを作った (photo : LaPresse)

 
第8ステージはナポリがスタートとゴールで、郊外のバコーリのサーキットを4周する、クラシックレースのような丘越え区間だった。サーキットには平均勾配6.8%のモンテ・ディ・プロチダの丘が含まれていた。スタートからオランダのマテュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)が活発に動き、13km地点で単独アタックを決めた。

集団からはすぐに20人の追走グループがアタックし、先頭のファンデルプールに合流した。逃げ集団で最も総合成績が上位だったのはフランスのギヨーム・マルタン(コフィディス)で、4分6秒遅れの総合28位だった。最初の1時間の平均時速は47.1km/hだった。逃げ集団のタイム差が2分を超えると、ボーラ・ハンスグローエとバーレーン・ヴィクトリアスが集団を引き始め、逃げていたヤシャ・ズッターリン(バーレーン・ヴィクトリアス)は集団に戻り、先頭は20人になった。

先頭集団では、ゴールまで残り46kmの丘でファンデルプールがアタックし、ビニアム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)、マウロ・シュミット(クイックステップ・アルファヴィニル チーム)、ウァウテル・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス)とともに先行したが、3km先で後続に追いつかれた。

その直後にカウンターでガッブーロがアタックし、デヘントはチームメートのハルム・ヴァンハウケ(ロット・スーダル)と一緒に付いて行き、アルカス、シモーネ・ラヴァネッリ(ドローンホッパー・アンドローニジョカットリ)も加わった。5人はファンデルプールのグループに27秒差を付けて最後のモンテ・ディ・プロチダを上り始めた。そこでラバネッリは遅れ、先頭は4人になった。

バコーリのサーキットからナポリへと戻る途中、追走グループではシュミットがアタックし、ファンデルプール、ギルマイ、プールス、マルタンの5人と抜け出した。ゴールまで残り8.6kmで、最後の丘越えが始まった時、4人の逃げとファンデルプールのグループは30秒差、集団は3分45秒差だった。

メイン集団では、最後の丘で総合2位のレナート・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ)がアタックしたが、マリア・ローザを着たロペスがすぐに反応し、その奇襲を鎮圧した。追走グループではファンデルプールがアタックを開始し、ギルマイと一緒に先頭グループとのタイム差をジリジリと縮めていった。残り1kmのフラム・ルージュで、タイム差は9秒だった。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■ナポリの海岸沿いにあったゴールに飛び込むデヘント (photo : LaPresse)

 
しかし、最後は4人が逃げ切り、ファンフークのアシストを受けたデヘントが残り200mでスプリントを開始し、難なく区間優勝を勝ち取った。35歳のデヘントがジロで区間優勝したのは、ちょうど10年前の2012年の、ステルビオ頂上ゴール以来だった。

■ジロで10年ぶりに区間優勝したデヘントのコメント
「ファンデルプールやギルマイのようなクオリティの選手がいる先頭グループだった。我々は彼らを注意して見ていなければならず、彼らを打ち負かすのは難しいだろうと知っていた。我々はわずかなアドパンテージを作り、私はファンフークのために働いていた。だから彼は上りでアタックできたが、最後に彼は、我々は役割を交代すべきだと言った。この4人のスプリントなら勝つ自信はあった。2週間前には、またグランツールの区間で勝てるとは思っていなかった。でも、今はここに居る」
 

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■J・ロペスがマリア・ローザを守った (photo : LaPresse)


■第8ステージ結果

[5月14日/ナポリ~ナポリ(プロチダ・カピターレ・イタリアーナ・デッラ・クルトゥーラ/153 km]
1. DE GENDT Thomas (LOTTO SOUDAL / BEL) 3:32:53
2. GABBURO Davide (BARDIANI CSF FAIZANE’ / ITA)
3. ARCAS Jorge (MOVISTAR TEAM / ESP)
4. VANHOUCKE Harm (LOTTO SOUDAL / BEL) + 0:04
5. GIRMAY Biniam (INTERMARCHE – WANTY – GOBERT MATERIAUX /ERI) + 0:15
6. SCHMID Mauro (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / SUI) + 0:15
7. VAN DER POEL Mathieu (ALPECIN-FENIX / NED) + 0:15
8. POELS Wouter (BAHRAIN VICTORIOUS / NED) + 0:33
9. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) + 0:33
10. FELLINE Fabio (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ITA) +2:56

■第8ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP) 32:15:31
2. KÄMNA Lennard (BORA – HANSGROHE / GER) +0:38
3. TAARAMÄE Rein (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / EST) +0:58
4. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) +1:16
5. YATES Simon (TEAM BIKEEXCHANGE – JAYCO / GBR) +1:42
6. VANSEVENANT Mauri (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL) +1:47
7. KELDERMAN Wilco (BORA – HANSGROHE / NED) +1:55
8. GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +1:58
9. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +2:00
10. PORTE Richie (INEOS GRENADIERS / AUS) +2:04
11. BARDET Romain (TEAM DSM / FRA) +2:06

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):BOUWMAN Koen (JUMBO-VISMA / NED)
■新人賞(マリア・ビアンカ):LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP)
(※第9ステージはVANSEVENANT Mauri (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL)が着用)


第9ステージはアッペンニーノ山脈のブロックハウス頂上ゴール

ジロ・デ・イタリア2022

■第9ステージのコースプロフィール (MAP : RCS Sport)

 

今年のジロで一週目の週末となる5月15日は、イゼルニアをスタートし、アッペンニーノ山脈にある標高1665mのブロックハウス頂上にゴールする山岳区間の第9ステージが行われる。コースはスタートからカテゴリー3の登坂がスタートし、カテゴリー2の峠を2つ通過。後半は標高1310mでカテゴリー1のランチャーノ峠を越えた後、全長13.4kmで平均勾配8.4%のブロックハウス(カテゴリー1)を上る。

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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