ジロ・デ・イタリア2022第7ステージはボーマンが区間初優勝

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イタリアで開催中の第105回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月13日にディアマンテからポテンツァまでの196kmで、丘越え区間の第7ステージを競い、オランダのクーン・ボーマン(ユンボ・ヴィスマ)が逃げ切り、グランツール区間初優勝を果たした。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■ボーマンが逃げグループのゴールスプリントを制し、グランツール区間初優勝を果たした (photo : LaPresse)

 
区間2位はオランダのバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)、3位はイタリアのダヴィデ・フォルモロ(UAEチーム・エミレーツ)だった。メイン集団は2分59秒遅れでゴールし、スペインのフアンペドロ・ロペス(トレック・セガフレード)が、総合リーダーのマリア・ローザを守った。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■スペインのJ・ロペスがマリア・ローザを守った (photo : LaPresse)


アッペンニーノ山脈の丘越え区間

ジロ・デ・イタリア2022

(MAP : RCS Sport)

 
第7ステージはアッペンニーノ山脈南部の4カ所の峠を越えるレイアウトで、最後は13%の勾配を駆け上がるアップヒルのゴールになっていた。スプリント列車でマーク・カヴェンディッシュの発射台を務めるミケル・モルコフ(クイックステップ・アルファヴィニル チーム)が前夜に発熱し、出走しなかった。

最初のパッソ・コッラ峠(カテゴリー2)でウァウテル・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス)がアタックし、フォルモロとアントニー・ペレス(コフィディス)が合流したが、下りで集団に吸収された。フォルモロはすぐにまた逃げ出し、次のモンテ・シリノ峠(カテゴリー1)でダヴィデ・ヴィレッラ(コフィディス)が追いついた。

モンテ・シリノ峠でプールス、ボーマン、モレマ、トム・デュムラン(ユンボ・ヴィスマ)、ディエゴ・カマルゴ(EFエデュケーション・イージーポスト)が追いつき、先頭は7人になった。集団は頂上まで残り11kmで3分以上離れていた。カテゴリー1の山頂はボーマンが先頭で通過し、山岳賞ポイントを40ポイント稼いだ。

7人の逃げで最も総合成績が上位だったのはボーマンで、5分30秒遅れの総合35位だった。ゴールまで残り83kmでタイム差は5分半を超え、ボーマンがバーチャル・マリア・ローザになった。ヴィレッラは下りのカープで転倒し、逃げグループから遅れた。残り60km地点のモンテ・グランデ・ディ・ヴィッジャーノ峠(カテゴリー2)もボーマンが先頭で通過し、山岳賞で総合首位に立った。集団はイネオス・グレナディアズが先頭を引き、残り35kmでタイム差は4分を切っていた。

この日最後のラ・セッラータ峠(カテゴリー3)が始まり、デュムランが攻撃を開始。モレマとフォルモロが応戦し、ボーマンは遅れた。しかし、彼は残り25kmで先頭の3人に追いつく事ができ、頂上も先頭で通過した。
 

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■レース終盤にアタックを続けたモレマ(左)に応戦するボーマン (photo : LaPresse)

 
ポテンツァの町中に入り、ゴールまで残り8.5kmでモレマがアタックすると、デュムランは遅れてしまった。最後はこの3人のゴール勝負になるかと思われたが、残り3kmでデュムランが追いつき、そのまま先頭を引き続けた。最後はデュムランのアシストを受けたボーマンが残り250mでスプリントを開始し、圧倒的な差を付けて初優勝を果たした。

現在28歳のボーマンは、2017年にフランスのクリテリウム・デュ・ドーフィネで区間優勝していて、チームタイムトライアルやチームリレーでの優勝を除くと、これがプロで2勝目だった。

■グランツール区間初優勝を果たしたボーマンのコメント
「信じられない。まだ2回目のプロでの優勝なんだ。5年前のドーフィネと同じ気分だ。上りでトラブルに見舞われたが、戻った。残り2kmはデュムランから素晴らしい助けを得た。スプリントでは勝つ自信があったけど、ゴールがこれほど急だとは思っていなかった。(デュムランが9分以上遅れた)エトナ山での失望の後で、我々は区間優勝を目指す決定をして、今日それを成し遂げたんだ」
 

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■逃げて山岳賞ポイントを稼いだボーマンはマリア・アッズーラも獲得した (photo : LaPresse)


■第7ステージ結果

[5月13日/ディアマンテ~ポテンツァ/196 km]
1. BOUWMAN Koen (JUMBO-VISMA / NED) 5:12:30
2. MOLLEMA Bauke (TREK – SEGAFREDO / NED) +0:02
3. FORMOLO Davide (UAE TEAM EMIRATES / ITA) +0:02
4. DUMOULIN Tom (JUMBO-VISMA / NED) +0:19
5. VILLELLA Davide (COFIDIS / ITA) +2:25
6. KÄMNA Lennard (BORA – HANSGROHE / GER) +2:59
7. ALBANESE Vincenzo (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA) +2:59
8. GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +2:59
9. VALVERDE Alejandro (MOVISTAR TEAM / ESP) +2:59
10. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU) +2:59

■第7ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP) 28:39:05
2. KÄMNA Lennard (BORA – HANSGROHE / GER) +0:38
3. TAARAMÄE Rein (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / EST) +0:58
4. YATES Simon (TEAM BIKEEXCHANGE – JAYCO / GBR) +1:42
5. VANSEVENANT Mauri (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL) +1:47
6. KELDERMAN Wilco (BORA – HANSGROHE / NED) +1:55
7. GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +1:58
8. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +2:00
9. PORTE Richie (INEOS GRENADIERS / AUS) +2:04
10. BARDET Romain (TEAM DSM / FRA) +2:06
33. DUMOULIN Tom (JUMBO-VISMA / NED) +5:40

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):BOUWMAN Koen (JUMBO-VISMA / NED)
■新人賞(マリア・ビアンカ):LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP)
(※第8ステージはVANSEVENANT Mauri (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL)が着用)
 

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■区間優勝を喜ぶボーマン(右)とデュムラン (photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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